バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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清涼祭一日目その4

「まさかこんな展開になるなんてね・・・・・・」

「正直これも驚いているよ。」

 試召大会四回戦の相手は姫路さんと美波。目的は同じだけどこの勝負は負けられない。

「アキ、そっちには悪いけど勝たせてもらうわ。」

「すみません、明久君、坂本君。」

「な~に、俺たちも負けるつもりはねーよ。」

「そうそう。それに優勝商品の如月チケットは雄二が狙っているしね。」

「明久!何言っているんだ!」

「何を言うのさ雄二。霧島さんのために頑張っているんでしょ?」

「お前は余計なことを言うな!勘違いが生まれるだろ!」

 雄二がなんかぼやいていると姫路さんと美波が雄二に関心を抱いている。

「坂本君、翔子ちゃんもために何でもやるつもりですね。」

「うちもアレくらいの愛情を持ったほうがいいかな?」

 美波の愛情って・・・・・・どういう意味だろう?

『それでは両者、召喚獣を召喚しろ。』

『試獣召喚!』

 西村先生の合図と同時に僕たちは召喚獣を召喚する。

「Fクラス 姫路瑞希 & 島田美波

古典   399点   6点

           VS

Fクラス 吉井明久 & 坂本雄二

古典   468点   211点 」

『それでは両者、試合開始!』

「雄二は美波をお願い。僕は姫路さんを担当するよ。」

「わかった。」

 雄二の召喚獣が美波の召喚獣に右サイドから向かっている間に僕はAを手に持つ。

「A!」

「わかった!」

「ウルトライブ!ウルトラマン!」

 僕の召喚獣はウルトラマンAにウルトライブする。

「A!」

「分かっている!」

 Aは姫路さんの召喚獣にウルトラスラッシュを投げるが姫路さんの召喚獣はそれを大剣で弾いて防いだ。

「負けません!」

 姫路さんの召喚獣がAに接近して大剣を縦に振ってくる。Aは左に側転すると右膝を付き右拳を姫路さんの召喚獣に突く。姫路さんの召喚獣は吹っ飛ばされる。

「雄二、そっちは?」

「まだだ!島田の奴意外にやる!」

「そら試召戦争もあったからね。」

 Aは姫路さんの召喚獣に接近し両手チョップを三回連続して姫路さんの召喚獣に叩きつけようとするが姫路さんの召喚獣は大剣を横に構えてそれを防いだ。姫路さんの召喚獣はその体制のままAを押し倒し、そのまま大剣の剣先をAに向け突き刺そうとするがAはサーキュラー・ギロチンを放ち姫路さんの召喚獣を吹っ飛ばした。

「ダッ!」

 Aはエースブレード作りだし、逆手に持ち姫路さんの召喚獣に斬り込む。姫路の召喚獣は剣を盾がわりにして攻撃を凌いでゆく。

「明久、こっちは片付いたぞ!」

「わかった。A!」

 Aエースブレードを納めると後ろに数回バク転して両足を固定すると体を左後ろに捻り、姫路さん召喚獣に向かい腕をL字に組み、エタリウム光線を放つ。

「えええっ!」

 驚く姫路さんを余所にAは光線を喰らわせる。姫路さんの召喚獣は爆発した。

『そこまで!勝者、Fクラス吉井明久及び坂本雄二。』

 

「負けてしまいました・・・・・・」

「姫路さん、倒したのは僕じゃなくてAだからね。仕方ないからね。」

 Fクラスに戻っている途中の廊下で姫路さんは残念がっていた。

「アキ、ウルトラ兄弟って強いの?」

「ん?まあタロウから聞いた話だけど昔は地球を護るためにたくさんの宇宙人や怪獣を倒したって聞いているよ。」

「それを聞くと勝てなかった事に納得するわ。」

「そうですね。」

 そんな話をしているとムッツリーニがこっちに来た。

「・・・・明久、雄二。」

「どうしたのムッツリーニ?」

「なんかあったのか?まさかまた営業妨害でも・・・・」

「・・・違う。四回戦の試合が意外にも早く終わって今からお前たちの試合だ。直に放送が流れるがその前にと。」

「もうか!早いな!」

「じゃあ急ごう、雄二!」

 僕と雄二は来た道を引き返した。

 


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