「これって何?お約束か何か?」
「明久、気持ちは分かるが落ち着け。」
第五試合は霧島さんと優子さんだった。
「・・・・・雄二、勝負は譲らない。」
「代表と同じよ。吉井君、ここで倒してみせるわ。」
あっちも決意があるのはよく分かった。けどこっちだって負けられないからね。勝たせてもらうよ。
「・・・・雄二、如月ハイランドのペアチケットのために戦っているって本当?それも私のために。」
「翔子、途中までは合っている。だが一部違う。」
「・・・・・どこ?」
「霧島さん、それは雄二が霧島さんに素直に言えないところだよ。」
「明久!何てこと言うんだ!」
「・・・・・嬉しい////」
「お前は顔を赤らめるな!」
『それでは両者、召喚獣を召喚しろ。』
『試獣召喚!』
「Aクラス 霧島翔子 & 木下優子
化学 487点 427点
VS
Fクラス 吉井明久 & 坂本雄二
化学 503点 109点 」
「明久、結構やってるんだな。」
「タロウたちのおかげだよ。雄二は霧島さんの方をお願い。僕は優子さんの方をするから。」
「わかった。」
明久は召喚獣にレオを渡す。
「レオ、いくよ!」
「ああ。」
「ウルトライブ!ウルトラマンレオ!」
明久の召喚獣はレオにウルトライブする。
「ダァー、イヤッ!」
「レオで勝負する気ね。でも負けるつもりは無いわ!」
優子の召喚獣が右手に持っているスピアで突いてくる。レオは上に跳びながら前転し、優子の召喚獣の後ろに着く。
「甘い!」
優子の召喚獣は左拳で裏拳を喰らわせようと後ろに振るがレオは後ろにバク転する。
「明久!何とかなら無いか!」
「もうピンチなの!早いよ!」
「どうにかできないのか!このままじゃ負けるぞ!」
「うぅ・・・・・ん?」
明久は懐に納めているギンガスパークを取り出すとギンガスパークが輝いていた。その輝きの先は雄二の召喚獣に向けられていた。
「・・・・・・・信じてみるか。」
明久はギンガスパークを雄二の召喚獣に向けると雄二の召喚獣の手に蒼いクリスタル状のギンガスパーク、ギンガライトスパークが握られていた。
「ギンガスパーク?」
雄二も、皆もいきなり起こったこの状況に戸惑いを隠せなかった。その状況をアストラが打破する。
「明久!雄二君の召喚獣に!」
「え!・・・あっ!うん!」
明久は雄二の召喚獣に向けアストラを投げる。
「雄二!取って!」
「お・・・おう!」
雄二の召喚獣は上に跳び、アストラをキャッチする。
「ど、どうするんだ明久?」
「ライブサインを読み込ませて!」
「お、おう。わかった。」
雄二の召喚獣はギンガライトスパークにアストラを読み込ませる。
「ウルトライブ!ウルトラマンアストラ!」
雄二の召喚獣がアストラにウルトライブする。
『ええええええ~~~~~~~~~~~~~!』
会場にいた観客全員驚いた。
「アストラ!とりあえず頼むぞ!」
「ディア!」
アストラは霧島の召喚獣に跳び蹴りを喰らわせる。
「じゃあこっちも!」
「イヤー!」
レオは上にジャンプするときりもみ回転をしながら優子の召喚獣にきりもみ回転キックを喰らわせる。
「しまった!坂本君の召喚獣の変化に気を取られてた。」
「・・・・油断した。」
二人は気を引き締める。
霧島の召喚獣がアストラに斬りかかるがアストラはエネルギーを右足に込め右脚を燃やし刀に蹴りを喰らわせる。霧島の召喚獣の刀を折った。
『お、折っちゃった!』
会場の皆が驚く。霧島の召喚獣はアストラに素手で挑みこもうと攻撃するがアストラはその攻撃を流す。
レオに優子の召喚獣はスピアで突こうとするがレオはハンドスライサーを横に振り、スピアを一刀両断する。
「嘘っ!」
レオは優子の召喚獣を掴むと霧島の召喚獣に向けて跳ばす。
「・・・・優子!」
