バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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電気怪獣の発言

「たくっ!原発反対反対ってふざけんな!こっちとら電気代が上がっちまうじゃねえか!」

 一人の男が自室で原発反対派にテレビの前で野次を飛ばしていた。

「なんも知らねえのにいざ事故が起こったからって手の平変えやがって!」

「そ~ね~。」

「ああ。・・・・・ん?」

 男が後ろを振り向くとそこにはナックル星人グレイがいた。男は驚き尻餅を着いた。

「な、なんだお前!どっから入った!」

「まあそんなこといいじゃない。それより彼方電気代が上がってイライラしてんでしょ?その心使わせてもらうわよ。」

ナックル星人グレイはダミーダークスパークを男に見せ付ける。男の目は真っ赤になり闇に飲まれた。

 

 強化合宿が終わってしばらく経ったある日、明久たちはアイツ物面々と佐藤を加えて屋上で昼食を食べていた。食べている最中秀吉が最近にニュースについて気になることを話しだした。

「そういえば前々から気になっておったのじゃがなぜ日本には原子力発電所が必用なのかのう?」

 秀吉の疑問に友也が答える。

「それは単純に日本にエネルギー資源が無いからです。」

「どういうことじゃ?」

 明久が分かりやすく説明する

「秀吉、二本の発電を原発が〆ているのは知っているよね?」

「うむ。」

「じゃあそれ以外には何がある?」

「えっと・・・・風力に火力じゃろ。」

「あと波力に水力にソーラーもあるね。でもそれから出来る電力は全てを合わしてやっと原発の約三分の二ほどの発電量になるんだ。」

「なら燃料などを増やせばよいのではないのかの?」

「簡単に考えればそうだけど色々と問題はあるんだ。火力はガソリンなんかの石油類を使うから輸入量だけでもコストが掛かる。発電の利益より輸入の費用の方が大きいんだ。」

「明久君の言う通りです。ベネゼエラから船で輸送するとなると結構コストが掛かります。更に水力や風力、波力などは自然の法則を無視して出来るものではないので増やすのは難しいです。更にソーラーの場合は天候の関係もあります。」

「そして原発がいる必要性があるのは日本石油とかの生活に欠かせない資源を国土内に持ってないからなんだ。だったらかわりに石炭を燃やせばいいと思うだろうけどそうしたら中国のようにPM2.5なんかの有害物質を出すんだ。」

「なるほど・・・・・・よく分かったのじゃ。」

 秀吉は納得してくれた。

「まあ最も、今更って感じなんだよ。原発の危険性があるって気づいたのが。」

「どういうことよアキ?」

「清水さん、原子力発電所での危険性とはなんだと思いますか?」

「えっと・・・・・・放射線?」

「はい。放射線身体に変異、脱毛やがん細胞を作るきっかけになります。僕たちより前の世代、今で四十代の大人たちはその危険があると日本に呼びかけていましたが誰も聞く耳を持ちませんでした。それを今更歳を多く取った人が本にして売り出しているって事です。」

「じゃあ地震の無い所とかに作ったり電力を輸入したりしたらいいじゃない。」

「それは無理ですね。日本は大陸プレートが重なっている場所に位置していて地震大国ですし、電力の輸入は輸入したい量より少なくなります。」

「どうしてよ?」

「美波にでもわかるように説明するよ。仮に美波が車輪付きの籠にりんご百個を積み上げたとする。それを百メートル離れた所に運ぼうとする。運んでいる最中に落ちたりんごは拾わないとしてね。

 じゃあそれを運んだらどうなる?どんなに慎重に進んだとしても必ず毀れてしまう。美波が最初に積んでいた百個のりんごは四十個まで減る。これが電力輸入の問題なんだ。」

「なるほど・・・・・わかったわ。」

 美波は納得してくれた。

 そんな時タロウが明久の肩に乗って話し始める。

「原発停止によって困るのは責任者だけではない。原発で働いている職員は職場を失って失業、原発が稼動しなくて電気代が上がって電気利用者の負担が増えるんだ。」

「まあ無知な人はすぐ世界の情報に流されてしまうけどね。」

 pipipipi! 

そんな雑談をしていると明久の電話に着信が入った。

「はい、もしもし?」

『吉井かい?アタシだよ。』

「学園長!どうしたんですか!」

『今ちょっとヤバイ状況でね。裏山を見ていたら怪獣が出たんだ!』

 その言葉を聞いて明久は驚く。

『明久君。私だ。ウルトラの父だ。エレキングに誰かがダークライブしたようで今暴れ様としている。急いでくれ!』

「わかりました!」

 明久は電話を切ると急いで裏山に向かい走り出した。

 

