ある日の二年Fクラス。明久たちは卓袱台の上に置いてある紙の入った笊に睨めっこをしていた。
「お前ら、準備はいいな?」
雄二がそう言うと一同頷く。
「それじゃあ・・・・・・・第一回!王様ゲ――――――――――ムッ!」
『いえ~~~~い!』
雄二の言葉に一堂盛り上がる(友也、霧島、ムッツリーニは除いて)。
「お前らルールは分かってるな?この紙の中に1~10まで書かれた紙と王と書かれた紙が入っている。王は番号のみで命令することが出来る。そして何より王様の命令は――――」
『絶対!!』
船員ルールを心得ている。
「それじゃあいくぜ。せーのッ!」
『王様だーれだ!』
しばらくの沈黙の後、雄二が微笑む。
「俺だ。よ~し、2番と3番は西村先生に『好きです、付き合ってください。』と言ってこい。」
「「(・・・・)貴様~~~~~!」」
2番と3番は明久とムッツリーニであった。
「おいおい睨むなよ明久。それにな、最初に言った筈だぜ。王様の命令は―――」
『絶対!』
意気投合し口を揃える一同。その時明久の頭の中で最大限の秘策を思いついた。
「よーし、それなら言いに言ってあげよう。いくよムッツリーニ!」
「・・・・わかった。」
ムッツリーニは明久の後を追いかける。
数分後・・・・
「ただいま~。」
「あれ?お前ら何にもされなかったのか?」
「うん。だって―――」
「「西村先生に『好きです、付き合ってください。』って雄二に言われたと言ったから。」」
「お前らっ!なんてこと言ってんだ!」
雄二は叫ぶ。雄二はすぐさまその場から逃げようとその場から立ち上がり教室から逃げ出そうとした瞬間、西村先生が雄二の顔面にフェイスクラッシャーを叩き込んだ。
「ぐぼぁ!」
「坂本・・・・・どうやら補習をしてもらいたいようだな。」
西村先生は青筋を額に浮かばせながら雄二の顔を掴みそのまま補習室に連行された。
数分後・・・
雄二は『私は教師をからかいました』と書かれたとプラカードをぶら下ながら座っていた。
「それじゃあ次いこうか。」
明久が促す。
「せーの!」
『王様だーれだ!』
沈黙、そして工藤が微笑みカードを見せる。
「僕だね。じゃあ・・・・・7番が3番に、5番が王様にほっぺにチューをする。」
工藤の命令に衝撃が走った。真っ先に反応したのは姫路。姫路の番号は7番。姫路は明久の番号を見ると数字の半分が円を描いている数字であった。
「あ、あの・・・・明久君。よ、よろしくお願いします/////」
姫路は頬を赤らめながら言うが明久は自分の数字を見せるとそこには3ではなく8と書かれている紙があった。
「あれ?」
そんな姫路に美波がポンッと肩に手を置き、歯を見せながら微笑んだ。美波の手には3と書かれた紙があった。
「あらら~、どうやら女の子同士だったんだー。じゃあ僕は誰かな~☆」
工藤が期待してあたりを見渡そうとした瞬間工藤の頬に何かが当たる感触がした。工藤は官職が会った感触の方を向くとそこには顔を紅くしているムッツリーニの姿があった。
「・・・・・・え?ムッツリーニ君が5番なの!?」
ムッツリーニは区部を横にブンブン振って否定するが手に持っている紙には5と書かれていた。
「土屋君はあったことを否定しますね。」
「それが普通だと思いますよ。」
友也の言葉に佐藤が答えた。
「じゃあ次行こうか。せーの!」
『王様だーれだ!』
次の王は・・・・
「ウチね。」
美波であった。
「じゃあ8番はタロウのウルトラ念力を喰らって、2番は王を膝枕しながら頭を撫でる!」
「ん~だと―――――!」
8番は雄二であった。
「よーし、では任された。」
「お、おいタロウ。無理にしなくても・・・・」
「ウルトラ念力!」
「ギャ――――――――――ッ!」
雄二が太郎のウルトラ念力を喰らっている間に2番である明久の膝枕をしてもらいながら美波は日と時の休息を得ていた。
「美波ちゃん羨ましいです・・・・・」
「次は私が王になってみせるわ・・・・」
姫路と優子は次こそは王になろうと闘志を燃やす。
「じゃあ次いくわよ。せーの!」
『王様だーれだ!』
沈黙、そして霧島が無言で王と書かれた紙を皆に見せる。
「あ・・・・ああ・・・・・悪いちょっと急用が!」
「ウルトラ念力!」
雄二はその場から逃げようとその場から走り出そうとするがタロウが雄二の動きを封じる。
「ぐぉおおおおおお!離せ~~~~~っ!」
「・・・・雄二、逃げちゃダメ。それと雄二は私に何をされても抵抗しない。」
「何をする気だ!」
「・・・・そんなこと・・・・・恥ずかしくて・・・・言えない。」
霧島は雄二に背を向け頬を赤らめる。その言葉にムッツリーニは鼻血を噴いた。
「コイツ変態だ!」
「じゃが霧島よ、今のは無効じゃ。タロウは参加していないから別として雄二は参加しているんじゃから番号で言わないといけないのじゃ。」
秀吉の言葉を聞いた途端に雄二は安堵を吐く。
「そ、そうだぜ。ちゃんと番号で言うべきだぜ。」
「・・・・じゃあ、6番。」
その言葉を聞いて雄二は嫌な汗を流す。そしてその場からすぐさま逃げようとするがタロウがウルトラ念力で引き止めた。
しばらくお待ちください。
雄二は猿轡に目隠し、手首を身体の後ろで拘束され動けなくなっていた。
「代表は何をしたかったのよ・・・・」
「ですね・・・・」
優子と佐藤は頬を引きつらせていた。
「それじゃそろそろ時間なので、終了!」