バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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Cクラス戦 2

「・・・・お帰り、優子。」

「あれ、なんで吉井君もいるの?」

 明久と優子がAクラスに入ると霧島が出迎え、愛子が疑問を持つ。

「ちょっとね。ゴメンだけどソファーで寝かせてもらえるかな?」

「わかったわ。」

 優子は明久をソファーに寝かせる。

「ごめん・・・・・・・ちょっと休むね。」

 明久は相違とソファーで眠った。

「どうしたんだろう吉井君?なんだかすっごく疲れているみたいだけど・・・・」

 愛子が心配するとゼロとコスモスが姿を見せる。

「簡単にどうなってこうなったの経緯を説明するぜ。」

「私達も見ているだけしかできなかったがな。」

 ゼロとコスモスは三人に小山の事と三年の小暮のことを話した。

「成程ね。勝ちたいために危険なものに手を出すなんて恥ずかしいと思うわ。」

「流石の僕も生理的に受け付けないね。」

「・・・・卑怯な手を使って勝つのならこっちもそれなりの手段を使う。」

 三人とも小山を嫌った。彼女は頭がいい人間以外とは付き合わないということでも知られていて周りの女子からもあまり印象はよくない。軽い女子とも言われているとか言われて無いとか。

「すみません。ちょっとよろしいでしょうか?」

「どうかしたの佐藤さん?」

 お手洗いに行っていた佐藤が丁度戻ってきて優子に声をかける。

「実は先ほど廊下の間取り角で立ち聞きしたのですがCクラスの小山さん、どうやら元彼の根元君を利用して私達のクラスに試召戦争を仕掛けるようです。」

「でもなんでそんなことするのかしら?Fクラスの戦力を潰したいのであればもっと前にやらせるはず。なのにどうして・・・・・・」

 優子は口元に手を当て考える。その時明久が起きる。

「ん・・・・・」

『(・・・)明久(吉井)(君)!』

「あ・・・・ゴメン。迷惑かけちゃって。」

 明久が謝罪をすると優子が話す。

「そんなの気にしなくていいわ。それよりちょっと気になる話があったの。」

「気になる話?」

 優子は佐藤から聞いた話をする。

「う~ん、なんか試召戦争のルールであった気がするんだけど何だったかよく思い出せない・・・・・」

「・・・・そんなことより吉井、回復試験を受けないと危ない。」

「そうだった。今から受けに行かないと!」

 明久は体を起こし回復試験を受けに試験場に向かった。

「あんなに疲れてたのに少し休んだだけで回復しちゃうんだね吉井君。」

「・・・・・・」

 優子は不安そうな顔で明久の背中を見つめていた。

「・・・・優子?」

「明久君、あんなに無茶をして、止まろうとしなくて、それで・・・・」

「・・・・もういい、優子。」

 霧島は優子の方に手を置いた。

「確かに、木下さんの気持ちも分かります。でも、それが明久君なのだと思います。」

 佐藤も優子の気持ちを察した。四人はただ明久の背中を見ることしか出来なかった。

 

 試召戦争開始から時間は経ち午後になった。明久は午前中に全科目の回復試験を終えた。短時間で全科目を終えたため普通の教師は採点が大変ではあるがその対処は西村先生がした。まあ鉄人と言われているためこなせるのであって普通の教師は出来ません。

 明久は廊下に出るとCクラスの生徒と出くわした。

「いたぞ吉井だ!」

「ここで倒すぞ!Fクラスの吉井明久に試召戦争を挑む!」

「仕方ないか。」

『試獣召喚!』

「二年Fクラス 吉井明久 VS 二年Cクラス生徒×9人

 古典     3629点        平均166点   」

(明久、俺に行かせろ!)

(いいよ、ゼロ!)

