バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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Dクラス戦 2

 明久が職員室へ行って数分が経った頃、試召戦争が開始された。

「お前ら、わかってるだろうが俺たちの目的は!」

『システムデスク!』

「そうだ!行け~~~~~!」

『おおおおおおおお!!!』

「お、お~~・・・・・」

「はぁ・・・・・」

 Fクラスのほとんどの生徒は雄叫びを上げ、試召戦争に向け決意を決めている中姫路はそのノリに乗れず、智也は溜息を吐いていた。

「よし!お前ら行って来い!」

 雄二の指示で全員が廊下を掛け走る。

「ま、待ってくださ~い。」

 姫路は遅れて走り出した。

「おい一条寺、お前は行かないのか?」

「あんなに大勢で行ったとしても廊下がつっかえるだけです。少し歩かせていただきます。」

 そう言って友也は歩きながら廊下を出る。

 

「Dクラス 山岡健二 VS Fクラス 高岡雄一

 総合科目  589点        345点 」

 まずいですね。この点数の差で戦ってもらってはすぐさま全滅です。

「お姉さま!」

「み、美春!こんな状況で最悪だわ。」

「いいえ、むしろ美春は光栄です。一緒に保健室に行きましょう。」

「いやよ!ウチは普通に男性が好きなのよ!何度言ったらわかるの!」

「いいえ、お姉さまは嘘を言っているんです。試獣召還。」

「くっ!試獣召還」

「Dクラス 清水美春 VS Fクラス 島田美波

 古典    127点          16点 」

 まずいですね、彼女は数学の方で有力になるのに。

「一条寺友也、僭越ながら島田さんに協力します。試獣召還。」

「Dクラス 清水美春 VS F 島田美波 & 一条寺友也

 古典    127点       16点    387点 」

(この武装は・・・・・)

 友也は自分の召喚獣の武装を見てどう使うのかすぐにわかった。友也はガンパッドをガンモードに切り替え清水に向け撃つ。清水は避けようとするも友也の正確な射撃に逃れることが出来ずに消滅する。

「戦死者は補習~~~~~~~~!!!」

「お姉さま~~~~~~~~~~!!」

 西村先生によって清水は補習室へと連行された。

「さて、僕は一旦教室に戻ります。後の指揮はよろしくお願いします。」

「わ、わかったわ。」

 友也はFクラスに一旦戻った。

 

「明久の奴・・・・・遅いな。」

 雄二がFクラスで腕組みをして待っていると窓が開く音がする。

「んなっ!」 

 窓から明久が入ってきたことに雄二は驚いた。

「ただいま、雄二。」

「お前は何処から入ってきてんだ!」

「普通に窓から。」

「普通に入らねえよ!」

 雄二と明久が話しているとFクラスの扉が開き友也が戻ってきた。

「友也、どうだった?」

「少し苦戦しています。明久君はどうでした?」

「うん。宣戦布告しに行ったときに倒した三人がAクラスまでに押しかけてきたけど倒しといたよ。」

「そうですか。」

「あ、それと友也の武装って何だった?」

「ガンパッドでした。明久君は?」

「ギンガスパーク。ライブも出来たんだよ。」

「本当ですか?驚きです。」

「友也のその表情でそんなこと言われてなあ・・・・」

 ほとんど無表情で言っているともやの顔に説得力は無かった。その時Fクラスの扉が勢い良く開いた。

「大変だ!島田が人質にとられた!」

「っ!すぐに行く。」

「僕は少し遅れます。」

 明久は掛け走り、友也は鞄からあるものを取り出そうとしていた。

 

「島田さん!」

「吉井!」

 明久が目的地に着くと島田の召喚獣がDクラス生徒二人によって喉元に剣を突きつけられていた。

「おっと動くな!動けばこいつを補習室い送りにするぞ!」

「Dクラスってのは名ばかりなんだね。呆れるよ。」

「っ!いいこと教えてやろう。なんでこいつが人質にとられたかわかるか?」

「どうせしょうもない嘘をついたんでしょ。」

「こいつはな、お前が女子のスカートの中を見て鼻血を出して保健室送りになったと聞いて保健室に行こうとしてたんだ。」

「島田さん・・・・・・・・止めを刺すのなら他にもタイミングがあるでしょ。たとえばトイレとか。」

「ちょっと吉井!なんでそう思うのよ!てかなんでトイレ?」

「え?だってトイレの便器と勝って意外に固いしそんなに大きな技も掛けられないから女子でも手軽に勝つ確実に殺すのには向いているよ。拷問だったら釘を爪の間に差し込んでそこにろうそくを・・・・」

