翌日、川神学園では盛大に肝試し大会が行われていた。肝試しのチャレンジャー側の待機場所として2―Aクラスに二年生生徒全員が集まっていた。
「しっかし、Aクラスは相変わらず広いね。」
「そうですね。予算の使い方を間違っていると言って過言ではありませんね。」
明久の言葉に友也が相槌を打つ。
「そういや友也は誰とペアを?」
「まだ決めていません。大方他の男子とペアを組むことになるでしょう。」
「そっか。雄二は霧島さんと確定だよね。」
「将来安定していますしね。」
「お前ら!なんか勘違いをしているだろ!」
二人の会話に雄二がツッコミを入れる。
「どうしたのさ雄二、ペアになる事は間違っていないじゃないか。」
「おい明久!俺の将来は俺が決めるぞ!」
雄二がそう言った瞬間、霧島が雄二をスタンガンで気絶させる。
「・・・・雄二が迷惑をかけてゴメン。」
「大丈夫だよ、霧島さん。」
「ですが当てるところを間違えると坂本君の心臓が止まってしまいます。」
「友也、そうなったら合法的に雄二の唇を霧島さんが奪えるよ。」
「でもハイリスクハイリターンの賭けです。」
「・・・・言えてる。」
ずれている三人が話していると開始の合図が聞こえてくる。
「いよいよ始まったか。」
雄二が復活した。以外にタフな男である。二年生全員がAクラスに設置されている大型モニターを見る。次々と男女ペアが向かうがお化けに恐怖しことごとくリタイヤが続出する。
「仕方ない。こうなったら秘密兵器その一を出すか。おーい、Fクラスペア行ってこーい。」
雄二の指示の下Fクラスの生徒が向かった。チェックポイントへ行く途中ちょうちんのお化けが出るが・・・・
「おっ!これライト代わりに使おうぜ。」
「そうだな。」
と言った対応を取る。普通に考えればズレた対応をしているがこれがFクラスだと一同認識する。ここまでなら使える人材ではあるのだが・・・・・
「お前とペアなんて嫌なんだよ!」
「お前だって女に声掛けても蚊帳の外だったじゃねぇか!」
大声を上げリタイヤとなった。雄二はこの光景に頭を抱える。
「坂本君、ここは僕が行きましょう。」
そう言って友也が出る。
「でも友也、ペアは?」
「決まっていません。誰か行きますか?」
友也の言葉に誰も挙手しようとはしなかった。友也は文月学園内、二年生の方でかなりモテるジャンルの一人に入っている。勇気がいる人物の一人である。
そんな中から一人の女子が手を上げた。手を上げたのは佐藤であった。
「いいのですか?」
「はい。私はペアがいませんので構いません。」
無表情の二人が話している様は何故か似合っていた。
「それでは行きましょうか。」
「はい。では明久君、行ってきます。」
「気をつけてね、二人とも~。」
明久に見送られ二人は第一チェックポイントへと向かった。
友也がカメラを持ちながらチェックポイントの二年Dクラスに向かっていた。
「召喚獣とはいえすごいですね。」
「そうですね。ですが明久君のバイト先であった高校はもっと凄かったですよ。」
「どんな高校であったのですか?」
佐藤が友也の言葉に興味を持つ。
「なんでもヤンキー高校ではあるのですがゴリラが教室にいたり、フレディと言う名のあだ名を持つ男性がいたり、象並みの大きさの足を持つ馬がいたり、メカが学ランを着ている学校だそうです。」
「それは一般的に普通とは言えないです!」
佐藤は声を押さえながらもツッコミを入れる。
「ですが慣れたそうです。」
「もうどうツッコんだらいいかわかりません。第一どんなバイトだったんですか?」
「なんでもメカがバラバラになったので直す作業を頼まれたそうなのですが・・・・・・」
「ですが?」
「どういうわけかバイクに変形してしまったそうです。追加要素で空も飛べます。」
(バイクじゃない!それはバイクじゃない!)
