バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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清涼祭二日目その2と打上げ

 清涼祭が終わってから僕たちは学園長室に行くと衝撃的なことを知った。竹原教頭先生が逮捕されたことだ。なんでも匿名の告発文と証拠が送られてきたと言う話だそうだ。僕は誰がやったのかすぐ分かった。でもあえて言わなかった。匿名だからね。

「よくやったよ、お前ら。」

「どうもです。」

「で、これはどうするんだ?」

「アンタらにやるよ。腕輪二つの内の一つは正常に稼動できることが確認できるからどっちかが使いな。」

「あの・・・・この腕輪ってどんな意味があるんですか?」

「ああ、その『光の腕輪』は『召喚獣複製(コピー)』って言えば召喚獣を好きな数増やせれるんだよ。最も、普通の生徒はそんな器用な真似できないけどね。」

 なるほど。普通召還獣一体しか操作できないのがいきなり二体同時に操作できるなんてそんな上手い話なんて無いか。

「じゃあ明久、お前が持っとけ。」

「いいの?」

「いんだよ。それにお前だったらウルトラ兄弟を普通に召喚できんだろ。」

 そっか!召喚獣複製で数を増やしたらウルトラ兄弟を召喚することも簡単か。

「わかったよ。それで学園長、もう一つの腕輪はどうするつもりですか?」

「まだ未完成だから研究所で欠点を最低限度直しておくよ。ご苦労だったね。」

 学園長に一礼して僕たちは学園長室を後にした。途中でショックのあまり口を開けたモヒカンと坊主がいたけど見なかったことにした。

 

 学園近くにある花見スポット。今は桜が全部散っているけど代わりに緑が生い茂っている。何処のクラスも打ち上げにここに来ている。

「あれ、吉井君に坂本君。」

「工藤さん!」

「なんか用か?」

「ううん、見かけたから声を掛けただけだよ。それより吉井君、決勝戦のあれかっこよかったよ!」

「そう?」

「愛子の言う通りかっこよかったわ。」

 工藤さんの後ろから優子さんが相槌を打つ。そうかな?僕的にはただあの先輩が許せなくて本気になっただけなんだけど。

「でも明久君ってあんなすごい点数採れるんだね。」

「確かにそうね。どうやったらあんな点数を採れるの?」

 優子さんにそういわれるとあの頃のことを思い出すな。あの・・・・・・

「だ、大丈夫明久君!」

「顔が青いぞ!」

「ご、ごめん。ちょっとあの頃を思い出して・・・・」

『あの頃?』

「うん・・・・・・タロウたちのスパルタ教育の日々を・・・・・・」

「大変だったんだな。」

「苦労したのね。」

「もういいよ。話さなくて。」

「・・・・・・うん。」

 皆同情をしてくれた。友達って大事だね。

「まあ何はともあれ結果オーライでいいじゃない。飲みましょ。」

 そう言って優子さんは手に持っていた缶ジュースを渡してくる。僕はそれを手にとって栓を開け飲む。

「これなんのメーカー?」

「どうかしたのか?」

「イヤなんか辛い味だからさ。」

「最近そういうのが流行っていんじゃねえのか。」

「そうなんだ。へぇ~。」

 そのまま優子さんからもらった飲み物を飲み干すと同時に姫路さんが来た。

「あ、あの吉井君!」

「姫路さん!どうかしたの?」

「す、少しお時間いいですか?」

「別に構わないけど。」

「じゃ、じゃあこちらで。なるべく人に聞かれたくない話なので。」

「うん、わかった。」

 僕は姫路さんについて行った。

「で、何かな話って?」

「吉井君が私のために頑張ってくれたことを聞きました。それで・・・・その・・・・ありがとうございます。」

 姫路さんは僕にお辞儀をした。

「そ、そんなことしなくていいよ!それに僕たちが出たのは偶然依頼があったからで・・・・」

「それでも嬉しかったんです。私、今まで足手纏いだったから・・・・・」

 姫路さんは瞳から涙を流しているのを見た僕は姫路さんに近づいて手で涙を拭った。

「姫路さん、自分が足手纏いだなんて思わないで。僕だってギンガスパークやスパークドールの力が無いと今回は勝てなかったよ。」

「でも明久君はその力の使い方を理解しているし、あの時だって・・・・・・」

 姫路さんが言っている“あの時”と言う言葉に僕は少し引っかかった。でもそれより今は目の前にある光景がなんと言うか捩れてきて意識が・・・・

 

