男子の覗きを友也と防いで風呂に入った僕らは自分達の部屋に戻った。
「おお明久、友也よ。お帰りなのじゃ。」
「ただいま、秀吉。」
「ただいま戻りました。」
「おお、明久。さっき外が騒がしかったが何かあったのか?」
雄二が僕に聞いてきたから僕はあったままのことを話した。
「マジでか・・・・・・」
流石の雄二も頭を抱えているよ。まあ、僕も昔あんな頃があったけど。
「・・・・あきれた連中だ。」
「確かにのう。」
ムッツリーニまでもか・・・・相当だね。
「で、やっつけてきたのか?」
「うん。友也と一緒に倒したしね。」
「とは言ってもほとんどは明久君の助けがありましたが。」
友也が僕のこと持ち上げてくれてる。ちょっと恥ずかしいね。
そんなことをしていると僕らにタロウが話し掛けてきた。
「坂本君、そろそろ五人を呼んできても言いかね?」
「ああ。・・・・・・んっ!?五人!」
「では呼んでくる。」
「あ、おいっ!」
雄二が止める暇も無くタロウはウルトラテレポートをした。
「どうしたのさ雄二?」
「さっきタロウが五人って言ってたろ?」
「うん。」
「翔子に姫路に島田に木下、後一人が誰か分からないから心配なんだ。」
「大丈夫だよ。きっと五人目は・・・・」
明久が言い掛けた瞬間タロウが五人を連れてウルトラテレポートをして部屋に戻ってきた。
「工藤さんだから。」
「なるほど。それで内密にして欲しかったのね。」
優子さんが代表して納得の言葉を口にした。
僕が脅迫状を受け取ったことを女子の皆に話したら皆積極的に協力してくれたよ。
「ねえ吉井君。」
「なに、工藤さん?」
「どうせ手伝うんなら報酬はくれるよね☆」
『ほ、報酬?』
僕らは工藤さんの言った事がよく分からなかった。確かに報酬は誰でも欲しいと思うけど僕らにお金払えとでも言うのかな?
「ちょっと工藤、報酬って何が欲しいのよ?」
「う~ん・・・・・・・写真。」
『写真?』
「そ。自分が一緒に撮りたい人との写真。それくらいならいいよね。」
確かにそのくらいなら大丈夫だね。僕らもそのくらいなら・・・・・・・・何で雄二が額からいやな汗を掻いているのだろう?
「どうしたのさ雄二。」
「どこか体調でも悪いのですか?」
「お前ら・・・・・・分かるだろ?」
『いや、全然。』
僕と友也が否定すると雄二は両手両膝を床に付く。なんで?
「吉井君はそれでいいかな?今坂本君口聞けそうにないから。」
「僕はいいよ。ムッツリーニ、写真地とってあげるのくらいいいよね?」
「・・・・・問題ない。」
「だって。」
その言葉を聞くと姫路さんと美波と優子さんの表情が明るくなった。霧島さんも表情に出してないけど頬を若干赤らめているよ。嬉しいんだね。
「じゃあ吉井君からやった方がいいね。」
工藤さんのそのこと言葉を聞いて姫路さんと美波と優子さんがジャンケンを始めたけど・・・・・なんで?
「なあヒヨッコ、明久ってある意味天才なのかもな。」
「ちげぇねぇ。しかも筋金入りだ。」
「・・・・ここまででそれに気付かないとは・・・・・・・・ある意味恐ろしいな。」
何でラッシュハンターズがあきれた言葉を僕に投げかけるの!
ジャンケンの結果最初は美波が最初になった。
「吉井、変なところ触るんじゃないわよ!」
「うん。」
美波は顔を少し赤くしながら僕にそう言ってきた。風邪かな?
「・・・・もっと近づいてもいいぞ。」
ムッツリーニがそういうから僕は美波に少し近づく。
「・・・・・っ!?」
あ、また顔が赤くなった。
「う~ん、記念撮影には少し物足りないね。」
「・・・・確かに。」
工藤さんとムッツリーニの息が合っているね。でも女子との記念撮影にそこまで執着するの?
