「明久君。」
「友也。」
三年と二年の試召戦争が成立した途端に友也が佐藤と一緒に二年Aクラスに入ってきた。
「どういう状況ですか?なぜ三年生がここに、そして常夏下劣コンビも。」
「おい!今下劣って言ったか!」
「調子にのんなゴラ!」
友也の言葉に常夏コンビは激怒する。そんな二人に友也は冷静に対象する。
「お言葉ですが、前教頭に裏取引で推薦状を貰おうとこちらの女子を誘拐及び監禁を手伝ったり、公共の目の前で砂を明久君の目に投げたり、生放送で明久君を侮辱したりした人を下劣と言ってあげるのはまだ情があるからです。」
「本音で言いたい言葉だと?」
「クソミソドブバカアホバカ野郎です。」
明久の言葉に友也は素直に答える。
「おい!ここでそれを言うか!」
「ていうかバカって二回言ってたぞ!」
そんな中二年生の冷たい視線が常夏コンビに突き刺さる。
「女子を誘拐とかありえないし。」
「そんなセコイ手を使ってまで欲しいんだ。」
「先輩の威厳も無いね。」
「てかあの人たちバカじゃないの?」
「堂々と砂を上げるなんて。」
「失明すると考えないのか?」
「諸君!我々異端審問会FFF団は今許されざることを聞いた!」
『女子を監禁するなんて異端行為は許せない!』
「ならば我々はどうするべきであるか!」
『処刑だ!』
「よし!ではゆくぞ!」
『おー!!!』
「ちょ、ちょい待てお前ら!」
「く、くんなー!」
『異端者には死を―――――――!』
FFF弾によって常夏コンビは追いかけられる。彼らは明日、日の目を見ることが出来るかは神のみぞ知る。
「え~と、あの人たちは今ほっておいて続けましょうか?」
「そ、そうですね。」
高城も明久の言葉に賛同した。
「学園長、試召戦争のルールはどうなさるおつもりですか?」
「それは基本的に通常の試召戦争に準じるよ。」
「ということは・・・・・こっちの代表は霧島さんで三年生は高城先輩ですね。」
「その通りさね。それに加えとく物ルールとしてかっクラスの代表が討ち取られたらそのクラスは補習室送りになるのさね。」
「ん!」
その時明久があることに気付いた。
「今気付いたんですけどテスとの形式事態はどうするんですか?」
「センター試験を準拠するよ。」
『セ、センター試験だと!!!』
「「あ~、納得。」」
明久と友也は納得した。
「三年生と二年生では科目自体そもそも違います。僕らの中には家業を継ぐ、就職する、進学するなど進路を考えている人は今もいます。現代では高校卒業が当たり前の時代ですから大学進学したほうが就職に役立つって戦術もありますし。」
「センター試験って進学希望者には必要だけどそうじゃない人はどうでもいい話だもんね。」
「まあどの道やるヤツらもいるからやってもそんじゃないさね。」
「「まあ確かに。」」
二人は納得した。
「納得したかい?」
「ええ。」
「あ、もう一ついいですか?」
「なんだい?」
「保健体育はどうするんですか?」
「私としては切り捨てたいのですが。」
「それは認めないよ。保体は二年も三年も平等にやっているはずさね。それなら勝負にくわえて何の問題があるんだい?」
「高城先輩はムッツリーニの加速を警戒しているんですよ。例え三年生であろうともインパルスはスポーツ系意外は遅いほうですし。例外を除いて。」
「成程。だがこれは変えないさね。さてアタシからの説明はこんなところだね。勝負は一週間後、ルールの詳細は追って説明するよ。」
学園長の説明が終わった感じで締める。
(ん?一週間掛かる規模のことをなんでわざわざ・・・・・・・あ、瑞希ちゃんのためか。)
明久は学園長が考えていることがなんとなく分かった。
(全く、回りくどいやり方はウルトラの父と一緒だね。)
明久は学園長がウルトラの父と同じであると感じ取れた。
「一週間後の朝九時に開戦。フィールドは学園全体。それまで両学年準備を怠らないように。」
「お邪魔しましたわ二年生の皆様。来週の勝負、楽しみにしております。」
そう言って学園長と高城先輩は二年Aクラスを後にした。
「あれ、高城先輩は戻らないんですか?」
「ええ。私の姫路瑞希嬢とお話をしたいので。」
「ちょっと待て、今“私の”って余計な部分がありませんでしたか?」
「いいえ、余計ではありません。」
「先刻僕はアナタにアポを取った方がいいと話しましたよね。お忘れですか?」
「決して忘れているわけではありません。ただ私は姫路瑞希嬢とお話したいだけです。」
「でも本人は嫌がっていると思われますが?」
「それは貴女の独断と偏見から来る結論では?」
「そんなことはありませんよ。少なくとも僕はそう思います。それに必要以上に誰かに接触しようとし、迷惑やストレスを上げることはストーカーに値します。」
「私は決してストーカーではありません。」
「大抵の人はそうで無いと言い張ります。しかし貴女の行動は第三者から見れば異常です。」
「私はただ話がしたいだけなのですが・・・・・・・・それに私は彼女にふさわしい人間だと思います。」
「ふさわしい?何をもってそういうのですか?」
「学力、家柄、その他モロモロの面を考慮した上で言っているのです。」
「それって・・・・・・・言い返しますけどそちらの独断と偏見では?家柄で幸せが決まるのなら天皇はさぞ幸せなんでしょう。ですがどうでしょうか?天皇は自分が起こす行動にいちいち国会からの許可が必要となる。それを幸せといいますか?天皇家の女性は皇族の人以外の人間と結婚すると皇族ではなくなってしまいます。それでも言いきれますか?」
「うぐっ・・・・・」
明久の言葉に高城は言い返せなかった。
「ここで口論をしてもどちらの得にもなりません。どうでしょう、今日はここでお開きというのは?」
「・・・・・・・・そうですね、そちらの提案を飲みましょう。それでは姫路瑞希嬢、さようなら。」
高城は一礼して教室を後にした。
「ふー、大丈夫だった瑞希ちゃん?」
「はい。助かりました、明久君。」
「どうも。じゃあ僕は帰るね。」
明久はそう言うとFクラスに荷物を取りに戻った。
「明久、いいのか?」
「なにが、タロウ?」
「姫路が抱えている問題だ。君は助けないのか?」
「姫路さんの人生を勝手にとやかく言うのはあんまり好きじゃないよ。それに冷え持参が言いたいときに言わせたら僕はいいと思うよ。」
「そうか(何故彼女が迷っているか本当の理由を彼は気付いていないのだな。だがあの行動、もしや・・・・・・)」
「ところで佐藤さん、なんで一条寺君と一緒に来たの?」
「先ほど賭けをして・・・・・」
「賭け?」
「彼が私との一騎打ちで勝ったら勝った方がお願いを聞くって話だったんです。」
「い、一条寺君が!」
「ええ////////」
「も、もしかして//////」
「ま、まさか//////」