西塔一階では明久がどんなスパークドールを使うか検討していた。
「う~ん、こんな状況だとどれを選んだらいいか分からないね。」
「普通にギンガにしたらいいのではないでしょうか?」
「姫路さんたちにはまだ言ってなかったけ?」
「なにがですか?」
「ギンガにライブ出来る時間って意外と限られているんだよ。」
『え!?』
明久の言葉を聞いて皆驚く。
「実は三分間しかライブ出来ないんだよね~、これが。」
「じゃ、じゃあタロウとかにライブしなさいよ!」
「いや美波、流石にタロウたちの力に頼っているとなんか・・・・・・・あれでね。」
「あれ?」
「・・・・・・卑怯?」
「おお、それそれ!さすが優子さん。」
「ま、まあね/////」
何故か優子さんは顔を赤くしているけど何でかな?
「ねえ、吉井君って鈍感?」
「ジゴロータって意外と近くにいるのね。」
なんか周りの女子も呟いているけど小声だからよく聞こえないな。
と、そこへ覗きを実行しようとしている男子が来た。だが僕はそんな男子の中にいるある人物に着目した。
「・・・・・・根本君も男なんだね。」
「待て吉井!それはどういう意味だ!」
「え?だって女装したじゃなん。」
「アレはお前らのせいだろうが――――――――――――――ッ!!!!!!!」
「何を言っているの根元君。あの写真を見るかぎり羞恥心はあるものの乗り気な感じがしてたよ。僕の頭の中では。」
「おい!最後頭の中でって言わなかったか!何であんなことに乗り気になれるんだよ!」
〈お前そう言いながら乗り気やろ~。え?ええ!?〉
何処からか知らないおじさんの声が聞こえてきて皆はあたりをキョロキョロする。が、おじさんらしき人は誰もいない。
「あ、メールだ。」
ズコッ!
一斉に皆ズッコケた。まさか明久の携帯電話の着信音とは思わなかった。
「何でそんな着信音にしてんだよ!」
「しげ○○さんのファンだから。」
「紛らわしいから変えとけ。」
「え~、気にいってんのに・・・・・・・・頼むよ☆」
「誰に頼んでんだ!」
根本が冷静にツッコミを入れる。
「まあいい。俺たちはここでお前らを倒して女子風呂を覗く!」
「そんなのダメに決まってるでしょ!」
〈ダメよダメよダメなのよ。ダメよダメよダメなのよ・・・・・〉
美波が根本に向かい発言するとまた変なおじさんの声が聞こえてくる。
「あ、またメールだ。」
『着信音かい!』
またしても皆ズッコケる。そして根本がまたツッコミを入れる。
「紛らわしいから変えとけ!」
「頼んだよ☆」
「だから誰に頼んでんねん!・・・・・まあおふざけはここまでにしてと。」
「えー、続けないのー。」
「続けるか!続けたら永遠と終わらないわ!」
根本は咳払いをして切り替える。
「ここでお前を倒せば防衛ラインは突破出来るに等しい。だがしかし!お前の持つ力にただの召喚獣では敵わない。そこで・・・」
そういいながら根本は懐からダミーダークスパークを取り出した。
「まさかここで!」
「・・・・否、斜め上だ!」
「何を言いたいか分からないけど西村先生、試召戦争の承認をお願いします!」
「承認する!」
『試獣召喚!』
「二年Fクラス 吉井明久 VS Fクラス男子20人
日本史 672点 平均21点
姫路瑞希 Eクラス男子12人
437点 平均113点
島田美波 Dクラス男子8人
102点 平均145点
二年Aクラス 木下優子 Cクラス男子10人
311点 平均175点
女子43人 Bクラス13人
平均225点 平均212点
根元恭二
242点 」
「吉井!よく見ていろ!」
そう言って根本は召喚獣にダミーダークスパーク渡した。
「馬鹿な!観察処分か教職員でもないかぎり不可能なはずじゃないか!」
「ふっふっふ・・・・」
「ふが三つ?」
「違う!そこの線を踏むな!コイツには召喚獣を強くしてくれる効果があるみたいでな。その引き換えにフィードバックが来るらしい。そしてそれにこれを加えれば!」
そう言って根本は懐から赤いスパークドールを取り出すと召喚獣に渡しダークライブさせる。
