バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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清涼祭一日目その2

 僕たちが2-Fに戻って店の接客をしている間もムッツリーニの設置してくれたモニターで試召大会の観戦をしていた。お客さんは食事をしながら試合観戦をした。姫路さんや美波も途中で試合に出たりしてた。もちろん勝っていたけど(主に姫路さんが倒して)。

「おい明久、次の試合が始まるぞ。」

「もうっ!お客様、申し訳ございません。」

「い、いいですよ。試合頑張ってください。」

「はい。」

 女性のお客様に応援されて試合に向かった。

「おい明久、笑顔も程ほどにな。」

「はい?接客の際は笑顔じゃないといけないでしょ。」

「いやそうじゃなくて・・・・・・・・まあ言っても無駄か。」

「?」

「なんでもない。」

 

 第二試合は根本君と確かCクラス代表の小山さんだっけ?まあともかく上位クラスの代表二人か。結構厳しい状況だな。

「明久、どう倒すつもりだ?」

「卑怯な方法は無しで。この状況でやらったら色眼鏡で見られちゃうし。」

「確かにな。今回は誰を使うんだ?」

「ジャックを。雄二、悪いけど根本君のほうを抑えておいて。」

「わーった。任せろ。」

『それでは両者、召喚獣を召還しろ。』

『試獣召喚!』

 Bクラス 根元恭二 & Cクラス 小山友香

英語W  199点   165点

         VS

Fクラス 吉井明久 & 坂本雄二

英語W  501点   167点

「明久、お前散々な目にあってその成績得てんだな。」

「まあね。」

「あいつ、ドンだけ勉強してんだよ・・・・・」

「少し見習おうかしら。」

『それでは両者、始め!』

「ほい。」

「ウルトライブ!ウルトラマンジャック!」

 明久の召喚獣がジャックにウルトライブする。

「あの時の奴じゃなかった。ほっ。」

 根本君は安堵を吐く。

「じゃあ最初から容赦なくやって、ジャック!」

 ジャックはウルトラブレスレットをウルトラランスに変えると小山の方へ接近し攻撃する。

「この・・・・・・結構器用な戦法するわね。」

 小山さんの方はトライデン型の槍を持っている。槍って結構素人でもすぐに武器になるけど小回りが利き辛いんだよね。その点ジャックは扱い慣れているから大丈夫だね。

 ジャックは柄と槍先を匠に使い小山さんの脇を開けるとジャックは槍を強く振り小山さんの召喚獣を吹っ飛ばす。

「友香!」

「隙だらけだぞ!」

 根本君の召還獣に雄二の召喚獣が接近する。根本君の召喚獣は簡単に言えば盾と剣。一見すれば雄二が不利だ。しかし、根本君は試召戦争で全く召喚獣を扱っていない。僕らと違って代表でもあるが故に操作方法も単純。

 根本君の召喚獣は剣を横に振る。雄二の召喚獣はしゃがんで回避し、立ちあがると同時に顎に一撃パンチを叩き込む。

「明久!」

「ジャック!」

「シュアァッ!」

 ジャックはウルトラランスを根本君の召喚獣に投げる。根元君の召喚獣は消滅する。

「まだ終わってないわよ!」

 小山さんの召喚獣がジャックに槍を投げてくるがジャックはウルトラランスをウルトラディフェンダーに変形させジャックの前に浮かせて防ぐ。

「雄二!」

「おっしゃぁ!」

 雄二の召還獣は小山さんの召喚獣に接近しパンチを腹部に容赦なく喰らわせる。一発一発は小さいけれども確実に点数を削っている。しばらくして小山さんの召喚獣は点数が0になって消滅した。

『そこまで!勝者、Fクラス坂本雄二及び吉井明久。』

 会場の歓声が湧いた。

『さっきのと違うぜ。』

『あのお兄ちゃんいろんなヒーロー持っているんだね。』

 

 試合が終わり明久たちがFクラスに戻ると客が少なくなっていた。

「どうしてこんな状況になってるの?」

「俺に聞くな。」

 明久と雄二が話しているとムッツリーニが説明をする。

「・・・・さっきから客足が絶えてきたんだ。おそらく、誰かが何かをしているとしか考えられない。」

「う~ん、こういう陰湿なことをしても誰が得するのかわからないね。」

 そんなことを話しているとツインテールの女の子が入ってきた。

「あっ!人形のお兄ちゃん!」

「葉月ちゃん!どうしてここに?」

 葉月は明久に近づくと話す。

「お姉ちゃんが通っている学校と同じ制服なんで来たんです。」

「あれ、アキ。葉月と知り合いなの?」

「うん。美波も知り合いなの?」

「当たり前よ。葉月はアタシの妹なんだから。」

 明久は驚いた。

「そう言われれば・・・・・・・目の色も同じだし、顎のラインもそっくりだね。」

「そ、そうかしら///////」

 美波は少し顔を赤くする。

「あっ!あの時の綺麗なお姉ちゃん!ぬいぐるみありがとうでしたっ!」

 葉月が姫路に気付くと駆け寄った。

「こんにちは葉月ちゃん。あの子、可愛がってくれてる?」

「はいです!毎日一緒に寝ています!」

 明久は葉月と姫路が何かを話しているのに気付くが遠くてよく聞き取れなかった。

「でもどうしてこうも客が少なくなったのかしら?」

「お姉ちゃん、葉月ここに来る前にいろんな話聞いたよ?」

「葉月ちゃん、その話、話してくれないかな?」

 明久がそう聞くと葉月は元気よく返事をした。

「えっと、中華喫茶は汚いから行かないほうがいいって。でもここ綺麗です。」

 それもそうである。明久が学園長にこのことを報告及び自主的に2-Fを綺麗にした。業者顔負けの手馴れはバイト(短期)のおかげである。

「何処で聞いたか憶えてる?」

「メイドさんがいっぱいいるお店です。」

「じゃあ案内してくれるかな?雄二も一緒にどう?」

「おう。ついでにムッツリーニと島田と姫路もどうだ?試召大会の時間もあるし。秀吉、一条寺、頼めるか?」

「任せるのじゃ。」

「任せてください。」

「悪いわね木下、一条寺。」

「ありがとうございます、木下君、一条寺。」

「じゃあ行こうか。」

 


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