バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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強化合宿三日目とハンティング

 強化合宿三日目の夜、懲りずにまたしてもFクラスがE,Dクラスに加えCクラスを味方につけて覗きを実行しようとしていた。明久たちにFクラスメンバーが声を掛けたが彼らは断固拒否をした。

 ここで生徒数をお浚いしておこう。Fクラス男子41人、Eクラス男子24人、Dクラス男子22人、Cクラス男子26人、計113人である。

「で、どうするつもりだ明久?」

「う~ん・・・・・僕と友也はまだ一人でも大丈夫だけど雄二たちは・・・・・」

「ですね。それにお倉は明久君が試したいことがあるため一緒に行動をしなければいけません。坂本君たちは操作技術が他クラスより長けているものの点数が劣っている点があります。」

「確かにのう。前にタロウに勉強を教えてもらったときに少しは勉強が出来るようになったがそんなすごいわけでもないしのう。」

「・・・・・良くてDクラスくらい。」

「だな。俺らは固まって行動したほうがいいな。」

「クッソー、せめて俺たちが明久のようにライブで来たらいいのに・・・・・」

「無理を言うなヒヨッコ。ギンガスパークもなければ明久がいないとギンガライトスパークもないんだ。」

「・・・・そういうことだ。だが、もし召喚獣のように戦えたらきっと最強だろうな。」

 ラッシュハンターズが近くにいると何故か安心感を抱いてしまうのはなんでかな?まあいっか。

「そろそろあいつらが動き出すから皆頑張って。」

 明久がそう言うと皆返事をし、それぞれの配置に着いた。

 

 大浴場に繋がる西塔二階の渡り廊下。明久と友也、そして高橋先生はそこで除き実行を企てている男子を阻止しようと立っていた。

「吉井、そこを通させ貰うぞ!」

「生憎だけどそうはいかないからね。いくよ友也!」

「はい、明久君。」

「お前たちがそうするのなら俺たちだってこうするぞ。いくぞ皆!」

『応!!』

「高橋先生、覗きをしようとしている男子全員に生物で試召戦争を申し込みます。」

「承認します。」

 高橋先生の承認の下試召フィールドが展開される。

『試獣召喚!』

「2年Fクラス 吉井明久&一条寺友也 VS Fクラス男子 23人 平均56点

 生物     668点 632点     Eクラス男子 13人 平均110点

                      Dクラス男子 10人 平均122点

                      Cクラス男子 14人 平均137点」

こっちにいるのは60人か。2対60だと勝ち目は無いかもしれない。でも!

「友也、ジャンボットを!」

「どうぞ。」

 友也は僕にジャンボットを渡す。

「まさか吉井と一条寺が一緒にロボットで戦うつもりか?」

「流石に無理だろ。」

 そっちが考えているよりこっちは一歩先を考えているんだよ!

「腕輪発動!召喚獣複製(コピー)!」

 明久の腕輪、光の腕輪は点数を一切使用せずに召喚獣を増やせる。召喚獣はその強化の点数植わる召喚獣の数となる。

 明久は召喚獣を四体複製する。よって明久の召喚獣一体の点数は167点となった。明久の召喚獣は一体はギンガスパーク、残りはギンガライトスパークを手にしている。

「そんな点数で俺たちに勝てるとでも思ってんのかよ!」

「舐めんじゃねえ!」

「舐めてるのはそっちだよ。だれが二対で相手するって言った?」

 明久は鞄の中からゼロ、グレンファイヤー、ミラーナイトを取り出す。

「皆いくよ!」

 明久は召喚獣にゼロ、グレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボットを渡し、ウルトライブさせる。

