バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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バーベキューと花火とオイル怪獣

 日も沈み、明久たち男子陣はバーベキューの準備を行っていた。

「おい明久、炭の配置はこれでいいのか?半分しか使っていないぞ。」

「全体に行き渡らせたら肉が焦げるからね。半分炭が無い方が焼いたものを後で置きやすいんだよ。」

「なるほどな~。」

 男子陣が準備をしている中工藤は何を思いついたのか明久に近づき声をかける。

「準備まだ~、おとーさーん。」

『と、父さん!』

 姫路達三人はその言葉に思わず反応してしまう。

「大体こんな感じかな?」

 焼肉の準備をしている明久に三人はおそるおそる近づき声をかける。

『と、父さん///』

「なんだ、母さん。」

『っ!』

 明久の言葉に三人は顔から湯気が出るほど紅くなり、床や柱などに顔をうずめる。

「?」

「おい明久、無意識とはいえ今のは破壊力があるぞ。」

「そうじゃな。」

「・・・・罪深い男だ。」

 雄二、秀吉、ムッツリーニの三人は明久にそういうが明久には何の事なのか分らなかった。

「ふふふ、青春ですね。」

 その光景を見ていた玲は微笑んだ。

 

 焼肉を焼き始めると明久が焼く役となった。

「明久君、食べてますか?」

「うん。ちゃんと食べてるよ。」

 明久はそういうが全く食べている様子が無い。

「明久君。」

「ん?」

「あーん。」

 明久に姫路はたれのついた肉を箸で差し出す。

「あーん。」

 明久はそれを食べる。

「串焼きもいけるよ。」

「アキ。」

「ん?」

 今度は美波が明久に肉を差し出す。

「あ、あーん。」

「あーん。」

 明久はそれを食べる。

「ホイル焼きもいけるよ。」

「明久君。」

今度は優子が明久に肉を差し出す。

「あーん。」

 明久はそれを食べる。

 しばらくその様子が続いたため霧島がツッコミを入れる。

「・・・三人とも、食べてる?」

 しばらくこの光景がエンドレスに続いた。

 

「工藤さん、お肉ばかり食べてないでちゃんと野菜も食べましょうよ。」

「えー。」

 肉ばかり食べている工藤に佐藤は注意する。

「佐藤さんの言う通りちゃんと野菜も食べないと健康に悪いですよ。」

「じゃあ一条寺君は野菜を食べているの?」

「ええ。リズムと言うまではいきませんが間には肉を挟みますね。」

「私は肉・肉・野菜のリズムですね。」

 友也に相槌を打つように佐藤は喋る。

「じゃあ牛・牛・豚・鳥でー☆」

「全部肉です。」

「野菜を食べましょう。」

 

「そういや明久、この後どうすんだ?」

「ん?」

 雄二は焼肉を食べている明久に話し掛ける。

「とりあえずアレを楽しもうともうよ。」

『アレ?』

 女子一同が首をかしげる。

「折角の夏なんだから夏らしい事をしようと思ってね。」

「夏らしいこと?」

 姫路は明久が言っている言葉の意味がわからなかった。と、その時。

「明久!」

 タロウが血相を変え明久の前にウルトラテレポートをして現れる。

「どうしたのタロウ!」

「ここの海にスパークドールが一体実体化している!」

 タロウの言葉に一同驚く。

「何処に!」

「ここから約20kmのところにだ。」

「わかった!」

 明久はポケットに入れていたギンガスパークを手に海に向かい走り出す。

「全く、行動力だけは早いんですから明久君は。」

 友也も続いた。

「皆すまない。」

「気にすんな。」

 タロウの言葉に雄二が労いを入れた。

「タロウだってこんなところに怪獣が現れるなんて思ってもなかったんだろ?」

「ああ・・・・だが私は!」

「明久の奴だってガキじゃねぇんだ。それにアイツだったら大丈夫だろ。」

「そう・・・だな。」

 