「ごめん代表!」
「レオ!アストラ!」
「ヤー!」
「ダァ!」
レオとアストラは協力し、ウルトラダブルフラッシャーを喰らわせる。二人の召喚獣は爆破した。
『そこまで!勝者、吉井明久及び坂本雄二!』
会場の完成が沸き起こった。
『すっげー!もう一体出てきたよ。』
『お母さん、力合わせるヒローもカッコイイね。』
『ねー、カッコイイね。』
明久と雄二がFクラスに戻ると友也が血相を変えて明久に駆け寄ってきた。
「明久君、大変です!」
「ど、どうしたの友也!」
「姫路さんと島田さん、後葉月ちゃんが誘拐されました!」
「な、なんだって!」
「ウルトラ兄弟が見ていたんじゃないのか!」
「それが食品を取りに行ってしばらく戻ってこなかったので気になって商品倉庫に行ってみたらこれが・・・・」
友也の手に握られていたのは姫路さんの髪止めのウサギだった。その瞬間、明久のライブサインが光り輝き、レオのライブサインと共鳴する。雄二と友也はその光景に驚く。
スパークドール状態のレオが光り輝き、徐々に大きくなり、修行僧の服装をした男性がそこには立っていた。
「明久!」
「レオ!その姿は・・・・・」
「うむ、どうやら今はこの姿でいられるようだ。それよりその髪止めを貸してくれ。」
友也はレオに髪止めを渡すとレオは瞳を閉じ、さらった連中が何処にいるかと意識を集中する。
「分かったぞ!ここから東に約2km地点にあるカラオケボックスだ。名前は『いちのてら』だ。」
「待ってください。そこは一条寺財閥の経営しているカラオケ店の一つです。僕も一緒に行きます。」
「わかった。雄二、店をお願い。」
「わかった。無事に三人を連れて戻ってこいよ。」
「言われなくても!」
三人は『いちのてら』に向かって走り始めた。
カラオケ店『いちのてら』。姫路達三人を誘拐したチンピラ6人が姫路達を人質にしていた。
「まさかこんな簡単な仕事で金がもらえるなんてな。」
「楽だな。」
一方受け付けに明久たちが着くと明久は身を乗り出して受付の人に交渉する。
「すみません!ここに女の子三人を強引に連れた人たち見が入ってきませんでしたか?」
「え?ええ・・・・・お客様はその人たちのお友達ですか?」
「違います!誘拐ですからその部屋を教えてください!」
「そういわれましても私はバイトのみですので・・・・・・」
受付のバイトが困った表情をしていると友也が代わりに交渉する。
「すみません。僕は一条寺財閥の一条寺友也です。」
「あ、あの!」
「今あなたの立場は危うい立場です。犯人蔵匿は犯罪行為となり、罰金20万円も掛かります。警察に連絡して協力することをオススメします。」
「二階の207号室です。」
バイトの人はすぐに教えた。明久たちは二階に行き207号室の扉を勢いよく開けた。
「な、なんだ!」
「お前たち、恥ずかしくないのか!」
『っ!?』
レオの一喝にチンピラは恐怖する。
「か弱い女の子を誘拐するなど・・・・・この戯け!」
「う、うっせぇええええ!」
一人のチンピラが闇雲に拳を振りかざしてくるがレオはその拳を掴むとチンピラの体を宙に浮かせ背中から落とした。
『!!』
「さあ、まだするか!」
「な、舐めんなよジジィ!」
チンピラ全員でかかって来たがものの数分でボコボコに去れた。
「姫路さん、美波、葉月ちゃん、大丈夫?」
明久が駆け寄り三人に近づくと三人同時に明久に抱きついてきた。
その後しばらくして警察が来て事情聴取があったけど友也が一条寺財閥の息子と言うとすぐに皆を帰してくれた。あの後雄二に電話をしてみんなの無事を確認したと伝えると雄二から衝撃の言葉が飛んできた。
明日行われる試召大会決勝戦はテスト段階のシステムを使うと言うことだ。それを聞き終えるとレオはスパークドール状態に戻った。