バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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自己紹介

「吉井君、この自習用のプリントをホッチキスで止めてください。」

「わかりました。」

「吉井君、これを運んでください。」

「わかりました。」

 こんな感じで明久は観察処分の仕事をこなしている。明久が観察処分お仕事をしているとちらほらと聞こえてくる言葉がある。

「しかし吉井君のやった行動は正しかったですね。」

「後で島本先生がクビになったそうですよ。何でも一条寺君が録音してたみたいですよ。」

 ・・・・・・友也、やることが相変わらずえげつないね。

 観察処分の仕事を終え明久はFクラスの方へと向かおうとしていると智也の背中が見えた。

「友也。」

「っ!明久君、おはようございます。」

「うん。おはよう。」

 明久は友也に声を掛け、近寄る。

「おはよう、友也。」

「おはようございます、タロウ。」

「明久、おはよう。」

「おはよう明久。」

 友也の肩からスパークドール状態のジャンボットとジャンナインが挨拶する。

「おはようジャンボット、ジャンナイン。」

「もしかして友也がやったの?学園にリークしたのって。」

「はい。」

「やっぱりか。友也は何処のクラス?」

「Fクラスです。どうせなら君と一緒のほうが面白そうですからね。」

「そっか。あ、そうだ。」

「何か思いついたんですか?」

「どうせなら他のクラスの設備でも見に行かない?」

「時間も近いのにですか?」

「Fクラスだから一人いなくても気付かないよ。」

「それもそうですね。」

 明久と友也はAクラスのほうを窓から見る。

「何このクラス・・・・・」

「明らかに予算の使い方を間違っていますね。」

 五人がAクラスの設備を見て呆れていた。エアコンに紅茶、コーヒーを既に完備。おまけに生徒一人一人にノートパソコンが設置されている。窓外から見える人の中に教卓に立ち挨拶をしている日本人形のような髪をした綺麗な女性がクラス代表のようだ。

「ねえ友也、あの人誰か解る?」

「確かあの人は霧島翔子さん。男子からは結構な人気があり、何十人もの男子が告白しに来ますがことごとく振っているそうです。一部であっち系の噂もされています。」

 あ、あっちの方って・・・・・それはまたすごいな。

「おい二人とも、早く行かないか。」

「あ、忘れてた。」

「行きましょうか。」

 タロウに注意され二人はFクラスの方へと向かった。

 