「ダークライブ!ダークウルトラマンメビウス!」
「ナニッ!?」
「まさか・・・・・そんな!」
明久とタロウが一番驚いた。試召フィールドに現れた黒いウルトラマンメビウス、ダークメビウスが試召フィールドに君臨した。
「だったらこっちも対応するか!」
明久の召喚獣に握られたギンガスパークのクローが開きギンガのスパークドールが現れると明久の召喚獣はギンガを掴みギンガスパークにライブサインを読み込ませる。
「ウルトラーイブ!ウルトラマンギンガ!!」
明久の召喚獣は銀河に包まれギンガにライブする。
「シュア!」
「ハァッ!」
メビウスとギンガは同時に走り出すと後ろにいた召喚獣も続いて戦争が始まった。
メビウスが右キックをギンガの腹部に叩き込もうとするとギンガは左エルボで脛を叩く。
「いっっっっった!」
「これくらい軽いでしょっ!」
ギンガはダークメビウスの顔面にパンチを叩き込む。
「ゴハッ!」
根本は痛みのあまり顔を抑える。
「こ、コイツじゃダメだ!これでいく!」
そう言って根本は懐からお会いスパークドールを取り出すと召喚獣に渡す。召喚獣はライブサインを読み込みライブチェンジをする。
「ダークライブ!ハンターナイトツルギ!」
メビウスはハンターナイトツルギに姿を変える。
「ヒカリ!」
「タロウ、知ってるの?」
「ああ。彼はツルギ。過去に自分の担当していた星をある宇宙人に襲われその時救えなかった悔しさとその星に生きていた生命の恨みを身に纏った姿が今の姿、ハンターナイトツルギに姿を変えたのだ。」
「何ごちゃごちゃ話している吉井!」
ツルギがナイトビームブレードを展開してギンガに斬りかかって来るがギンガはバク転をして回避するとツルギにタックルをしてツルギを押し倒した。
「ウゴバッ!」
根本は腹を抱える。
「いくらスパークドールが強くてもそれの特性を知ってないと宝の持ち腐れだよ。」
「う、五月蝿い!」
再度ツルギのナイトビームブレードをギンガに振りかざすがギンガはギンガセイバーで受け止めるとそのまま力技でツルギのナイトブレードを下に下ろし右キックをツルギに喰らわせる。
「うぎゃ!」
「まだまだ!」
ギンガはギンガセイバーを振るうがツルギはビームナイトブレードを使いかろうじてざんげ気を防ぐ。だが脇が空くとギンガは容赦なくキックやパンチを喰らわせ確実に召喚獣にダメージを喰らわせてゆく。
その時ギンガのカラータイマーが音を立てながら点滅を始めた。
「っ!?」
『っ!?』
(やっば!残り一分しか戦えないじゃん!)
「なんだか知らないが一気にこっちが有利になったようだな!」
根本は状況を理解したのか一気にツルギで攻めてくる。ギンガは少し押され気味になる。
(こうなったら知識だけだけどやってみるか。)
ギンガは一旦ツルギから距離を置くと渾身の力を左腕に込め一気に接近、そしてツルギのビームナイトブレードに叩きつける。
「っ!」
根本はただその場に立ち尽くしてしまった。・・・・・・・いや、あえて言うのであれば
動けないのである。全身が痺れて動けなくなってしまう技、S・スクワーロの技、鮫衝撃(アッタコ・ディ・スクアーロ)を喰らわせた。《家庭教師ヒットマンREBORN!》から引用しています。
「な、何をした吉井!」
「さあ、言う義理は無いからね。一気に決めさせてもらうよ!」
ギンガは自身の腕を前に伸ばし両腕をクロスさせるとそのままゆっくりと円を描くように腕を回し左拳を右ひじに付けL字を作る。
「ギンガクロスシュート!」
ギンガはハンターナイトツルギに向けギンガクロスシュートを放った。ツルギは身動きが出来ずそのままギンガクロスシュートを喰らい爆発した。爆発と同時に明久の手元にメビウスとヒカリが飛んできた。明久はそれをキャッチし二体を確認するとギンガからライブアウトした。
「今だ!」
明久がライブアウトした隙を狙って男子数人が明久に攻撃を仕掛けようと跳んでくるが明久はギンガスパークのクローを展開するとギンガスパークを光の剣に変え召喚獣数体を斬る。
「大丈夫ですか吉井君?」