 明久は浜辺まで走るとウルトラマンを呼ぶ。

「ウルトラマン!」

「わかった!」

 明久はウルトラマンを手に取りウルトライブずる。

〈ウルトライブ!ウルトラマン!〉

 明久はウルトラマンにウルトライブすると飛翔し、海に飛び込む。明久はウルトラアイを使い深海を探る。

『確かに気配は感じるけど・・・・・いた!』

 明久は深海の中にいる油獣・ぺスターがいた。

『しっかしよくスパークドールの状態じゃなかったね。』

『おそらくタロウと同じように怪獣が盾になったのだろう。たまたまコイツが私達より多くの怪獣が盾になっていたんだ。』

『成程ね。』

『明久。あの怪獣は石油などの油を捕食する怪獣だ。』

『わかった。なるべく下手な攻撃はしないようにするよ。』

『わかってもらえて何よりだ。奴の体のヒトデのようなとこが油を溜める場所だ。』

『わかった!』

 ウルトラマンはぺスターに向かい前進、ぺスターの顔た何度も殴る。ぺスターは水中で悲鳴を上げる。ぺスターはヒトデのような身体をウルトラマンに向け振るいうるとマンの背中を強く叩く。

『ごほぁ!』

 明久の背中に痛みが走り動きが鈍ったことをいいことにぺスターはウルトラマンを強く締め付ける。ウルトラマンはもがくが水中では水圧が掛かるため思うように力が入らなかった。

『このままじゃ・・・・』

 ウルトラマンのカラータイマーが点滅が始まりピンチになったときであった。ッ突如水中で爆発が起こり衝撃刃がぺスターを襲った。

『これは・・・!』

『君は相変わらず一人で突っ込みすぎです。』

『友也!』

 海上ではジャンバードに搭乗している友也が水中にミサイルを放っていた。

『下手な攻撃は出来ないので衝撃波を放つミサイルを撃っています。』

『ああ!あれ!』

 明久は友也の言葉を聞いて思い出した。

 

 アレは夏休みに入って間もない頃。海で戦う場合にどう対処するか二人は西村先生を交えて検討していた。

「ウルトラマンは水中でも戦えるから大丈夫かな?」

「ですが水圧で動きは鈍くなります。海上からの援護は必要です。」

「だが一条寺、水中を闇雲に攻撃すればそこ近海の生態系に影響を与えるかも知れんぞ。」

 三人は頭を抱え悩む。そんな時明久はふと思いついた。

「そうだ!衝撃波だけを放つミサイルなんてどうだろう?」

「どういことだ?」

「西村先生はさっき生態系に影響を与えるって言いましたよね。でも衝撃波はどうですか?」

「成程。ミサイルなんかと違って有害な物質も出さないし汚染も無い。」

「成程な。よし、そういう対処法を取ってもらうぞ。」

 

『そういやそんな話したね。』

『感心してないで早く海上に引き上げてださい。』

『わかった!』

 ウルトラマンはぺスターの顔を掴むと一気に海上に浮上、そのまま上空に放り出す。

『友也!』

『わかっています。』

 友也はガンパッドのボタンを押す。

「Jean Fight!」

 ジャンバードはジャンボットに変形し、ブースターを吹かせて、一気にぺスターに詰め寄りながら武装を転換する。

「Jean Blade!」

『行きます!』

 ジャンボットはぺスターに向けジャンブレードを振り上げる。ぺスターは抵抗しようと炎を吹くがジャンボットには全くダメージにはならずそのまま身体を一刀両断された。ぺスターは爆発する。落ちるぺスターのスパークドールをウルトラマンはキャッチする。

『ナイスです、明久君。』

『どうも。お願いがあるんだけど乗せて。』

 

 ライブ時間ギリギリだった明久は友也のジャンバードに乗せてもらい雄二たちの元に戻った。

「ただいまー。」

「ただいま戻りました。」

『(・・・・)おかえりー。』

 明久たちを雄二達は出迎える。

「明久、終わったか?」

「うん。」

 雄二の問いに明久は頷き答える。

「今回はあっさりと終わった方だったからね。」

「明久君の言う通りですね。今回の敵はライブしている人がいなく、更に身体に少々問題のある敵でしたので早く片付けられました。さあ、アレを始めましょう明久君。」

「ちょっといいですか?」

 姫路が挙手をして口を出す。

「さっきから何を計画しているんですか?」

「それはね~・・・・・これ!」

 明久は何処から出したのか花火を手にしていた。

『花火?』

「うん。僕ら男子で考えたんだけど折角の夏なんだから夏らしいものをしようって考えてね。」

 その言葉を聞いて姫路達は納得した。

 

