昨日の出来事を雄二たちは明久に問いただそうとしたが明久の口からこう言われた。
『放課後、生徒指導室に来て。その時になったらちゃんと話すから。』
そして放課後、雄二たちは生徒指導室前に立っていた。
「たくっ、明久の奴なんでこんな所で。」
「まったくじゃ。どうしてこう・・・・じらすのかのう?」
「・・・わからん。」
雄二の意見に秀吉とムッツリーニも納得する。
「でも人前で公に話したら変な目で見られるからじゃない?」
「それでしたら人気の無い屋上でいいのでは?」
南の考えに姫路はもっとな答えを言う。
「そしたら最近Fクラスに出来たFFF団に狙われちゃうからじゃないのかな。」
「でも何で生徒指導室?」
「・・・・・早く入ろう。」
霧島の言葉を合図に雄二は生徒指導室の扉を開ける。
「おい、明久。いるか?」
「坂本!失礼しますを言わんか!」
『鉄人!/西村先生!/西村教論!』
「うむ。まず木下姉弟、姫路、島田、工藤、霧島は言いとして土屋に坂本!西村先生と呼ばんか!」
「んなことよりなんでここにいるんだよ!」
「何を馬鹿なことを言っている。関係者だからに決まってからだ。」
『・・・・・・・・・え?』
雄二たちはキョトンとする。
「はぁ~、吉井、一条寺。お前たちからも何か言ってくれ。」
「はい。雄二、とりあえず座ろう。皆も。」
「お・・・・・・おう・・・」
雄二は明久に促され生徒指導室に入り座ると明久が鍵を掛け、友也がカーテンを閉める。
「まず、ここでの話は他言しないで。こういうのを知っている人はなるべく最小限にしておきたいんだ。」
「明久君の言う通りにしてください。今から話すのは常識外れな事ばかりでファンタジーと思ってもおかしくない話です。」
明久と友也の言葉に皆は頷いた。
「じゃあまず僕の召喚獣がこのスパークドールズにウルトライブできることからだね。」
「明久よ、そのスパークドールとはなんじゃ?」
「それについては私が説明しよう。」
雄二たちの前にタロウが現れる。
「・・・・・・人形?」
「霧島さん、気持ちはわかるけど違うよ。」
「・・・どういうこと、吉井?」
「自己紹介が遅れてすまない。私の名はウルトラマンタロウ、ウルトラNo.6だ。」
「美波は一度見てるよね。」
「え?・・・・・・あっ!」
美波は試召戦争でのタロウの姿を思い出す。
「・・・どこかに隠しマイクでも仕掛けているのか?」
「ムッツリーニ、最初の頃の僕もそう思ったよ。でもちゃんと自我があって話しているから。」
「おいおい明久、いくらなんでも冗談が過ぎるぞ。」
「う~ん・・・・・じゃあ雄二、ちょっと立って。」
「ん?構まわねぇが。」
明久に言われ雄二は立ち上がる。
「タロウ。」
「ウルトラ念力!」
「のわぁ~~~~~~~~~~~~!!」
雄二はタロウのウルトラ念力によって宙に上げられる。
「わかった?」
「わ、わかったから早く下ろしてくれ!」
雄二は地上にゆっくりと下ろされる。
「なるほど。クラスに仕掛けられたものかと思ったが実は違ったんだな。」
「ああ。ちなみにあの時のも私だ。」
「あんたかよ!」
「まあまあ、雄二落ち着いて。話を戻そっか。」
「そうだな。まず君たちの良く知る根元君があんなことになったのは闇の者が原因なのだ。闇の者は我々ウルトラ戦士と怪獣、宇宙人が総力戦を行っている際にダークスパークを用いて我々の時間を止め、このような姿にした。我々は人形の姿、スパークドールに変えられた。」
「それがこの姿。」
明久はスパークドールの入った鞄の中身を見せる。
「吉井君が使っていた人形って全部そのスパークドールだったんですね。」
「うん。」
「ちょっと待って!」
「何、優子さん?」
「さっきの話ではダークスパークが時間を止めたと言ったわよね。じゃあなんであの時の様に変身できたの?」
「これだよ。」
明久は懐からギンガスパークを取り出し机の上に置く。
「これって・・・・吉井君の召還獣がもっているのだよね!」
「うん。最初は僕もびっくりしたよ。まさか召還獣がこれを持っていた事に。」
「で、これは何なんだ明久?」
「ギンガスパーク。唯一彼らの呪いを解く道具だよ。同時に僕が彼らにウルトライブも出来るしね。」
