バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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浜辺で鼻血ブー!

 海水浴場近くの駐車場に着いた明久たちは荷物を下ろしていた。時期が夏ということもあり女子たちの服装は露出が多かった。そんな中ムッツリーニは必死に鼻血を堪えていた。

「ムッツリーニ、大丈夫?」

「・・・なんとか。」

「あれ?ムッツリーニ君も詩化して鼻血でそうなの?」

 工藤がムッツリーニ気付き前かがみになりながらムッツリーニの顔を覗く。その際にムッツリーニの鼻から鼻血が垂れた。

「すごいじゃないかムッツリーニ!43秒耐えれてる!」

 明久はムッツリーニ感心する。

「大丈夫?」

「ああ、工藤さん。それ以上近づくと・・・・」

 ムッツリーニ近づく工藤に明久は注意するが時既に遅く、ムッツリーニは盛大に鼻血を噴いた。

「あっちゃ。」

「噴いてしまったな。」

 

 男子は女子より早く浜辺に着き、ビニールシートとパラソルを展開して女子達を待っていた。

「やっぱ男子の方が早いね。」

「だな。女子にも何かと準備があんだろ。」

 浜辺で足を伸ばす雄二と明久。秀吉は上にパーカーを着用し、準備体操をしていた。ムッツリーニは輸血パックから血を輸血しながらカメラの手入れをしていた。

「でも霧島さんのことだから雄二の目を潰すと思うよ。雄二が霧島さん以外の水着姿に目移りしないために。」

「おいおい明久、いくらなんでもそぎゃああああああ!目が、目がぁあああああああ!」

 霧島は雄二の目に砂を叩き込んだ。霧島の水着は黒紫色の水着である。

「・・・・吉井の言う通り。」

「霧島さん、砂は危ないよ。」

「・・・・うっかりしてた。ところで雄二。」

「なんだ翔子?」

「・・・・私の水着姿どう?」

「翔子・・・・目を洗う水をくれ。」

「・・・・洗剤はいる?」

「なんでだ!なんで洗剤を入れる必要がある!」

 雄二は盛大にツッコミを入れた。

「まあ、目を治さないことには見る事も出来ないな。」

「タロウよ、そこではないと思うぞ。」

 秀吉がとタロウにツッコム。タロウのこの状況に慣れてきてしまっていた。

「そういえば霧島さんは早かったけど他の皆は?」

「・・・・玲さんが・・・・」

「ね、姉さんがどうかしたの?」

「・・・・紐の水着を着ようとして。」

「なにやってんの姉さん~~~~~~~~~~っ!」

 霧島の話を聞いて明久は海に向かい叫んだ。その話を聞いてムッツリーニは鼻血を噴いた。

「・・・・流石にそれは問題あるから皆で止めさせた。」

「よかった~。もしその格好でこようとしたら人生の半分以上が終わってたよ。」

「・・・・でも・・・」

「まだあるの!」

 明久は何が着ても受け止める心構えをする。

「・・・・マトモなのと言いながらスク水を鞄から取り出した。」

 明久は砂に向かい頭から突っ込んだ。

「・・・・そうしたら姫路も対抗意識を燃やして紐を着ようとした。」

 その言葉を聞いてムッツリーニが盛大に鼻血を噴いた。

「明久君への色仕掛けはやりすぎると嫌われますね。」

 ジュースを買いに行っていた友也が口を出す。何時の間に来たのであろうか?}

「ついさっきです。」

 こら、メタ発言すんな。

「どうしたの友也?」

「いえ、何でもありません明久君。それより頭が砂まみれですがどうしたのですか?」

「ちょっとね。で、霧島さん。その後は?」

「・・・・優子と愛子が宥めている間に美波が普通の水着を買いに行った。」

 明久は安堵を吐く。

「よかった。マトモな人たちがいて。」

「・・・・でも戻ってから美波は暗くなってた。」

 何故暗くなったかは聞かないよう心に誓う男子陣であった。そんな時姫路の声が聞こえてくる。

「お待たせしてすみません、皆さん。」

 姫路を戦闘に残りの女子達が来た。姫路の水着は赤を主体とし淵は黒い水着、玲の水着は単に黒い水着、美波は水色と白のシマシマの水着、工藤は黄色い水着でボクサータイプの水着、優子は黄緑色の淵にフリルが装飾された水着、佐藤の水着はピンクのフリルのあるワンピース型の水着である。

