「Fクラスが女子風呂を覗こうとした?くっくっく、これに乗じて復讐してやる。坂本の奴も罠に掛けて貶めてやる。」
「あ~ら、ア・ナ・タ相変わらず諦めてないのね。」
「うお!」
Bクラス代表の根本が策を企んでいると後ろからナックル星人グレイが近づいてきた。
「またお前かよ!前お前が力くれたけど全く坂本の奴を懲らしめられなかったぞ!」
「それはアナタが何の考えも無いのに攻撃していくからよ。」
「五月蝿い!それにあんな奴よりも強い力をよこせ!そして邪魔な吉井を消した後で坂本を懲らしめてやる!」
「う~ん、いい考えね。で・も☆」
グレイは扇子閉じ、先を根元の首元に当てる。
「あなたは忘れてない?あの吉井明久にはウルトラマンギンガがあるのよ。あの力を出す前に倒そうにも彼は他のスパークドールも上手く状況に応じて使い分けるわ。」
「じゃ、じゃあどうしろと!?」
「簡単よ。一人じゃなくって二人で戦うのよ。」
「ふ、二人!?もう一人誰だよ!」
「それは~~~~~~~、この方で~す☆」
「お、お前は!?」
根元はその姿を見て驚きを隠せなかった。
強化合宿二日目の勉強時間、AクラスとFクラスが一緒に同じ部屋で勉強していた。これの目的は互いの勉強意欲の向上を狙ったものだ。だけどFクラスに効果があるとは思えない。理由は昨日西村先生の補習を麻まで受けたからだ。ほとんどのFクラスの生徒が転寝をしている。
「・・・・雄二、一緒に勉強できて嬉しい。」
「俺から降りろ!」
霧島さんは雄二の膝の上に座って一緒に勉強している。夫思いの奥さんだね。
「おい明久、今なんか変なこと考えなかったか!」
「何を言うのさ雄二。そんな綺麗で誰から見ても羨ましい彼女が一緒に勉強したいといっているんだからどこの誰が見てもお似合いのカップルだよ。」
「まだ彼女じゃねえ!」
あ!今墓穴掘った。“まだ”って強調してたからいずれはって考えだね。
「あっ、代表ここにいたんだ。」
今度は工藤さんと優子さんが来た。Aクラスで仲がいい人って佐藤さんを含めて四人くらいしかいないよ。
「あ、吉井君。ちょっと。」
優子さんに手招きされて僕は優子さんに近づく。
「これ昨日女子の脱衣所で見つけたの。」
優子さんが手に隠し持っていた小型カメラをと僕に見せた。僕は思わず声を上げてしまいそうだったがそこは何とか堪えた。僕と優子さんは小声で話し始めた。
「これを何処で?」
「最初にカメラが見つかった場所。でも確信がなかったから小山さんには見せていないわ。」
「わかった。実は少し協力して欲しいんだけど。後で姫路さんと美波も一緒に呼んで僕らの部屋に来てくれる?」
「ふえ!?へ、部屋じゃないとダメなの?」
「うん。僕たちの今こうしている姿をなるべく人に見られたくないから。」
「わ、わかったわ////////」
なんでか優子さんは顔を赤くしたけどなんでかな?