「ねえ吉井君、美波ちゃんの肩に手を回してみてよ。」
「ちょっ、愛子!」
「別にいいよ。」
「吉井!」
工藤さんに言われて僕は美波の方に手を回すと僕と美波の顔が目と鼻の距離まで近づいた。ちょっと美波の髪がくすぐったいかな。シャンプーの香りもする。
次は優子さん。優子さんの髪って癖が無くていい髪してるね。
「よ、よろしくね。」
そう言って優子さんは僕の隣に座って一緒にムッツリーニの写真を受ける。
「・・・・・少し足りないな。」
「だね~。吉井君、優子の後ろに回って腕を回してみて。」
「ちょっ!愛子!」
「?まあいいけど・・・・」・
工藤さんに言われて僕は優子さんの後ろに回ると「失礼します。」と言って腕を回す。
(よあ、明久君の吐息が掛かってく、くすぐったい/////////)
優子さんは少し顔を赤らめる。
「大丈夫、優子さん?」
「ふひぇえ!?だいひょうふ!?!」
最後は姫路さん。姫路さんの髪って結構柔らかい感じがしていていいよね。」
「よ、よろしくお願いします明久君/////」
「よろしくね、姫路さん。」
「・・・・・撮影するぞ。」
ムッツリーニの言葉を合図に写真撮影を始める。正直姫路さんとここまで近い距離で一緒にいるのってFクラスにいてとなりの席に座っている以外なかったからね。
「ねえ吉井君、少し正座になってくれる?」
「ん?いいよ。」
工藤さんに言われて僕は正座をするけど・・・・・・なんで?
「ねえ姫路さん、吉井君の膝枕貰ってみる?」
「ふぇえ!」
「別にいいけど・・・・・・姫路さんもいい?」
「よ、吉井君がいいのなら・・・・・ゴニョゴニョ・・・・」
「ん?何姫路さん?」
「な、なんでもないです!はい!お、お願いします!」
姫路さんは僕の膝枕におそるおそる寝てくる。これって逆でも嬉しいことあるよね。
(よ、吉井君に膝枕してもらえるって・・・・・嬉しいです。)
次は雄二。相手はもちろん霧島さん。
「・・・・・雄二、一緒に写真撮れて嬉しい。」
「あ~、はいはい。」
雄二はやる気の無い返事をする。霧島さんが積極的に雄二に近づいて一緒に写真を撮る。雄二は胡坐を掻いてるから・・・・・・・・・そうだ!
「ねえ霧島さん。」
「・・・・何、吉井?」
「どうせなら雄二の上に乗るってのはどう?」
「・・・・肩車するってこと?」
「いやいやいや、そうじゃなくて雄二が今胡坐を掻いているでしょ?その上に乗っていることだよ。」
「おい明久!それは俺に対する嫌がらせか!」
「何言ってるのさ雄二。こんな綺麗な人が自分の上に乗ってくれるなんて滅多に無いことじぁないか。」
「お前は他人事だからそんなこと言えるよな!」
「・・・・・雄二、乗るね。」
「待て翔子!俺は許可したおぼ目潰し~~~~~~~~~~~~~!」
霧島さん派雄二に目潰しをして雄二を無力化する。あき変わらず手際がいいよね、霧島さんは。
手加減をしたのか雄二の視力はすぐに回復した。こういうところは雄二はすごいよね。
「じゃあムッツリーニ君、一緒に撮ろっか。」
「・・・・何故そうなる。」
「え~、だって僕だけ報酬がないのってイヤだよ。」
「・・・・他にいないのか?」
「いないよ☆」
工藤さんはムッツリーニと一緒に写真を撮りたいようだね。
「土屋君、僕が写真を持つので工藤さんと一緒に撮られてください。」
おっ、友也が積極的に出てきた。以外だな~。友也ってこういうのにあまり出ない方かと思ったよ。友也はムッツリーニからカメラを受け取ってレンズに目を通す。
「・・・・鼻血は出さないのか?」
バレルが冷静に状況を分析する。確かにムッツリーニなら近づかれた瞬間すぐに鼻血を出すね。
「でしたらこれを飲んではどうですか?」
そう言って友也はポケットから一本の小瓶を取り出した。
「試作段階の薬で味の保障は出来ませんが一種の鎮静剤です。」
「・・・・わかった。」
友也に渡された薬をムッツリーニは受け取って栓を開けると一気に飲み干した。
「・・・・化学薬品味。」
あ、たまにあるよね。栄養剤でも美味しい商品とまずい商品があるからね。
「じゃあ一緒に写真を撮れるね。よろしくね、ムッツリーニ君。」
「・・・・わかった。」
ムッツリーニに工藤さんは積極的に近づいて一緒に写真を撮った。もしかして工藤さんってムッツリーニのこと・・・・・・・いや、僕の予想が当たるわけないよね。
「じゃあ強力よろしくな。」
雄二がそう言うと皆返事をしてくれた。
「なあ明久よ。」
「なに、グレンファイヤー?」
「お前さんの腕輪ってさ、確か召喚獣を増やすことが出来るんだよな?」
「うん。それが?」
「そこで考えたんだが・・・・・」