ムッツリーニはフラフラになりながらもシャッターを切る。

「大丈夫、ムッツリーニ君?」

「・・・・問題・・・・ない・・・」

 心配する工藤にムッツリーニはそう言うが見るからにフラフラで危ない。

「あ・・・・」

 ムッツリーニがバランスを崩し倒れそうになった瞬間工藤羽目にも止まらぬ速さで動くムッツリーニを抱きしめる形で助ける。

「大丈夫じゃないよムッツリーニ君。ムッツリーニ君?」

 工藤はムッツリーニの顔を窺うと工藤の顔に向けムッツリーニの鼻血ビームが降りかかる。

「ぶはぁ!む、ムッツリーニ君!」

 工藤はムッツリーニをゆする。

「あらら、工藤さん胸で抱きしめるからムッツリーニの血圧上がっちゃったんだね。」

「うむ。土屋君も難儀な体質だな。刺激が強いものに弱いとは。」

「こちらでも解決策として血圧を抑える特効薬の開発をしてみようかと思います。」

 冷静に状況を分析する明久にタロウは共感し、友也がムッツリーニの事を考え特効薬の話を持ち出した。

「お前ら、なんかズレてないか?」

 結う何時この状況でマトモな雄二がツッコミを入れた。

 

 海水浴場では明久は砂の像を作っていた。

「明久、何を作っているんだ?」

「ん?まあ待ってよ。」

 明久は少しずつ確実に砂の像を作っていく。その光景を姫路、美波、優子、玲は少し離れたところで見ていた。

「こうしていると明久君が戦っているなんて思えませんね。」

「そうね。でもその戦いがなかったらアキは勉強嫌いのバカのまんまだったわね。」

「なんか複雑ね。危険な事が明久君の良くしているなんて。」

「皆さんにそう思えてもらっていただけていると私は嬉しいです。でもアキ君はもっと別のところに気付くべきなんでしょうけど☆」

 玲の言葉に三人はビクッと反応した。

 

「・・・・雄二。」

「なんだ翔子?」

「・・・・こうしているだけで嬉しい。」

 霧島は浜辺で雄二と共に座り、付き添っているが雄二は手足を拘束され、首輪をつけられていた。

「翔子、この拘束を全て外してくれ。」

「・・・・ダメ。雄二は逃げる。」

「それじゃあ話を変えるがなんでお前は俺を拘束する?」

「・・・・愛?」

「そうなると一般的な愛がなんなのか聞きたくなるな。」

 

 鼻血を盛大に出し気を失っているムッツリーニは工藤に膝枕をされていた。

「ムッツリーニ君は刺激が強いのに弱いのが欠点だね。想像力も豊かだし・・・」

 工藤はムッツリーニの額を撫でる。

「僕が・・・・刺激に強くなれるようにしてあげてもいいんだよ/////」

 工藤は顔を紅くしながらそう言った。

「な、なんてね/////」

 

 浜辺の海岸で友也は海を眺めていた。

「どうしたのだ、友也?」

「何か考えごとか?」

 ジャンボットとジャンナインが友也に話し掛ける。

「ええ。僕は明久君を、ウルトラマンギンガを倒す男になりたいと思い明久君と共に戦ってきました。ですが・・・・」

「戦力不足だと。」

「ええ。」

 ジャンナインの言葉に友也は頷きながら答える。

「気にする必用は無いぞ友也。」

「ジャンボット・・・・」

「私達は機械だが自分が時折不甲斐ないと思う事はある。だが、何も全てを私達がやろうと思うのではなく自分が出来る事をすればいいのだ。実際、竹原と言う男に報いを受けさせるために君は私達に頼んだ。何故だ?」

「それは君たちの方が機械の方に優れているからです。」

「そうだ。君には冷静に物事を分析する能力がある。それを今後活用するんだ。」

「・・・・・・はい。」

 その姿を影ながら佐藤は見ていた。

「一条寺君、頑張って。」

 そう言う佐藤の目は何処か優しく、恋焦がれている目をしていた。

 

 夕方になり浜辺で遊んでいた人たちは帰る支度をしているなかある一点に目が向けられていた。

 浜辺に作られたタロウの砂の像であった。

「明久・・・」

「ん?」

「ありがとう。」

「ん。」

 


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