『ぎゃああああああああ!やめろ!!!!!!!!』

 明久はその隙を逃さなかった。明久は鞄の中からスパークドールを一つ取り出した。

「試獣召還」

 明久は召喚獣にスパークドールを持たせライブさせる。

「ウルトライブ!サンダーダランビア!」

 明久の召喚獣はサンダーダランビアにライブする。

『なっ!』

 サンダーダランビアは両腕を伸ばしDクラスの召喚獣の首を縛り、上に上げ

電撃を流し消滅させる。

「あえて二人共に言うけど、うせろ下衆野郎!」

「んだとてめぇ!」

「やんのか?あん?」

「確かに吉井の言う通りだな。」

 Dクラス男子生徒二人は錆付いた金属が音を立てるようにゆっくりと後ろを向く。そこには暗黒第六魔王ならぬ西村戦士が頭から角を出して腕組みをして経っていた。

「正念を鍛えなおしてやる。特別補習だ!」

『ぎゃああああああああ!!!!!!』

 断末魔の声を廊下に響かせながら補習室へと連行された。

「大丈夫、美波?」

「ええ。・・・・・て吉井あんた!」

「あっ!ゴメン、うっかり名前の方で呼んじゃった。」

「べ、別にいいわよ。ウチもあんたのことアキって呼ぶからあんたは美波って呼んでもいいわよ。」

「うん。わかった。美波は早く回復試験を受けに行って。僕らがここを抑えておくから。」

「わ、わかった。」

 美波は回復試験に向かった。すれ違いに友也が駆けつけてきた。

「明久君、遅れてすみません。」

「ううん、丁度助かったよ。」

「そうですか。僕は明久君の召喚獣のことを聞いて一つの仮説を立ててみたんです。明久君に出来て僕にできないことは無いはずだと。試獣召還。」

 友也は召喚獣を召喚すると自分のガンパッドを取り出した。ガンパッドには英語でも字が表記されていた。

『It is Jan nine which way you use, or is it Jan bot?』

「ジャンナイン。」

『OK ,Jan nine movement.』

 スパークドール状態のジャンナインが試召フィールドに現れる。

「な、なんだあれ!」

「あんなのってありか!?」

 周りが皆驚くのも無理はなかった。

「ねえ少し思いついたんだけどDクラスまで思いっきり戦わない?」

「経験を積むのにはもってこいですね。いいでしょう。」

 この瞬間、悪魔が舞い降りた。

 

「正確に撃つね。」

「明久君も電撃を狭い場所によく正確に撃てますね。」

 二人がDクラス教室の前までたどり着いた。

「今回は友也が首を取りなよ。」

「わかりました。」

 友也がDクラスの扉を開ける。

「Fクラスの一条寺友也です。Dクラス代表の平賀源二君に物理で勝負を挑みます。試獣召還。」

「Dクラス 平賀源二 VS Fクラス 一条寺友也

 物理    151点         302点 」

「いきますよ、ジャンナイン。」

 友也はガンパッドを取り出しボタンを押す。

『Come on, Jan nine!』

 友也の懐から飛行形態のジャンスターが現れる。

『Jean Fight!』

ジャンナインに変形する。

「・・・・・か――――」

『カッコイイ!!』

 誰かが口にしようとして後から周りの男子が思ったことを口にした。

「一気に決めさせてもらいます。」

 友也はガンパッドをガンモードに変形させ,ボタンを押す。

『Jean Stardust!』

 ジャンナインの手にガンパッドが手に握られる。友也はガンパッドを平賀の召喚獣に定め、平賀の召喚獣にジャンスターダストを当てる。平賀の召喚獣は黒焦げになったかのように消滅した。

「そこまで!勝者、Fクラス。」

 その合図と共にFクラスは歓声を上げた。

 

 


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