「ねえ友也、僕は夢を見ているのかな?」

「いいえ、僕にも見えますよ。しかしこれは流石に・・・・・・」

「目を疑うな。」

「理解不能だ。」

「兄さんに同意する。」

 五人が見ているFクラスは見るに絶えない有様だった。ボロボロの2-Fはもはや教室とはいえない代物だ。

「と、とりあえず入ろうか。」

 明久はFクラスの扉を開ける。

「遅れてすみま「早く入れ、蛆虫。」」

 ビュン

「おわっ!」

 いきなり見覚えのある赤髪が僕のことを悪く言ったすぐ後に友也がガンパッドをガンモードにして撃った。結構危ないよ、友也。

「人を侮辱するのも大概にしておいてください、坂本君。」

「お、おいあぶねえな・・・・・・・ってなんで一条寺がいるんだ!」

「僕もFクラスの生徒だからです。」

「そ、そうか。」

「ところでなんで雄二が教卓に突っ立っていたの?」

「ん?それは俺がここの代表だからだ。」

「そうですか。坂本君、席はどこですか?」

「適当に座れ。」

「「席すら決まってないのかよ(ですね)。」」

 二人が息をそろえて突っ込むと後ろから声がしてきた。

「すみません、通してください。」

「「あ、すみません。」」

 三人は席に座る。

「え~、担任の福原慎です。皆さん卓袱台と座布団は支給されていますか?」

「はい。卓袱台の足が折れています。」

「後で木工用ボンドを支給します。」

「はい。座布団に綿が入っていません。」

「我慢してください。」

「はい。窓が割れていて寒いです。」

「後でビニール袋とセロテープを支給するので我慢してください。」

 まさかここまでと・・・・・流石に酷すぎる。

「明久君、僕に考えがあるのですが。」

「多分僕とおんなじ考えとだと思うから後で雄二と相談しよう。」

「そうですね。」

 二人が話している間に福原先生は話を進めていた。

「では皆さん、自己紹介をお願いします。まずは一条寺君からお願いします。」

「はい。」

 友也は返事をして立ち上がり教卓に立った。

「僕の名前は一条寺友也です。特に趣味はありません。」

 相変わらず口数が少ないな、友也は。

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておるぞ。」

 木下優子さんだっけ?たしかAクラスに所属していたっけ。顔がそっくりでよく女に間違われることが多いって言ってたっけ。同情する。

「―――美波です。趣味は吉井を殴ることです☆」

 い、今の声って・・・・

「はろはろ~。」

「し、島田さん・・・・・」

 やっぱり島田さんだ。いつも良く殴られんだよな~。

「・・・・土屋康太。趣味はとうさ・・・・・特に無い。」

 ムッツリーニは相変わらず否定するんだよね。

「吉井君、次は君の番ですよ。」

「はい。」

 明久は教卓に立つ。

「吉井明久です。趣味はトレーニングと料理です。」

 明久が自己紹介を終えると丁度扉が開いた。

「お、遅れて・・・すみません。」

『え!?』

 クラスの誰もが(明久と雄二と友也以外)入ってきた人物に驚く。

「丁度良かったです。姫路さん、自己紹介をお願いします。」

「はい。姫路瑞希です、よろしくお願いします。」

「はい。」

「なんですか?」

 Fクラスの一人が手を上げて質問をする。

「どうしてこのクラスにいるんですか?」

「振り分け試験日に熱を出して・・・・」

「あ~、そういや熱があったな~。」

「あれは化学だろ。確かに難しかったな。」

「試験の日に弟が風邪を引いてな。」

「黙れ一人っ子。」

「前日に彼女が寝かせてくれなくてな。」

「「「「今年最大の嘘をありがとう。」」」」

・・・・・・友也も呆れてため息を吐くほどのバカップリだ。

「皆さん、静かにしてください。」

 福原先生が教卓を叩いた瞬間、木の部分がバキバキと壊れた。嘘だろこれ。

「失礼、替えの教卓を撮ってきます。」

 福原先生は壊れた教卓を持って教室を出て行く。

「よ、吉井君。おはようございます。」

「おはよう、姫路さん。もう身体は大丈夫?」

「は、はい。大丈夫です。」

 姫路は明久の顔を見て紅くなっている。友也はその光景を横から見て溜息を吐いている。

(明久君は相変わらず鈍いんですね。)

「すまんな姫路、こいつの顔が不細工で。」

「ちょっと雄二!それどういうこと!」

「そのまんまの意味だ。」

「そ、そんなこと無いですよ。吉井君の顔細くてすらっとしてますし目も綺麗ですし・・・・」

(ほほう、この子は明久にあれか。)

 なんかタロウが小声で何か言ってるみたいだけど何を言ってんだろ?

「あ、雄二、友也。少し話があるからちょっと外に。」

 明久が立ちあがり廊下に出ると雄二と智也も続いて外に出る。

「なんだ明久?」

「明久君、僕もありますよ。」

「「雄二(坂本君)、試召戦争をしよう。」」

「なんでだ?」

「姫路さんの健康がさっき思ったこと。」

「僕は流石にこの環境で勉強するのがイヤだからです。畳も腐ってますし。」

「お前たちの気持ちはわかった。俺も個人的に試召戦争しようと思ってな。」

「なら話が早いですね。お願いします。」

 明久と雄二と友也は教室に戻った。

 福原先生が呼びの教卓を持って戻ってきた。

「坂本君、あなたが最後です。」

「う~す。」

 雄二は教卓に立つ。

「Fクラス代表の坂本雄二だ。さて皆に聞きたい。この設備に不満は無いか?」

「「「大有りじゃ~~~~~~~~~!!!」」」

 うおっ!皆の心が一つになった。

「そうだろう。だから俺たちは試召戦争を仕掛けようと思う。」

 




キャラ紹介
吉井明久
男性 17歳
本編と同じ。タロウのおかげでAクラス並の成績を持っている。召喚獣は学ラン姿で手にはギンガスパークを持っている。更にとんでもない能力があるがそれは本編で。

一条寺友也
男性 17歳
設定はウルトラマンギンガと同じ。使えるスパークドールはジャンボットとジャンナイン。
召喚獣は友也の私服姿と同じ。手にはガンパッドを持っていて試召戦争の際に使うことが可能。

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