「何とかね。ありがとう優子さん。」
「アキ、なんか策はあるの?」
「あるけど少し時間が掛かるんだ。姫路さん、美波、優子さん!ちょっと悪いんだけど時間稼いで!」
そう言うと明久はしゃがみこんでスパークドールの入った鞄を探り始めた。
「吉井の動きが止まったぞ!」
「今だ!」
男子が明久の召喚獣に攻撃を仕掛けようとすると姫路たちは明久の召喚獣を護ろうと戦う。
「クソッ!何でよしいいばかりあんな待遇なんだよ!」
「リア充爆破しろ!」
男子が明久に野次を飛ばす。
「もらった!」
三人の防衛線を掻い潜り男子の一人が明久の召喚獣目掛けて武器を振り下ろそうとする。だがそれを一体の召喚獣が鎌を十字に組み防ぐ。
「何!」
「佐藤さん!」
「大丈夫ですか、吉井君?」
「佐藤さんのおかげでね。それとナイスタイミングで揃ったよ。」
「え?」
「この状況を奪回するアイテムだよ。」
そう言って明久は召喚獣にスパークドールを渡す。
「ウルトライブ!レッドキング!イカルス星人!ハンザギラン!シーゴラス!べムスターキングクラブ!バラバ!」
明久のギンガスパークの剣先には光の球体ができていた。
「いくよ!」
明久の召喚獣は戦闘が行われている場所まで飛ぶとウルトライブする。
「合体!タイラント!」
明久の召喚獣が光だし、そして試召フィールドに最強最悪の怪獣の内の一体が現れる。
かつてウルトラ兄弟を苦しめた暴君怪獣タイラントが現れたのであった。
「なんだありゃ!」
「なんか色々混じってるぞ!」
「ヤバクね?」
そんな男子の言葉に耳も傾けず明久はタイラントの口から火炎放射をする。
「ひ、火を吹いた!」
「ヤバイぞ!」
続いてタイラントは腹部から冷気を吐き出し召喚獣を凍らせると左のハンマーで召喚獣を粉々に砕く。
「ヴおい!あんなのアリか!」
「まだだ!まだ負けると決まったわけではない!」
「そ、そうだ!」
男子は諦めまいとタイラントに突撃をしてくる。
「ちょっと大雑把にやるかな?」
タイラントのハンマーにあるチェーンを伸ばすとそのチェーンを振るい男子の召喚獣を攻撃する。
「上ががら空きだぜ!」
一体の召喚獣がタイラントを頭上から狙ってくる。だがそれを姫路達は許さなかった。
「させないわ!」
優子の召喚獣がスピアを投げタイラントを素性から狙おうとした召喚獣を攻撃する。投げられたスピアは召喚獣を貫通する。
「ありがとう優子さん。」
「構わないわ。」
「それと優子さんの武器借りるよ。」
そう言うと明久はタイラントのチェーンを優子の召喚獣のスピアに絡ませると縦横無尽に振るい召喚獣を倒していった。
しばらくして全ての召喚獣を倒し終えると西村先生がきて全員補習室送りにした。これでようやく一段落つたと思った瞬間、男子が来た方から一人の女子が姿を表した。明久はその人の名を口にした。
「・・・・・清水さん?」
「気軽に声を掛けてくるなですよ、豚野郎。」
いつもと違う清水の様子に明久は不安があった。
「ここでなら思いっきり戦える。」
そう言うと清水は召喚獣を召喚する。そしてダミーダークスパークを召喚獣に渡した。
「っ!どうしてそれを!?」
「豚野郎が私の邪魔をするからですよ!」
「主旨が見えないんですけど!」
「豚野郎は美春がやろうとしていることをことごとく邪魔します。せっかく脅迫状を送ってやったのに!」
「それって・・・・・・自白してナイ?」
「うるさいです!大体、豚野郎はお姉さまにしつこく付きまとってますし!」
「お前や!」
「ましてや変な行動も取ってるし!」
「お前や!」
「どうかしていますよコイツは!」
「お前や!全てお前に当てはまる。」
明久の突っ込みに皆頷いてしまう。
「くぅ~。何処まで美春を侮辱するつもりですか!もう我慢できません!」
そう言うと清水はスパークドールを召喚獣に渡すがタロウはそのスパークドールを見て驚く。
「なっ!よせ!」
そんなタロウの言葉に耳も傾けず清水の召喚獣はダミーダークスパークにライブサインを読み込ませる。
「ダークライブ!Uキラーザウルス!」