球技大会当日、明久と友也は欲望と言う名の闘志に燃える生徒達をただ傍観していた。
「明久君、僕は今欲望が人を何処までも強くしてくれるもだと今知りました。そして人間は欲望に正直な生き物なのですね。」
「そうだね、友也。」
「お~い、お前ら戻ってこ~い。」
現実逃避をしている雄二を現実へ召喚する。
「雄二、流石に現実逃避したくなるよ。」
「この状況ですとね。」
「その気持ちはわからんくも無い。だがな、ここで勝っておかないとFFF団が俺に向けてイチャモンつけて迫ってくるんだ。」
「・・・・・・・・・霧島さんといるだけで襲われそうになるってことだね。」
「ああ。その度に何度腕輪を使った事か。」
お忘れかもしれないが雄二の腕輪は発動すると同時にわずかならが点数を削る。
「召喚獣で防御ってワケだね。」
「そうだ。幸いにもうちのクラスの連中は点数が低いヤツらだ。それに咥えマグナがいればこの状況を打破できたんだ。」
「そして西村先生は毎日のように補習を行うのですね。」
西村先生、お疲れ様です。
「そういえばお前らはもう確認したか?」
『何を(ですか)?』
「対戦相手だよ。うちは2年Eとだ。」
「強いの?」
「スポーツ面ではな。ただ同じバカだ。」
「バカにバカって言われたくないのよ、このバカ!」
急に話しに入ってきたのは二年Eクラス代表の中林宏美が割って入ってきた。
「どうも中林さん。」
「あ、これはどうも。」
明久が丁寧にお辞儀をすると中林もそれに応える。
「て、そうじゃなくて!ああ~、なんか調子狂う。」
中林は額に手を当てる。
「なんだか調子狂うわね。」
「お疲れ様です。」
「誰のせいよ!誰の!」
「僕。」
ガクッとなる中林。
「そんなあからさまに認められても・・・・・・まいいわ。吉井君と一条寺君はともかく坂本君にはバカと言われて欲しく無いわ。」
「なんで俺だけなんだよ。」
「だって本気で振り分け試験受けなかったんだからほんとじゃない。」
雄二は言い返せないまま肯定する。
「まあまあ、中林さん。人間長所と短所を兼ね備えているんだからその辺にしておいて上げて。」
「そうね。でもバカって言われて腹立たないの?」
「う~ん、それはそう思うことはあるよ。でも人間実際皆馬鹿だよ。決して頭が悪いって意味じゃないんだ。例えばスポーツが好きならスポーツバカ、物理学が好きなら物理学バカ、資格取得が好きなら資格バカなんていろんな馬鹿があるよ。」
「つまり捉えようによっては褒められていると考えてもいいわけね。」
「そうともいえる。けどそれに気付けないと色々と残念だけどね。」
「つまり坂本君は霧島さんの愛が分からない馬鹿というわけね。」
「そういうこと。」
「ちょっと待てお前ら!今酷いこと言わなかったか!?」
「「全然★」」
いつの間にか意気投合している明久と中林であった。
時間は過ぎて2-F VS 2-Eの試合。先攻はFクラス。トップバッターは明久。
「じゃ、よろしく。」
〈ウルトライブ!ウルトラマンダイナ!〉
明久は召喚獣をウルトラマンダイナにウルトライブさせる。ウルトラマンダイナがバットを持ってバッターボックスにたつ姿はなんともシュールであるが似合っていた。
「吉井君がいくら召喚獣の操作に長けていてもこれは避けられないわ。喰らえ!」
ダイナの頭に向かい中林の召喚獣はボールを投げるが・・・・・
「シュワッ!」
ダイナの大根切りでボールを打ちそのまま場外ホームランになった。ダイナはガッツポーズを取り塁を回る。
(野球経験あるから大丈夫だっていってたけどこれならいいね。)
明久は安心してダイナに試合を任せた。その後も雄二、秀吉、ムッツリーニの順番になると皆ウルトライブして打席が回ればホームランになって言った。結果的に圧倒的戦力差で圧勝。試合後にEクラスは自信喪失になったとかならなかったとか。