「ウルトライブ!ウルトラマンゼロ!」

「ウルトライブ!グレンファイヤー!」

「ウルトライブ!ミラーナイト!」

「ウルトライブ!ジャンボット!」

 明久の召喚獣はゼロ,グレンファイヤー,ミラーナイト、ジャンボットにウルトライブする。ジャンボットに関しては明久が操作している。

「いきますよ、ジャンナイン。」

「Jean Fight!」

 友也はガンパッドをガンモードにしてガンパッドのボタンを押す。すると友也の懐からジャンスターが現れ試召フィールドに出現、ジャンスターからジャンナインに変形する。

 今ここにウルティメイトフォースゼロが揃った。

「そ、そんなのありか!」

「反則だろ!」

 覗き犯の発言を無視してゼロたちは言う。

「さ~て、いっちょ暴れるか!」

「だな!燃えてくるぜ!!!!!」

「このようなやからは私たちが成敗します。」

「一人たりとてここから先を通さない。」

「敵をすべて排除する!」

「フッ!」

 ゼロが跳ぶとそれに着いて行くかのように声を出しながら他のメンバーも続いていく。

「ファイヤー!」

「ハッ!」

「ジャン、ファイト!」

「ハアア!」

 ゼロが先頭にいる召喚獣を上から右拳を振りかざして殴る。殴られた召喚獣はふっ跳ばされる。グレンファイヤーが後ろから来ると近くにいる召喚獣に左膝蹴りを喰らわせる。喰らった召喚獣は他の召喚獣も巻き込んで吹っ飛ばされる。

「グレン、もっと華麗に決めなさい!」

 そう言ってミラーナイトは上空からミラーナイフを連射して召喚獣一体を消滅させる。

「うっせーな。こんだけいたら大雑把にやっつけた方が早いだろ。」

「おいおい、随分余裕かますなこの召喚獣。」

 男子の一人が突っ込むがゼロたちは無視する。

「ジャンナックル!」 

ジャンボットはグレンファイヤーとミラーナイトの間にジャンナックルを飛ばし三体ほど召喚獣を消滅させる。

「話す暇があったら戦ったほうがいいぞ。」

「へいへい。じゃあいっちょやるか!ファイヤ~スティック!」

 グレンファイターはファイタースティックを手に取り召喚獣を次々とファイヤースティックで倒してゆく。

「Jean Missile!」

 ジャンナインはジャンミサイルを召喚獣に向けて放つ。

「ッシャア!」

 ゼロはゼロスラッガーを両手に持ち召喚獣に向かい走り出す。

「うぉらああああああああ!」

 ゼロはゼロスラッガーを振り、召喚獣を次々と倒してゆく。

「全く、相変わらずですね。」

 その戦闘を見ているミラーナイトの後ろから召喚獣三体が武器を振りかざしてくると両手をクロスさせ後ろに向くと同時にその技を放つ。

「シルバ~、クロス!」

 ミラーナイトは後ろに向かってシルバークロスを放った。放たれたシルバークロスにより一体の召喚獣は身体を四つに分断、残り二体は二つに身体を分断され消滅した。

「ジャンブレード!」

 ジャンボットは右腕のジャンブレードを展開すると召喚獣を突き刺したり斬ったりして倒してゆく。

「もうメンドクサイぜ!おいゼロ、一気に決めないか?」

「いいな。じゃあお前ら、頼むぜ!」

「おう!」

「任せてください!」

「「了承した!」」

 グレンファイヤーは両腕を交互に使いラリアットを召喚獣に喰らわせながら一ヶ所に集め、ジャンボットはジャンアックスを展開しジャンアックスの平で召喚獣を一ヶ所に集め、ジャンナインは右腕に装備されている重火器を上手く使い召喚獣を一ヶ所に集める。

 そこへミラーナイトのディフェンスミラーで全ての召喚獣を囲み身動きを出来なくする。

「ゼロ!ありったけの技をお見舞いしてヤレ!」

「応!」

 ゼロは胸のカラータイマーにゼロスラッガーを付けるとゼロスラッガーにプラズマエネルギーを溜める。

「喰らいやがれ!」

 ミラーナイトがディフェンスミラーを解除すると同時にゼロツインシュートを放った。一ヶ所に固められていたため逃げる暇は無く全て消滅した。

「う・・・・・・嘘だろ・・・・」

「た、たったの・・・・・五体の召喚獣に・・・・・・負けた?」

「そいつはチゲェな。」

 ゼロが口を開き、堂々を言い放つ。

「俺たち・・・・・・ウルティメイトフォースゼロに負けたんだ!」

 男子の方に指を指してそう言い放った。しばらくの沈黙。そしてその後から来る使者の来襲。

「戦死者は補習ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

 現実に戻された男子は補習室に送られた。

 

 一方南塔一回では雄二、秀吉、ムッツリーニの三人と姫路、美波、工藤、優子、霧島の五人を率いる女子十五人と攻防戦を行っていた。ここまでで覗きを実行しようとした男子53人中13人は補習室送りに出来てはいるものの残存戦力が粘着テープ以上に粘っていた。