その後優子さんとの話し合いで僕たちの入浴後に話すことになった。何でも三人で話し合った結果風呂の後が言いそうだけど・・・・・・・なんで?ついでに言うとその話を親切に霧島さんに教えたら雄二が照れ隠しをしたけど「してねぇ!」今聞こえた変な声は無視して霧島さんも一緒に部屋に来ることになった。タロウがウルトラテレポートでつれてくるって話してくれた。流石に西村先生に見つかったらマズイしね。
「明久君、そろそろ入浴にいきませんか?」
「ん?そうだね。雄二たちはどうする?」
「俺たちはまだいいわ。」
「・・・・同じく。」
「わしはもう行ったからいいのじゃ。」
「じゃあ行こうか友也。」
「そうですね。」
そう言って僕と友也は入浴セットを手に持って風呂場に向かった。
『そこを通させてもらうぞ!』
『覗きをさせると思わないことね!』
友也と一緒に風呂に向かっていると階段下から声が聞こえてきた。僕と友也がその状況を確認するため駆け下りると女子二人と男子二人が試召戦争を行っていた。
「おお吉井、お前たちも同じ仲間なら分かるはずだ!助けてくれ!」
「いや、いきなり何を言われても分かる人はいないと思うよ!」
「じゃあ俺が説明するぜ。今D,E,Fクラスは共同で女子風呂を覗こうとしているんだ。」
「それに協力しろと?」
「「そうだ!」」
明久はあきれたあまり溜息を吐く。
「ゾフィー。」
僕がそう言うとゾフィーが明久の左手に現れ明久はそれを手に取り試召フィールド飛び込み召喚獣を召喚する。
「試獣召喚。」
「2年Fクラス 吉井明久
数学 651点」
それと同時にゾフィーを僕の召喚獣に渡す。
「ウルトライブ!ウルトラマンゾフィー!」
僕の召喚獣がゾフィーにウルトライブする。
「よ、吉井君も参戦する気!」
「うん。女子側にね。」
『・・・・・・・へ?』
僕の言葉に友也以外の皆は間抜けな声を出す。
「ゾフィー!」
「ジュワァ!」
ゾフィーは足場を蹴り、男子二人の召喚獣に一直線に近づくと右性拳突きを正確に召喚獣に叩き込んだ。二人の召喚獣は消滅した。
「「・・・・・・・・へ?」」
男子二人はまたしても間抜けな声を出すけどすぐに現実に戻してくれる。
「戦死者は補習~~~~~~~~~~~~!!」
補習担当の西村先生が駆けつけて二人を補習室送りにする。二人は悲鳴を上げるがその声は空へと消えていった。
「すみません、一つ聞いてもいいですか?」
「え?あ、はい。」
友也が一人の女子にいきなり質問をする。まあ今の状況だったら仕方ないよね。
「ここ以外に戦っている場所は何処ですか?」
「えっと・・・・・確か西の二階と東の三階だったかな?」
「わかりました。どうもありがとうございます。」
そう言うと友也は一礼して僕に話しかけてくる。
「明久君、僕は西塔を担当しますので君は東塔をお願いします。」
「わかった。」
そして僕はゾフィーを回収して東塔、友也は西塔に向かった。
東塔では男子27人、女子24人の攻防戦が行われていた。
「うわ!結構状況は女子の方が不利そうだね。ダイナ!」
「分かってるぜ!」
明久は戦場の中に飛び込む。
「2年Fクラス吉井明久、女子側に味方します。試獣召喚!」
「2年Fクラス 吉井明久
現代文 642点 」
僕の召喚獣が試召フィールドに現れるとダイナは僕の召喚獣に近づき僕は召喚獣にダイナを掴ませウルトライブさせる。
「ウルトライブ!ウルトラマンダイナ!」
僕の召喚獣はウルトラマンダイナにウルトライブする。
「ハッ!」
「吉井!仲間じゃないのか!」
「学園生活送るのに変態のレッテル貼られて過ごすよりマシだよ!」
僕がそう言うとダイナも頷いた。
「だがこの数なら勝てる見込みはあるぞ!」
『そうだ!』
ある賢人が言っていた。戦いは質より数というときもある。
「イケエ――――――――――!」
男子の召喚獣5体ほど接近してくる。
しかし、いかに数が圧倒していようとも個々が互いの性質を理解しておらず突っ込んでくるのは返って質に負ける。
「ハッ!」
ダイナは宙を舞い右腕に光を溜め込み一気に横に右腕を振りビームスライサーを召喚獣五体を一掃する。
『なっ!』
男女共に驚きを隠せなかった。
「ま、まだこっちに負けが傾いたわけじゃないぞ!」
(明久、タイプチェンジ見てみるか?)