 数分前の文月学園の裏山。あまり生徒には知られていないが裏山を十キロ行ったところに水力発電所がある。

「ここからいろんな発電所を壊せば原発をいやおうなく再稼動させるはずだ!」

 何も考えていない男はエレキングのスパークドールを持ってダミーダークスパークでライブする。

「ダークライブ!エレキング!」

 男はエレキングにダークライブした。エレキングは雄叫びを上げ発電所に向かい歩き始める。

「させるか!」

 明久は発電所に向かおうとしているエレキングを肉眼で確認するとギンガスパークにライブサインを読み込ませウルトライブする。

「ウルトライブ!ゴモラ!」

 明久はゴモラにライブする。エレキングはゴモラに気付きゴモラの方を振り向く。

『なんだよお前!邪魔すんのか!』

『ああするよ!』

 ゴモラとエレキングは同時に走り出し互いに体当たりする。ゴモラは両腕を振りながらエレキングに攻撃する。

『イタイイタイイタイイタイ!』

『なんでこんなバカげたことすんのさ!』

『う、五月蝿い!こっちは電気代が原発反対派のおかげで電気代が前より上がったんだよ!』

『だから全ての発電所を壊して原発再稼動?無理に決まってんだろ!』

 ゴモラは自慢の尻尾を横一線に振るう。エレキングは悲鳴を上げながら倒れる。

『喰らえ!』

 エレキングは口から光線を放つ。その攻撃はゴモラの目に当たる。

『のわぁ!』

 ゴモラは目を押さえる。

『だいたい今まで原発に頼ってたのに手のひら返すヤツらが気にいらねえんだよ!』

『だからってやっていいことと悪いことあるでしょうが!』

 向かってくるエレキングにゴモラは両脚蹴りを喰らわせる。

『ごほっ!』

『確かに今更手のひら返してきた奴らはムカつくけどそれは被害に遭っているからだ!それといきなり原発0とか言っている政治家とかいるけどあれ今の日本じゃ無理だし!』

『なんでだよ!』

 エレキングはゴモラの首に尻尾を巻きつけると電流を流す。

『ぐぅうううううう!日本がエネルギー資源が無いからだよ!将来代わりになるエネルギーが開発されたら原発0の目処は立つだろうけど!』

『なっ!』

『あんたテレビの情報しか見てないだろ!まあ僕もだけど。自分で情報を耳に入れて自分が持つ確かな確信を持ってから意見言って見せろ!』

 明久に言い返せなくなった男の心は更に黒く染まってゆく。

『う・・・・・・うるさいうるさいうるさいうるさい!黙れ黙れ黙れ黙れ!餓鬼が五月蝿いんだよ!』

 エレキングの姿が徐々に変わり蛇のような体系になった!その名もEXエレキングである。

 EXエレキングはゴモラの身体に巻きつき電流を思いっきり流す。

『うわあああああああああ!』

 明久は悲鳴を上げる。それを見ていた雄二は友也に明久を助けるように頼むが友也は首を横に振る。

「今のあの状況では明久君にも攻撃が当たる恐れがあります。」

「くそっ!」

 雄二は自分の手を叩く。

 一方明久は電撃の拷問に耐えていた。

『ははは!どうだ!苦しいだろ!』

『こんなの被害に遭った人たちよりよっぽど軽い方だよ!あの人たちは失ったものがあるんだ!それも考えなで勝手を言うな!あんたにとってはなんとも無い発言にでもその言葉を聞いて傷つく人、怒る人がいるんだ!そんなこともわからないあんたは僕らよりよっぽど子供だ!』

 そう明久が言った瞬間ギンガスパークのクローが開き顔が現れる。

「EXチェンジ!EXゴモラ!」

 ゴモラの身体が光り輝き波動を発するとEXエレキングは跳ばされる。雄二たちは姿の変わったゴモラの姿を見て驚く。

 鎧を思わせる甲羅に身を包み、先も度よりも長く鋭くなった尻尾と爪と牙を持つ姿。

 EXゴモラである。

「驚いた。まさかあんな姿をお目にかかれるとはな。」

「どういう意味じゃガルム?」

「・・・・あれはEXゴモラ。自由自在に扱える尻尾と全身から放つEX超振動派が特徴のゴモラだ。」

 秀吉の疑問にバレルが解説をした。

 EXゴモラはEXエレキングに向け尻尾を伸ばす。EXエレキングは身体を反らし回避するもEXゴモラは連続して尻尾をEXエレキングに突く。EXエレキングは攻撃を喰らい倒れるとEXゴモラに身体をつかまれそのまま振り回される。EXゴモラはEXエレキングを空に向けて放ると身体からEX超振動派をEXエレキングに向け放った。

『反省しろ――――――――――!』

『ぎゃあああああああああ!』

 EXエレキングはよけることが出来ぬままEX超振動派を暗い空中で爆発した。

 男は地上に落ちる。

「か・・・・・・軽はずみな発言には気を付けま~~~~~す・・・・・・。」

 

 えー・・・・・今回の話は最近原発に関する話題があって書いてみたものです。これを見て不快に思われる方には心よりお詫び申し上げます。

 東北大震災で被災された皆様、頑張ってください。

 一時でも早い復興を願って。 

 ザルバより。

 


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