「2年Fクラス 坂本雄二 VS Fクラス男子 15人 

数学     215点     平均45点

      土屋康太     Eクラス男子7人

      172点     平均103点

       木下秀吉     Dクラス男子6人

       153点     平均125点

       姫路瑞希     Cクラス男子12人

       354点     平均165点

       島田美波

       387点     

2年Aクラス 霧島翔子

       434点     

       木下優子

       411点     

       工藤愛子

       312点     

       女子15人

       平均113点              」  

「結構倒したが状況は不利だな。」

「そうじゃのう。明久に教えてもらったはよいがこの状況は劣勢じゃ。」

「・・・・・倒しても次に追い討ちをかけられたら叶わない。」

 そんな光景を見ているマグナが痺れを切らした。

「だぁ~、もう我慢ならねえ!」

「落ち着けヒヨッコ。」

「いいや!俺は試召フィールドってやらに行くぜ!」

 そう言ってマグナは試召フィールドに入り偶然にも雄二の召喚獣を重なった。

 その瞬間であった。雄二、秀吉、ムッツリーニの左手の甲に小さくではあるがライブサインが浮かび上がり小さく輝くと雄二の召喚獣が光り輝いた。

 その場にいた一同手を前にかざしその輝きを遮る。光が晴れ、雄二の召喚獣はマグナになっていた。

「お?・・・・・・・おお!」

 マグナ自体自分自身が自由に動けるようになっていることに驚く。

「うお~~~~~~~~~~~~!動けるぞ!」

 興奮するマグナ。雄二もその場にいた皆も何故こうなっているのか正直わからなかった。だがその場の空気を変えるようにガルムが秀吉に話し掛ける。

「おい秀吉!何ボサっとしているんだ!」

「っ!す、すまないのじゃ!」

「バレル、お前も出るか?」

「・・・・当然だ。」

「じゃあ行くぜ!」

 そう言ってガルムとバレルも試召フィールドの中に入り、ガルムは秀吉の召喚獣に、バレルはムッツリーニの召喚獣に近づき、そしてライブする。二人の召喚獣も光り輝き秀吉の召喚獣はガルムに、ムッツリーニの召喚獣はバレルに変わった。

 ここにラッシュハンターズが試召戦争に介入した。

「・・・・・どうやら自由に動けるようになったみたいだな。」

「そのようだな。おい坂本、戦っていいんだよな?」

 ガルムが雄二にそう聞くと雄二は我に戻り答えた。

「お、おう・・・・」

「じゃあいっちょやるか!」

「だな。」

「・・・・久々に派手にいく。」

 三人は自身の武器を取り出し構える。

「いっちょ・・・・・ハンティングといくか!」

 マグナがスティンガーサーベルを構え召喚獣に向かい走り出す。

「うおおおおおおおおお!」

 マグナは召喚獣一体にスティンガーサーベルを突き刺すとそのままスティンガーサーベルを横に振り召喚獣を裂き、召喚獣を消滅させる。

「たくっ、相変わらずスタンドプレーが好きだな。」

 ガルムは呆れながらも自分が愛用する武器、クロスショットを右手に持つと銃身を左手で支えクロスショットを召喚獣に向け放つ。ガルムの放った攻撃は召喚獣に当たり召喚獣は消滅する。

「・・・・・・」

 バレルは無言のまま右手のシザークローを出し、召喚獣に向かい走り出すと召喚獣を斬ってゆく。

「バレルの旦那、相変わらず手際がいいな。」

「ヒヨッコ、お前に無駄な動きがあんだよ。」

「んだと!」

 マグナとガルムは口論をしながらも召喚獣を次々と倒してゆく。

 バレルは宙に浮くと腰に取り付けてある腰のパーツをバージ、そしてドッキングさせ大きな手裏剣に変形させるとその技の名を叫び召喚獣に向け放つ。

「サイクロン・・・・・ソーサー!」

 サイクロンソーサーは次々と召喚獣を倒す。バレルはその間にも急降下し試サーブレードから白い光の刃を出し、召喚獣に向け振り下ろす。

「白色、破壊斬!」

 その攻撃を喰らった召喚獣は真っ二つに切れ消滅した。

「バレルの旦那もやるな。よし俺も!フォース、サ~ベル!」

 バレルはスティンガーサーベルに纏わせた怒りのオーラを出し、そのまま召喚獣の群れに向かい突進する。召喚獣は数体ほど蹴散らされる。

「まだだ!二~ドルラッシュ!」

 マグナはスティンガーサーベルを走りながら突きまくる。召喚獣の何体かは体に風穴が開いて消滅してゆく。

「まあまあやる様じゃねえか。じゃあおれもいっちょやってやるか。」

 ガルムはクロスショットにデジタル式のスコープを展開しそのスコープを覗く。

「ホークア~イ・・・・・・・・ショット!」

 ガルムのホークアイショットが召喚獣を貫き、召喚獣は消滅する。

 ガルムに向かって二体の召喚獣が武器を振りかざしてくるがガルムは後ろに反転すると二体に分身しそれぞれの召喚獣にクロスショットを喰らわせる。それを喰らった召喚獣は消滅する。