 明久は召喚獣にウルトラマンゼロのスパークドールを手渡す。

〈ウルトライブ!ウルトラマンゼロ!〉

 明久の召喚獣がウルトラマンゼロにウルトライブする。ゼロはゼロスラッガーを両手に持つと両手のゼロスラッガーをぶつけ合う。

「さ~て、いっちょ暴れるか!」

 ゼロは構えると召喚獣のほうに向かい飛び、ゼロスラッガーを振り下ろす。Cクラスの召喚獣は武器で防御を取ろうとするがゼロスラッガーによって綺麗に真っ二つにされた。

「おうらぁ!」

 ゼロは左脚回し蹴りをして召喚獣をフィールド外に出した。

「後ろから狙え!」

 ゼロの後ろからCクラスの召喚獣が攻撃を仕掛けてくるがゼロは振り向きながらエタリウムゼロショットを放ち召喚獣を三体消滅させる。

「シュァ!」

 ゼロはゼロスラッガーを投げ召喚獣の動きを怯ませると、ゼロは召喚獣の一体にフェイスクラッシャーを喰らわせ召喚獣を消滅させる。

「まだだ!」

 ゼロは頭にゼロスラッガーを戻すとウルティメイトブレスレッドを輝かせルナミラクルゼロへと姿を変えると上昇しゼロスラッガーを飛ばす。

「ミラクルゼロスラッガー!」

 ミラクルゼロスラッガーを五体の召喚獣にぶつけ消滅させる。

「戦死者は補習~~~~~~~~~~!」

『ギャアアアアアアアア!』

 戦死者は使者によって連れ去られて行った。

 そんな明久に霧島から電話が入った。

「もしもし霧島さん?」

『・・・・吉井、すぐ姫路のところに行って。』

「え?いきなりどうしたの?」

『・・・・さっき思い出したんだけど試召戦争の際に他の暮らすとの試召戦争を受けると受けた本人はその時点で失格となる。』

「なっ!?」

『・・・・だから急いで。』

「わかった!」

 明久は霧島にそう言うと電話を切り、ゼロに探索を頼んだ。

「ゼロ!」

「分かってる!タロウ教官のいるところを今探してるところだ!」

 ゼロが探索をする以前からダイナが見つけていた。

「いたぜ!東側階段の三階だ!」

「ありがとう、ダイナ!」

 明久は二階の西側から東側階段に向かいダッシュする。明久が階段に差し掛かるとCクラスの生徒が既にいた。

「吉井だ!」

「作戦の邪魔をさせるな!」

 試召フィールドが展開され召喚獣が召喚される中コスモスとダイナが名乗り出る。

「明久!」

「俺たちを使え!」

「うん!」

 明久は召喚獣を召喚し腕輪を発動させ召喚獣を二体に分身させるとダイナとコスモスを掴みライブサインを読み込む。

〈ウルトライブ!ウルトラマンダイナ!〉

〈ウルトライブ!ウルトラマンコスモス!〉

 コスモスとダイナは召喚獣をすれ違い様に倒す。二人はまるで明久に道を切り開くかのように。

(努力している人が傷つけられるなんて、僕はそんなことあっていいとは思わない!だからもっと早く!)

 明久は階段を跳ぶ。一瞬だが姫路の姿が見えた。姫路の視線の先にはBクラス生徒の姿もあった。

「(姫路さん!)ゼロ!」

「もっかい行くぜ!」

 明久は召喚獣をもう一体分身させゼロのライブサインを読み込ませる。

〈ウルトライブ!ウルトラマンゼロ!〉

 召喚獣はゼロになるとゼロはゼロスラッガーを合体させゼロツインソードにすると思いっきり投げる。

「うぉおらぁあああああああああ!」

 ゼロツインソードは試召フィールドを抜けたのにもかかわらず実物として存在し姫路とBクラス生徒の間を通り、壁に突き刺さった。

「姫路さん!」

「あ、明久君!」

「ちょっと待ってて。それとその勝負受けないで。受けたら姫路さんが事実上失格になるから!」

「は、はい!」

 明久は後ろにいるCクラス生徒の方を向く。

「皆!」

『応!』

 コスモスは右手を頭上に上げると太陽のように紅い輝きがコスモスを照らし、コスモスをコロナモードへと変える。コスモスは手先に気を集め、発生したエネルギーを固め、ネイバスター光線を放った。

 ダイナは右斜めに両腕を延ばすと胸の当たりに光を集め、十字を組みソルジェント光線を放った。

 ゼロは腕をL字に組みワイドゼロショットを放った。

 三人が放った光線技を避けれるものはいなく、その場にいたCクラスの召喚獣は全て消滅した。明久は三人を回収すると姫路の元に向かった。

「遅れてゴメンね、姫路さん。」

「い、いえ・・・・・そ、それより明久君風邪は大丈夫なんですか?」

「この通り大丈夫。それと小山さんだけど僕が戦わないといけないから行くね。」

 明久は屋上を目指そうとする。すると姫路が明久を呼び止めた。

「明久君!」

「ん!なに姫路さん?」

「が、頑張ってください!そして、勝って下さい!」

「うん!」

 明久は笑顔で答え、屋上へ足を進めた。

 明久が屋上の扉を開けるとそこには小山と小山を守る二人のCクラスの生徒がいた。

「吉井だ!」

「潰せ!」

「総合科目で受ける!」

『試獣召喚!』

「二年Cクラス生徒×2

 総合科目 平均2631点 」

「どうだ!」

「これで潰れろ!」

 二人の召喚獣は明久に向かい正面から喰らい掛かってくる。明久の召喚獣は跳び、二体の召喚獣の後ろに付くと首根っこを掴みそのまま地面に何度も叩きつける。

「二年Fクラス 吉井明久

 総合科目  16822点 」

「「何じゃそら!」」

 二人の召喚獣はあっという間に消滅する。

「さあ小山さん、君の番だ!」

「ふふふ、もう一回戦うなんてね。この勝負馬鹿なんかに負けるなんて許されないの。だから本気で消させて貰うわ!試獣召喚!」

「二年Cクラス代表 小山友香

 総合科目     3293点 」

 小山は召喚獣にダミーダークスパークを渡すとハイパーゼットンのスパークドールを手渡した。

〈ダークライブ!ハイパーゼットン!〉

 召喚獣はハイパーゼットンにダークライブするがその姿は前と違い背中に翼を生やし、尻尾まであった。

 明久は腕輪を使い召喚獣を三体に増やすとゼロ、ダイナ、コスモスを三体に配った。召喚獣はライブサインを読み込む。

〈ウルトライブ!ウルトラマンダイナ!〉

〈ウルトライブ!ウルトラマンコスモス!〉

〈ウルトライブ!ウルトラマンゼロ!〉

 ハイパーゼットンと三人の光の戦士の戦いが始まろうとしていた。

 


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