(タイプチェンジ?見せてよ。)
ダイナは胸の前で両腕を交差させ額の水晶体に力を集中させる。
「フ~・・・・・・・・ダァッ!」
ダイナは一気に両腕を広げると額の水晶体から身体の色が青に変わる。ダイナはミラクルタイプに姿を変化させる。
「色が変わったぞ!」
「臆するな!色が変わったからといって何かが変わるわけじゃない!」
「そ、そうだ!」
召喚獣六体がダイナを取り囲む。
「フッ!」
ダイナは一気に六人に分身、ウルトラマジックをする。
『んな馬鹿な!?』
続けざまに驚きを隠せない男子。だがダイナはそんなことお構い無しに召喚獣に格闘技コンボを喰らわせる。召喚獣は反撃する暇も無く攻撃を受ける。ダイナが召喚獣を掴むと同時に上昇、一ヶ所にまとめるように放り投げる。ダイナは一つとなるとフラッシュサイクラーを放つ。召喚獣は消滅する。
「これで11体・・・・・・勝てる自信が無い。」
「だがまだだ!」
残り16人になっても戦気を失っていない男子。そこを勉強に活用しようとしようよ。
ダイナは床に着地すると腕を胸の前で交差させて額の水晶体に意識を集中させ一気に両腕を広げる。
「フ~・・・・・シュアッ!」
ダイナのからだの色が赤く変わりストロングタイプへと姿を変える。
「赤くなったぞ!」
「なんか身体も一回り大きくなってないか?」
ウルトラマンのタイプチェンジにおいてそれぞれのタイプの特性は身体に現れる。フラッシュタイプは一般的ウルトラマンと同等の姿、ストロングタイプはその力を象徴するかのように身体が一回りほど大きくなる。ミラクルタイプは身体が一回りほど細くなる。
ダイナは力強く一歩一歩召喚獣に向けて走り出す。気のせいだろうか少しばかり足元から振動が伝わってくる。
「ハアアアアアアアアアア・・・ダァア!」
ダイナが右拳を作って右腕を大きく振りかぶり召喚獣に一発叩き込む。叩き込まれた召喚獣は吹っ飛ばされてフィールド外に出てしまう。
「コイツ力強いぞ!」
一体の召喚獣がダイナに接近し剣を振り下ろそうとするがダイナは上に少し跳び両脚キックを喰らわす。召喚獣は他の召喚獣4体ほど巻き込んで消滅する。
「うぉい!コイツ何なんだよ!」
「半端無いぞ。」
ダイナは空を飛び召喚獣から距離を置くと額の水晶体に意識を集中させフラッシュタイプに変わると両手で十字を組みソルジェント光線を放つ。次々と召喚獣が消滅してゆく。
「おい!何とかなら無いのか!」
「無理言うな!あんな光線技防ぐ術ないだろ!」
「あっ!俺のまでも殺られた!」
そして全ての召喚獣が消滅した。
「戦死者は補習~~~~~~~~!!!!」
『ぎゃああああああああああああああああああああああ!』
断末魔の叫びが東塔に響き渡った。
「えっと・・・・・吉井君?」
女子の一人が僕に話しかけてくる。
「何?」
「どうして・・・・・・・・助けてくれたの?」
「へ?助けるのに理由っている?」
「えっと・・・・・その・・・・・・なんて言うか・・・・・・」
上手く言い表せなかった。同じ男子なのになんで女子を助けてくれるのか?彼は観察処分というなのレッテルを貼られた文月学園で唯一の男子だ。彼らと同じ行動をとってもおかしくないのにどうして彼はそこまでしてくれるのかと。
「う~ん・・・・・・助けたいと思ったからってのはダメかな?」
「・・・・・・それだけ?」
「うん。それにゆっくり風呂に入りたいしね。」
明久の手に握られていたお風呂セットを見ると何故か納得できた。
「じゃあ西塔の方行ってくるね。友也の援護も兼ねて。」
そう言って僕はその場から去った。
所変わって西塔。友也が駆けつけると男子50人、女子22人と女子が不利になっていた。
「ジャンナイン、行きますよ。」
「了解した。」
友也は師匠フィールドの中に飛び込み叫んだ。
「一条寺友也、男子全員に試召戦争を挑みます!試獣召喚!」
「二年Fクラス 一条寺友也 VS Dクラス13人 平均125点
世界史 565点 Eクラス9人 平均114点
Fクラス28人 平均34点 」
「一条寺、裏切る気か!」
「裏切るも何も僕はそもそも貴方達と仲間になった憶えはありません。まして覗きとなったらとめるのがベストです。」
友也はそう言いながらガンパッドを取り出すとボタンを押した。
「Come on! Jean nine!」
発音のいい電子音と共に友也の懐からジャンスターが現れ変形、ジャンナインに姿を変えた。
「いきます。」
ジャンナインは右手に備え付けられた重火器を召喚獣に向けると容赦なく連射する。
「気をつけろ!あの召喚獣飛び道具が多いぞ!」
「固まったらすぐに殺られる!散開しろ!」
男子の誰かが発した指示の下、召喚獣を散開させ、ジャンナインを取り囲む。友也はすぐさま女子に指示を出す。