「よ、吉井君!」

 突然吉井君が持っていた缶を落として倒れこんでしまいました。私は急いで明久君を揺さぶってみまず。

「吉井君?吉井君!?」

 返事が返ってきません。どうしたら・・・・

「どうしたの、瑞希?」

「どうかしたの姫路さん?」

 丁度いいところに美波ちゃんと優子ちゃんが来てくれました。

「ちょっ!どうしたのよアキ!」

「姫路さん、何があったの?」

「そ、それが急に吉井君が倒れて・・・・・その・・・・・」

 美波ちゃんは落ちていた空き缶を拾って驚きました。

「ちょっとこれお酒じゃない!」

「「え?」」

 美波ちゃんは私達にそれを見せてくれました。確かにそれにはアルコールが表記されています。

「もしかして私が渡したのって・・・・・・・お酒?」

「そのようですね。」

 三人でよくよく明久君を見てみると寝ていました。どうやらお酒のおかげでよく寝ているみたいですね。

「・・・・・・どうする?」

「ここは・・・・家に送る?」

「でも分かるの?」

「わ、私は吉井君の家を知っているから大丈夫です。」

「でも瑞希じゃアキは重いでしょ?ここはウチが・・・」

「いやここはあたしが送るわ!そもそもの下人は私にあるのだから!」

 三人で睨み合いになっています。明久君をこのままにしていたら風邪を引いてしまいます。どうしたら・・・・・・・・そうだ!

「じゃ、じゃあ三人で送りませんか?一人だとさすがに時間も掛かってしまいますし。」

「・・・・・・そうね。それならいいかも。」

「私も。じゃあアタシは明久君の鞄を持ってくるから少し待ってて。」

 そう言って優子ちゃんは吉井君の鞄を取りに行きました。私達は吉井君を木に寝かせます。

「全く・・・・・・よく寝ているわ。」

「そうですね。美波ちゃん、教えてくれてありがとうございます。」

「いいのよ。それに瑞希だってアキがあんなに活躍したらお礼言わないわけにはいか無いでしょ。いい口実が出来たからいいじゃない。」

 私達がそう話しているとタロウさんが声をかけてきました。

「二人とも、すまないな。」

「タロウさん。いいんですよ。」

「そうよ。それにアキには借りがあるんだし。」

「そうか。助かる。」

「いえ。あれ?」

「どうかしたか?」

 ちょっと木の近くに何か落ちていますね。少し見て見ましょう。

「これ・・・・・・スパークドールズ?」

「姫路ちゃん、少しそれを見せてくれ。」

 私がタロウさんに拾った二体を見せるとタロウさんは驚きました。

「グレンファイヤーにミラーナイト!」

「知っているんですか?」

「ああ。ウルトラ戦士ではないが彼らはジャンボットやジャンナイン同様、正義の戦士だ。赤いのはグレンファイヤー、銀色のはミラーナイトだ。」

「ウルトラマンじゃないの?」

「いや、彼らは生まれた星も宇宙も違う。だが正義感のある強い戦士だ。」

「そうなんですか。」

 タロウさんが話し終えると丁度同時に優子さんが来て私たちは吉井君を家まで送りました。私は吉井君に書置きを残して明久君の家を後にしました。

 

「う~ん・・・・・」

 僕は目を覚ますと何故か自分のベットで寝ていた。何が起こったの!

「起きたか、明久。」

「タロウ・・・・・・僕に何があったの?」

 その後から僕がお酒を飲んで倒れたところを姫路さんたちがウチまで送ってもらったことを聞いた。

「明久、机に書置きがある。姫路からのだからよく見ておけ。」

「うん。」

 僕はベットから起き上がって今のテーブルにある書置きを手にとって内容を見る。

『吉井君へ

 昨日は酔った勢いで寝てしまいちゃんとお話できませんでしたが本当にありがとうございました。吉井君の力がなければ私は転校していたかもしれません。本当にありがとうございます。

 これは余談ですが吉井君の力になってくれるスパークドールを昨日見つけました。グレンファイヤーとミラーナイトです。頑張ってください。

                                 姫路瑞希より』

「姫路さん・・・・・・・こっちがお礼を言わないとね。」

 明久は机の上に置かれていたグレンファイヤーとミラーナイトに触れ、ライブサインを輝かせた。起きた二人にゼロが事情を説明し、明久の力になると言った。

 


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