「な、なんだこの召喚獣!滅茶苦茶強いぞ!」

「どんなチートだよおい!」

 男子がうろたえているところに追い討ちをかけるかのように明久が掻け走って支障フィールドに入ってくる。

「二年Fクラス吉井明久、雄二たちを援護します!試獣召喚!」

「二年Fクラス 吉井明久

 数学     667点 」

「ゼロ!」

「おっしゃ!もっかいいくぜ!」

 ゼロは明久の召喚獣に近づくと明久の召喚獣はゼロを掴みギンガスパークを読み込ませる。

「ウルトライブ!ウルトラマンゼロ!」

 明久の召喚獣は輝きウルトラマンゼロにウルトライブする。

「っしゃいくぜ!」

 ゼロは召喚獣に向かい走りだしそのままゼロキックを召喚獣に食らわせる。ゼロは左腕に付けているウルティメイトブレスレッドを輝かせ自身の姿を赤く変える。

「ストロングコロナゼロ!」

 ゼロはストロングコロナゼロへと姿を変える。

「うおおおお・・・・・・らぁ!」

 ゼロは召喚獣の群れに向かうと敵の武器を壊しながら召喚獣を次々と殴り倒してゆく。

「ちょっと荒っぽいがいくぜ!」

「おお!俺も続くぜ!」

 ゼロとマグナは共に並び構える。

「ガルネイド、バスター!」

「ブレイズインパルス!」

 ゼロは炎上の強力光線を右拳か突き出し召喚獣に放ち、マグナは全身にエネルギーを溜めると超加速をし強烈なタックルを召喚獣に喰らわせる。

「ほ~、力技も得意そうだな。」

「へっ!俺は力技が主流だがこんなも出来るぜ!」

 ゼロはウルティメイトブレスレッドを輝かせ自身の姿を蒼く変える。

「ルナミラクルコロナゼロ!」

 ゼロはストロングコロナゼロからルナミラクルコロナゼロへと姿を変える。

「ハァッ!」

 ゼロは高速で動き召喚獣に近づくと連続してパンチとキックのコンボを叩き込む。

「オラァアアアアアアアアア!」

「・・・・これは出来るかな?」

 バレルはゼロの攻撃を見るなり自身を分身させシザーブレードを使い召喚獣を次々と倒してゆく。

「俺はこんなことも出来るぜ!」

 そう言うとゼロは上昇すると人差し指と中指を立てながら額に当てその技の名を裂き美ながら指を目標の召喚獣に向け放つ。

「ミラクルゼロスラッガー!」

 ゼロのメタルブルーに染まっているゼロスラガーを複数に分身させ召喚獣に向け放つ。放たれたゼロスラッガーは召喚獣を次々と斬りそして消滅させた。そしてゼロスラッガーを自身の下に戻すと元のゼロの姿に戻り両手のゼロスラッガーをゼロツインソードへと形態変化させるとそのまま召喚獣の方へと走り出し縦横無尽振り回し召喚獣を倒していった。

 

 そして数分後・・・・・

「馬鹿な・・・・・」

「たった四体の召喚獣に・・・・・・・・」

「全滅・・・・・・だと!」

 あまりの惨劇に現実でないことを誰もが思ってしまった。たった四人の召喚獣、そのうち三人はC,Dクラス並みの点数しか有していない召喚獣の集団に負けたのだから。

「さ~て、貴様らはこの後どうなるか分かってるな?」

 覗きをしようとした男子一同後ろを振り返るとそこには西村先生が腕組みをしながら仁王立ちをして彼らに語りかけていた。

「さ~て戦死者は?」

『ほ、補習ですか?』

「ああ。」

 西村先生は笑顔でそう言った。男子一同抵抗はせずそのまま同行した。もはや彼らに安息の地は無いのであろう。

 


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