佐藤は心の中で思いっきりツッコミを入れた。
そうこうしているうちに二人は第一チェックポイントに着いた。
「おっ!意外に早く着いたんだな。」
「んじゃいっちょ先輩が軽く遊んであげますか!」
男女ペアの先輩が二人を軽視する。
「二年Fクラス一条寺友也、先輩方に試召戦争を仕掛けます。」
「二年Aクラス佐藤美穂、一条寺君と同様先輩方に試召戦争を仕掛けます。」
『試獣召喚!』
「古典
二年Fクラス 一条寺友也 VS 三年生 男
452点 220点
二年Aクラス 佐藤美穂 三年生 女
387点 213点 」
『なっ!?』
三年生は二人の点数を見て驚く。
「さすが一条寺君ですね。」
「佐藤さんも明久君と共に勉強会を行った成果が出ているではないですか。」
そう言いながら友也はガンパッドを取り出しボタンを押す。
「Come on! Jean Star!」
友也の懐からジャンスターが現れると友也はガンパッドのボタンを押す。
「Jean Fight!」
ジャンスターはジャンナインに変形する。その光景を見ていた男子全員がカッコイイと思った。
「大きいですね。」
「今回のシステムがこうですからね。等身大になると存在感が更に増すものです。」
冷静な二人は三年生の召喚獣に向かい攻撃を開始する。友也はガンパッドを三年生男子の召喚獣に向けるとトリガーを連続して打つ。一方佐藤は召喚獣が死神の召喚獣で三年生女子の召喚獣を鎌で切り刻む。二人の攻撃は言葉で表現しようにも残酷であるため表現が出来ない。
「友也は相変わらず容赦ないねー。」
「明久、そんな言葉で終わらせるな!」
映像を見ていた明久は笑顔でそう言うが雄二を含める二年生は色々とツッコミたいところがあった。
そしてしばらくして二人の三年生の召喚獣は消滅した。友也は携帯電話を取り出す。
「明久君、第一チェックポイントをダッシュしたのでそちらに戻ります。」
『うん。戻る際には気をつけてね。』
「ええ。」
何事もなかったの用に友也は明久たちのいる二年Aクラスに戻ろうとした途中であった。突如佐藤の頬に湿り家のあるものが突然当たった。それに佐藤は驚き悲鳴を上げる。それにより友也と佐藤は失格になった。
「すみません明久君。」
「構わないよ、友也。佐藤さんもありがとう。」
「いえ、私は大した事は・・・・」
佐藤は顔を紅くしながら明久から視線を外す。
「そんなことないよ。二人ともチェックポイントを一つ潰してくれたんだから。」
明久は二人にお礼を言う。
「さて、次が問題だな。」
「次は怒のクラスを出す予定、雄二?」
「無難にFクラスに行ってもらう。」
そう言って雄二はFクラスの生徒を先行させた。が・・・・
「おい、こういう時いきなりきたらどうするんだ?」
「発想の転換をしろ。想像しろ、女子が俺たちの肌を触りに来たと!」
ぺたっ
『うぉおおおおおお!』
このような結果になり失格。雄二は戻ってきたヤツらに制裁をした。
「こいつらは馬鹿だというのを忘れてた。ここは我慢強いやつに言ってもらおう。」
そして今度は我慢強いペアに行ってもらい何とか切り抜けたが通路の途中が急に暗くなったと思ったらいきなり照明が付いた。証明に照らされ現れたのはゴスロリ服に化粧をした夏川であった。
『『『『『キャ~~~~~~~~~~~~~!』』』』』
女子だけでなく男子ですら悲鳴を上げる。
「野郎やりやがったな!」
「汚い!やり方も汚ければ絵も汚い!」
「恐いです!お化けじゃないけど恐いです!」
「もうダメ無理!ウチ今日は寝れない!」
精神崩壊寸前にまで追いやられた二年生。そんな時ムッツリーニと愛子が立ちあがった。
「・・・・俺が行こう。」
「ムッツリーニ君、あの先輩に目に物見せてあげようよ。」
その瞬間二人への応援コールがAクラスを揺らした。
『『『『ムッツリーニ!ムッツリーニ!』』』』
『『『『工藤!工藤!』』』』
「お前ら頼んだぞ!」
「・・・・任せろ。」
そう言ってムッツリーニと愛子は夏川へ向かった。
大怪獣ラッシュ2ndシリーズの最後に七星剣出ましたね。他の七星剣使いがどんな宇宙人か気になってきました。3rdシリーズが出たら嬉しいですね。