 明久たちは川辺に移動した。

「んじゃ最初はこれからだな。」

 雄二は花火の中から打ち上げ指揮の花火を取り出し着火、花火を打ち上げる。

『お~!』

 打ち上げ式花火に一同感心する。

「じゃあ次はこれね。」

 美波はそう言うとパラシュートの花火を取り出す。

「ムッツリーニ君、勝負しない?」

「・・・・望むところだ。」

 二人は闘志を燃やす。パラシュートの花火に美波が着火し、花火が打ちあがるとパラシュートが開いた。

「「(・・・・)来た!レディ~・・・・ゴ―――ッ!」」

「早いわよアンタら!」

 全速力で走る二人に美波がツッコミを入れる。

「「(・・・・)おおおおおおお!」」

 一心不乱に二人は走る。が、その時であった。二人が走る先に丸太の遊具があった。丸太は二人の弁慶に当たる。

「「ア゛・・・・・・・」」

 弁慶から脳にダイレクトに痛みが走る。

「「ギィヤァアアアアアアアアアアア!!!!」」

「アレは痛いね・・・・」

「相当ですよ、アレ。」

「速度が相当出ている分、受ける痛みも速度によって倍増されるな。」

 明久、友也、タロウは二人に同情した。そんな二人が倒れているところに美波はジョギングをしながら近づきパラシュートを受け止める。

「よっしゃ!」

 

 明久は一人ロケット花火を楽しもうと片手に三本花火を手にし着火、そのまま空へと飛ばす。

「ロケット!」

 しかし花火はどういったわけか軌道を変え雄二の方へと飛んでいく。設置型の花火を手にしていた雄二はロケットに気付く。

「はっ・・・・!」

 気付いたときには既に遅くロケット花火は雄二に命中した。

「ぎゃぁあああああああ!!!」

「・・・・あれ?」

 雄二の下で花火は爆発した。

「殺す気か!」

「ごめん・・・・わざとじゃないんだけど・・・・」

 明久は両手にロケット花火を持ってロケット花火を飛ばそうとする。

「次はちゃんと別方向に飛ばせよ。」

「うん・・・・・空へ。」

 明久は両手を振ってロケット花火を空へと飛ばす。そしてロケットは見事な放物線を描き――――

「ぎゃああああああああああああ!!!」

「・・・・・なんで?」

 雄二に直撃した、

 

 姫路、美波、優子が特大ロケット花火を空き缶にセットした。

「特大ロケットいくわよ。」

「楽しみですね。」

 美波の言葉に姫路は相槌を打つ。美波が導火線に着火させる。

「3!」

「2!」

「1!」

 カウントダウンをして発射と言うときにロケットが倒れる。そして特大ロケットが発射される。

「倒しました!」

「逃げるわよ。」

 優子が逃げることを促すが特大ロケットは軌道を変え雄二の背中に直撃する。

「よもや!」

 

 花火で大分遊びつくし線香花火が何故か四本残っていた。

「ねえ、丁度線香花火が四本残っているんだけど。」

「三本は私達のでするとして・・・・」

「後一本は・・・」

 三人は明久を見る。」

『明久君/アキ。』

「ん?」

 明久は姫路達に呼ばれ振り向く。

『一緒にこれをしよ。』

「うん、いいよ。」

 明久は笑顔で答えた。そんな時工藤が三人にわざと聞こえる声で囁く。

「先に線香花火が落ちた方が思い人と一つになれるって聞いたことがあるな~。」

 その言葉を聞いて三人はビクッと反応し、頬を赤らめる。

「?」

 明久は分らなかった。

 四人は集まって線香花火をつけよとセットする。

「それじゃあ付けるよ。」

 明久は手に持っているライターを着火させ線香花火に火を付ける。

『えい。』

 火が付いた途端に三人は線香花火を自分から落とした。

「・・・・・」

 明久は三人を見る。見られていたことに三人は恥ずかしくなり顔を紅くした途端花火が打ち上がる。

「あら、今日は花火大会があったんですね。」

 玲は花火を見ながら言う。明久たちも花火を見る。

「月と一緒に目に映る花火も綺麗だけど・・・・・」

 明久は姫路達を見る。

「花火と一緒に映る姫路さんに美波に優子さんも綺麗だね。」

 明久は無意識に言ったその言葉に三人は嬉しさのあまり鼻血を噴くた。

「だ、大丈夫!三人とも!」

 そんな明久を見て皆はバカだと思った。

 




どうも投稿が遅れてすみません。
どういった感じで花火をしようか迷ってたら渡しの好きな漫画から取りました。
今後もよろしくお願いします。

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