バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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強化合宿四日目と無限のメビウス

 Uキラーザウルスが明久の召喚獣目掛けて四本の触手を伸ばしてくる。明久の召喚獣は上に跳ぶと明久は召喚獣にスパークドールを渡す。

「ウルトライブ!ザムシャ!」

 明久の召喚獣はザムシャにライブする。

「悪運がいいですね豚野郎。でも空中にいるようではあなたに逃げ場はありませんよ!」

 Uキラーザウルスは触手から光弾を放つ。ザムシャは星斬丸を抜刀して地肌で光弾を弾いいてゆく。ザムシャが地上に着地すると一気にUキラーザウルスに詰め寄ろうとするがUキラーザウルスはザムシャの両サイドから四本の触手を伸ばしザムシャを捕まえようとする。ザムシャは後ろに下がりながら回避する。

「明久、奴は簡単に倒せるほど甘い敵ではない!」

「じゃあどうするの!」

 そこに雄二たちと友也たちが駆けつけてくる。

「おい明久、これはどういう状況だ!」

「雄二!丁度いいタイミングで来てくれてありがとう。見ての通り清水さんがこれやってるから手を貸して。」

「わ、わかった。」

『試獣召喚!』

 雄二、秀吉、ムッツリーニ、友也が召喚獣を召喚する。

「四人は少し時間を稼いでくれ!その間に明久が準備をする。」

「わかりました。いきますよジャンボット。」

「Come on! Jean bard!」

 友也の懐からジャンバードが現れるとジャンボットに変形する。

「おっしゃ!行くぞお前ら。」

「うむ。しかしガルムたちが疲れている故にたいした戦力にならないのが痛手なのじゃ。」

「・・・・そこは経験でカバー。」

 つい先刻の戦闘でガルムたちは疲れているため今は彼ら自身の実力で戦わなければならない。

 ジャンボットがジャンブレードを展開してUキラーザウルスに接近するがUキラーザウルスは触手を使いジャンボットの片腕を掴むとそのまま振り投げる。ムッツリーニの召喚獣が左サイドから接近し懐に入るがUキラーザウルスは声を上げながら鉤爪でムッツリーニの召喚獣を引っ掻く。秀吉の召喚獣が助けようと接近するが二本の触手が秀吉の召喚獣を捕まえ雄二の召喚獣に向けて投げ飛ばす。

 秀吉の召喚獣が優位時の召喚獣にぶつかりそうになった瞬間、聞き覚えのある音声が流れた。

「ウルトライブ!ウルトラマンメビウス!」

 突如謎の光が秀吉の召喚獣を受け止めこのまま着地した。光は次第に消えてゆき、その召喚獣の姿を見せた。

 その姿はかつて地球を救ったウルトラ兄弟に憧れ兄弟と同じように地球を救った若き戦士、ウルトラマンメビウスである。

「ゴメン、少し時間掛かった。」

「おせんだよ!」

「でもナイスタイミングです。」

「ゴメン雄二。そんでもってここから少し質問タイム。」

『は?』

 明久の発した言葉に周りにいた皆は間抜けな声を出してしまう。

「清水さん、盗撮用カメラを仕掛けたの清水さんでしょ。」

「そ、そんな物、美春は仕掛けていません!」

「でも女子の更衣室にあったよ。」

「あれは土屋が仕掛けたものです。」

「でもわかりやすい場所にあったのとは別に隠しているのがあったよ。」

「あれはお姉さまを撮るために仕掛けたものです。」

「じゃあそのカメラは回収したの?」

「美春が仕掛けたもう一つのカメラはかいしゅ・・・・・・はっ!」

 その時清水は気付いた。さっき自分自身で自白をしてしまったことを。

「西村先生、今の聞きましたか?」

「ああ聞いたぞ。清水、補習室行きは覚悟してるな。」

 ゴゴゴと西村先生の背景にそんな文字が見える。

「あ・・・あ・・・あ・・・・・・」

 清水は墓穴を掘ったことと西村先生への恐怖に舌が上手く回らない。

 がしかし、すぐにそれは壊された。突如清水の持っていたダミーダークスパークが黒い雲のようなものを出しながら清水とUキラーザウルスを包み、さらに試召フィールドを試獣フィールドに書き換えていった。

 清水を包んだ闇はそのまま中庭に出ると四体のスパークドールを読み込んだ。

「ダークライブ!テンペラー星人!ザブラ星人!ガッツ星人!ナックル星人!」

 闇は不規則に動きながらも徐々に収縮して一つの黒い球体になった。

「合体!Uキラーザウルス・ネオ!」

 その音声と共に巨大な怪獣、Uキラーザウルス・ネオが姿を表した。

「ヤバそ~。でもここで倒しておかないと。メビウス、いくよ!」

「はい!」

 明久はメビウスを掴むとギンガスパークにライブサインを読み込ませる。

「ウルトライブ!ウルトラマンメビウス!」

 明久はウルトラマンメビウスにウルトライブする。しかしUキラーザウルス・ネオは明久よりもはるかに大きく、そして凶暴である。

 メビウスは上昇するとメビュームスラッシュを放つ。その攻撃を喰らったUキラーザウルス・ネオは声を上げながら触手でメビウスを捕まえようとするがメビウスはその触手を掻い潜りながらメビュームスラッシュを放つもあまり効果が無かった。メビウスはメビウムブレードを展開すると触手に向かい飛行し触手を斬る。メビウスの後ろからUキラーザウルス・ネオが触手で捕まえようとするがメビウスを捕まえようとする触手に小太刀が刺さった。