『ウルトライブ?』
「ほら、このスパークドールズを手にとって左足の裏を見てみて。」
明久がそう言うと各々スパークドールを手に取る。
「足の裏にある六角形の部分はライブサインと言って僕のギンガスパークの先端を付けるとウルトライブ出来るんだ。」
皆はその話を聞いて感心するが工藤があることに気付いた。
「待ってよ、じゃあ一条寺君の場合はどうなるの?」
「僕のは別です。ジャンナイン、ジャンボット。」
友也がそう言うと友也の懐からジャンナインとジャンボットが飛行して机の上に立つ。
「・・・・ロボットだ。」
「まあ、間違ってはいないな。」
「有機生命体のいうことは的を射ている。だが、我ら兄弟には心があることを忘れないでくれ。」
『ろ、ロボットも喋った!』
「紹介します。こっちはジャンナイン、こっちはジャンボットです。僕はこのガンパッドを使うことで彼らを操縦することが可能です。最も、明久君のようにはいきませんが。」
そう言いながら友也はガンパッドを取り出す。
「あ、あの・・・・いいですか?」
「何、姫路さん?」
「吉井君が試召戦争やあの時の戦いで変身したあれはなんだったんですか?」
「それってギンガのこと?」
『ギンガ?』
「多分姫路さんが言っているのは体に水晶体が付いているウルトラマンのことだよね。」
「は、はい。」
「ギンガ自体よく分からないんだ。タロウでさえ知らないウルトラマンだしね。」
「ああ。だがギンガは唯一闇の者と対立できる存在だというのは過言ではない。」
「じゃあ話をまとめると明久が怪獣やそのウルトラマンにウルトライブすることが出来てそれをその闇の者ってのが倒そうとしているんだな。んで一条寺も一緒になって戦っていると。」
雄二がそう言うと明久と友也は返事をした。
「ああ~・・・・・・そういうのならなんだか納得するが・・・・・なんでt、西村先生がいるんだ?」
「ああ、それについては追々話すよ。それより今日は紹介したい人たちもいるしね。」
『紹介したい人たち?』
「皆、出てきていいよ。」
明久がそう言った瞬間、十体のスパークドールが突如机の上に現れる。雄二たちは流石に驚く。
「はじめまして。こんな姿で申し訳ないが私はウルトラNo.1、ウルトラマンゾフィーだ。」
「私はウルトラNo.2、ウルトラマンだ。」
「私はウルトラNo.3、ウルトラセブンだ。」
「私はウルトラNo.4、ウルトラマンジャック。」
「私はウルトラNo.5、ウルトラマンA。」
ウルトラ兄弟No.1~No.5までが自己紹介する。
「No.・・・・・・・・兄弟みたいだな。」
「まあね。実の兄弟じゃないけど堅い絆で結ばれた兄弟って聞いてるよ。」
「明久よ、そっちにいるのは昨日戦ったのではないか!」
「ああ、自己紹介が遅れてすまない。私はウルトラNo.7、ウルトラマンレオだ。こっちは弟のアストラです。」
「どうも。」
『ど、どうも。』
雄二たちは頭を下げる。
「次は私達ですね。私の名はウルトラマンコスモス、よろしく。」
「俺はウルトラマンダイナことアスカシンだ。よろしく。」
「最後は俺だな。俺の名はウルトラマンゼロ。親父、セブンの息子だ。」
三体が自己紹介すると雄二がツッコミを入れる。
「ちょっと待て!ダイナだったか?なんでアスカシンって名乗ってんだ?」
「ああ。俺が人間だからだ。」
『え!?』
「俺は元々アナザースパースの人間だったんだがわけあってウルトラマンになったんだ。そこんとこよろしく。」
『はあ・・・・・』
皆はよく分からんが納得した。
「さて、ここでの話はここまでだ。坂本、清涼祭のクラスの出し物を早く決めて置くように。以上、解散!」
西村先生の一言で一同生徒指導室から出て行く。
「おい明久、お前何時そのギンガスパークを手に入れたんだ?」
「ん~・・・・去年裏山の神社が燃えた日の翌日くらいかな。」
「あの日か!」
「まあ、タロウは西村先生とそれより前に面識あったけど。」
「しっかしお前の成績が急に良くなったのはタロウ達のおかげってわけだな。」
「う、うん・・・・・」
明久は顔を青くする。
「どうした、明久?」
「・・・・・間違ったらウルトラ念力。」
「・・・・・すまん。」
雄二は明久の肩に手を置いた。