「すみません。女子の皆さんはすぐに試召フィールドから出てください。少々荒技を使うので巻き添えを喰らうかもしれないので。」
女子一同ともやの指示に従いフィールド出る。
「この場合僕の指示に従ったので彼女達は戦死したことにはなりません。」
「さすがだな。だがどうやってこれだけの数を倒すつもりだ?」
「簡単です。こうすればいいんですから。」
そう言って友也はガンパッドのボタンを押す。
「Jean flasher!」
ジャンナインが左にきりもみ回転をしながら胸部のジャンフラッシャーを連射する。ジャンフラッシャーはきりもみ回転しながら発射されているため男子の召喚獣は回避できずに攻撃を受ける。
が、一発一発の威力が低いためたいしたダメージにはならなかった。一部Fクラスを除いて。
「クソ!これでFクラスが10人殺られた!」
「だが諦めるな!」
10体ほど召喚獣がジャンナインの頭上に、もう10体がジャンナインの周りから一斉に向かってくる。友也はガンパッドのボタンを押す。
「Jean star!」
ジャンナインはジャンスターに変形しその場か一気に離脱し頭上にいた召喚獣の上を飛行するとそのまま重火器で宙を跳んでいる召喚獣10体を攻撃し消滅させると友也はガンパッドのボタンを押す。
「Jean fight!」
ジャンスターはジャンナインに変形する。
「友也!」
「明久君、丁度言いところに来てくれました。」
「どうやらまだ殺られてないみたいだね。」
「ええ。共闘しましょう。」
「OK!試獣召喚!」
「二年Fクラス 吉井明久&一条寺友也 VS Dクラス8人 平均143点
世界史 635点 565点 Eクラス7人 平均102点
Fクラス15人 平均41点 」
明久は召喚獣にコスモスを渡す。
「ウルトライブ!ウルトラマンコスモス!」
明久の召喚獣はウルトラマンコスモスにウルトライブする。
「フアッ!」
コスモスとジャンナインは構える。
「吉井まで加わったか・・・・・・」
「だが臆するな!」
一体の召喚獣がコスモスに向かい剣を突く。コスモスは左手を剣の地肌に沿える様に流し、右チョップを召喚獣の首筋に当て召喚獣を倒す。
「にゃろ!」
2体の召喚獣がコスモスの両サイドから接近し拳を突いてくるが越すも明日は両手を横に伸ばし2体の拳を止めると二体の召喚獣の腹部に平手押しを叩き込む。2体の召喚獣が体制を崩したところをジャンナインに右腕の重火器が追い討ちをかけ2体を消滅させる。
「一気にいくよ!」
明久の言葉を合図にコスモスは右手に太陽の様な輝きをしたエネルギーを溜め、一気に頭上に振り上げるとコスモスの周りを太陽の輝きが包み込む。コスモスは右手に左手を沿え、ゆっくりと下ろすとコスモスの身体を青と赤の光が輝きコスモスの姿を変えた。
コスモスコロナモードであった。
「ハァッ!」
コスモスとジャンナインは同時に召喚獣に向かい走り出す。
1体の召喚獣が剣を振り上げたところを左エルボーを叩き込み召喚獣の動きを止め、右製拳突きを叩き込み召喚獣をふっ跳ばす。
ジャンナインに2体の召喚獣が一列に並んで接近してくるとジャンナインは右ラリアットを前方の召喚獣に叩き込み体制を崩す。
「Jean buster!」
後ろにいる召喚獣にジャンバスターを放った。ジャンバスターを喰らった召喚獣は消滅する。
「Jean Knuckle!」
ジャンナインは倒れている召喚獣にジャンナックルを喰らわせる。召喚獣は避ける暇も無くその攻撃を喰らい消滅する。
「か、格が違いすぎる!」
「このままだと殺られるぞ!」
「友也!」
「わかっています。」
友也はガンパッドのボタンを押す。
「Jean stardust!」
「ジャンスターダスト!」
「コスモス!」
「ジュァアッ!」
コスモスは胸の前でエネルギーを集め、両腕を横に広げるとゆっくりと反時計回りに腕を回し胸の前に集めた光に両手を沿え、ジャンナインのジャンスターダストと同時に解き放った。
コスモス・コロナモードの必殺技、ブレージングウェーブが放たれた。
召喚獣は避ける暇も無くその攻撃を喰らい全ての召喚獣が消滅する。
「まさか・・・・・・・」
「こんなこと・・・・・」
「ありえるはずがない・・・・・・」
「いや、現実だ。」
現実逃避をしている男子を現実に戻す帝王が彼らの後ろから現れる。
『に、西村先生!?!?』
「ふっふっふ、戦死者は・・・・・・・・・・・・補修だ~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
『ギャアアア~~~~~~~~~~~!!!!』
覗きをしようとした男子全員が補習室という名の監獄に送られた。
「終わりましたね、明久君。」
「そうだね。じゃあ早く風呂に行こうか。」
「ですね。操作に集中して結構疲れました。」
そう言って明久と友也は男子浴場に向かった。