「・・・・忘れてもらっては困る。」

 小太刀を投げたムッツリーニ。

「お~ら!」

 ジャンアックスを持った雄二がUキラーザウルス・ネオの触手を斬る。

「Jean missile!」

ジャンボットの背中からミサイルが放たれる。

「明久よ、今なのじゃ!」

「シュアッ!」

 秀吉の言葉に頷き明久はUキラーザウルス・ネオの本体に止めを刺そうとメビウムブレードを振りかざした瞬間、メビウスは急に止めた。Uキラーザウルス・ネオは鉤爪を振りかざしメビウスを真下に叩き落した。

「どうした明久!」

「坂本君、あいつの額の赤い水晶体を見てください。」

「あ?っ!」

 友也に促され雄二はUキラーザウルス・ネオの額の赤い水晶体を見てみるとそこには意識を失っている清水の姿があった。

 Uキラーザウルス・ネオは下半身の顔のクワガタでメビウスを掴もうとする。メビウスは両手でそのクワガタを受け止めるが先程の攻撃で上手く身動きが出来ずそのまま力に押し負けていた。Uキラーザウルスの下半身の顔の口にエネルギーがチャージされ始めていた。

「おい!あれヤバイぞ!」

「もしこの状況で放たれたら明久もここも無事ではすまないぞ!」

「・・・・なんとしても食い止める!」

 雄二、秀吉、ムッツリーニ、ジャンボットが阻止しようとUキラーザウルス・ネオに接近するがUキラーザウルスの頭部から放たれた赤い光線により落とされる。その間にもエネルギーは蓄えられいた。

(このままだと・・・・・・皆が!)

 その時であった。明久の思いに応えたのかウルトラマン、セブン、ジャック、A、タロウ、ゾフィーのライブサインが輝きメビウスの周りに円を描くように並び、タロウたちはメビウスの中に入った。その瞬間、ギンガスパークがタロウたちをウルトライブする。

「ウルトライブ!ウルトラマン!ウルトラセブン!ウルトラマンジャック!ウルトラマンA!ウルトラマンタロウ!ウルトラマンゾフィー!ウルトラマンメビウス!」

 メビウスの身体は光り輝くと同時にUキラーザウルス・ネオは蓄積したエネルギーを一気に解放してメビウスに向け放った。しかし放たれた光線はメビウスのいる場所で搔き消されメビウスの後ろには放たれなかった。

 しばらくして光線が止むと光り輝くメビウスは空に上昇する。

「ウルトラ合身!ウルトラマンメビウスインフィニティー!」

 音声と共に空に現れたのは身体全身に模様が施されたメビウス、ウルトラマンメビウスインフィニティーであった。メビウスインフィニティーは右手をメビウスぶれるに手をかざすとゆっくりと横にスライドした。すると全身に膨大なエネルギーが身に纏われる。Uキラーザウルス・ネオは自身のトゲをミサイルのように発射しメビウスインフィニティーを倒そうとする。しかしメビウスインフィニティーはインフィニットエッジを放ちながら上昇すると回避をしながらトゲのミサイルを破壊する。Uキラーザウルス・ネオは下部のトゲも放ちメビウスインフィニティーを倒そうとするがメビウスはUキラーザウルス・ネオに向け飛翔する。メビウスインフィニティーはとげのミサイルの中を掻い潜りUキラーザウルス・ネオに左手を伸ばす。

 そしてメビウスインフィニティーがUキラーザウルス・ネオを通り過ぎると同時にUキラーザウルス・ネオは爆発し消滅した。雄二たちがスパークドールを回収している最中明久はメビウスインフィニティーからライブアウトした。明久の腕の中では気を失っている清水がいた。

「え~と・・・・・西村先生、後よろしくお願いします。」

「うむ。」

 西村先生は明久から清水を受け取るとそのまま臨時保健室に直行した。

『大丈夫/ですか、明久君/アキ?』

 明久を心配して姫路、美波、優子、佐藤の四人が駆け寄ってくると明久は大丈夫と答えようとした瞬間緊張が解けたのか急に倒れこんでしまいそうになった。四人は明久を自身の手で受け止める。ふと四人は明久の顔を覗いてみるとさっきまで戦っていた顔と違い、疲れきって安心した寝顔をしていた。四人はそんな明久の顔に思わず顔を赤らめてしまった。

 


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