バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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怒りの怪獣

「くそっ!坂本のせいで!」

 Bクラス代表で知られている根本は屋上で悔しがっていた。

「今度会ったら・・・・・・人生最大の恥をかかせてやる!」

「あ~ら。いい嫉妬勘ね。」

「は?」

 根本は後ろを振り向くとそこにはナックル星人グレイがいた。

「うわっ!オカマ!」

「ちょっと!ひどいじゃない!あんただってこんな姿していたじゃない!」

 そう言うとグレイは根元の女装写真を取り出す。

「や、やめろ~~~~~!!!!」

 根本は写真を撮ろうとするがグレイは華麗に避け、根本はヘッドスライディングをする。

「言われなくてもこんなものこうするわ。」

 グレイは自分の持っている扇子で写真を粉々にする。

「さて、貴女のそのダーティな心を使わしてもらうわ。」

 グレイはダミーダークスパークを根本に押し付ける。根元の周りに黒いいやな雲が纏わり付き、根元の目を赤くする。

 

「よし、今日はここまでにする。」

 放課後のFクラス。試召戦争で穴が開いた授業を西村先生の補修で埋めていた。

「終わった~~~~~~~。」

 美波が畳の上に寝転がる。その瞬間をムッツリーニがすばやく撮影した。

「おぬしらはなんとも無いのかの?」

「特に何も無いけど。」

「なにかあるんですか?」

「皆さん今日運動しましたっけ?」

 明久、友也、姫路の三人は西村先生の補習に付き合わされても何も問題ないが他のFクラスの生徒は辛くしている。

「でもさ、単位が出なかったら僕ら卒業も進学もできないんだよ。」

「ほう、明久のくせによくわかってるじゃないか。」

「雄二、僕を馬鹿にしていない?」

「馬鹿だろ。」

(ウルトラ念力!)

「ぬあ!」

 雄二がタロウのウルトラ念力で激しく振り回され畳に叩きつけられた。その光景を見ていた皆は何が起こったのかわからず戸惑っていた。

「いてて・・・・なんだ今の?」

「雄二の体を張ったアクロバットスタンドじゃないの?」

「んなこと出来るか!?第一どうやって一秒以上浮くんだよ!まあいい。俺帰るわ。」

 そう言って雄二は教室を出て行った。

 

「なんだったんだあれ。」

 雄二は靴箱で呟いていると後ろから足音が聞こえてくる。

「誰だ?」

 雄二は後ろを振り向くとそこには根元の姿があった。

「なんだお前か。何のようだよ?」

「な~に。少し懲らしめようと思ってな。」

「おいおい、冗談はよせよ。」

 雄二は鼻で笑う。根本は眉間にしわを寄せ、ダミーダークスパークを取り出すと先を雄二に向け、黒い光弾を放つ。

「くっ!」

 雄二はギリギリで交わす。雄二は光弾が当たった所を見るとそこは焦げていた。

「おい・・・・・・マジか!」

 根本は連続して光弾を雄二に向け放った。雄二は自身の脳で最善の策を考えようとするが根本は容赦なく攻撃してくる。雄二はただ根本から逃げるしか策はなかった。

 

 一方Fクラスの教室。明久は帰りの準備をしているとFクラスに霧島、優子、愛子の三人が入って来る。

「あれ?霧島さんに優子さんに工藤さん、どうしたの?」

「・・・・雄二を知らない?」

「雄二ならさっき帰ったよ。」

「・・・・そう。」

「ところで二人はどうして?」

「わ、私は代表が気になって。」

「僕はなんだか面白そうだったからかな~。ムッツリーニ君もいることだし。」

「そっか。」

 そんな話をしていると雄二が駆け足で教室に戻ってきた。

「すまん!誰か手伝ってくれ!」

「どうしたの雄二。そんなに急いで?」

「根本が変なんだよ!なんか黒い短剣みたいなの持ってて!」

「っ!雄二邪魔!」

「ぬあ!」

 明久はスパークドールを鞄の中から取り出し、雄二を押しのけ根元の元へ向かう。

「・・・・大丈夫、雄二?」

「す、すまん翔子。なんで明久あんなに急いでんだ?」

「坂本君、少しここにいて下さい。」

 友也はガンパッドをガンモードにして明久の方へ向かう。

 

 明久は根本を校舎裏で見つけた。

「根本君!」

「ん?なんだ吉井か。今坂本を探してんだが知らないか?」

「知っていても教えないよ。それより君が持っているそれ、何処で手に入れたんの?」

 明久が指を差す先にはダミーダークスパークが握られていた。

「ああ、これ?ちょっと優しい人がくれたんだ。」

「根本君、それを早く捨てるんだ。」

「なんでだよ?こうするともっと強くなれるんだぁかぁらぁさぁぁぁあぁぁああぁぁぁああああ!」

 根本はスパークドールにダークライブする。

「ダークライブ!ゾアムルチ!」

 根本は黒い闇に包まれる。

 一方友也を追いかけている雄二達は校舎裏を探していた。

「あいつら何処にいるんだよ。」

『ダークライブ!ゾアムルチ!』

「なんだ?」

 雄二達は変な音がしたほうを見てみるとそこには闇に包まれてゆく根本とその光景をすぐ側で見ている明久の姿があった。

 根本はゾアムルチにダークライブする。

「こうなったら!」

 明久は懐からギンガスパークを取り出すとスパークドールにウルトライブしようとする。

「明久!」

「雄二!それに皆もなんでこんなところに!」

「それより早く逃げろ!」

「先に逃げて。ここは何とかするから。」

「どうするつもりよアキ!」

「そうじゃ!」

「う~ん・・・・・・・・仕方ない。タロウ!」

「なんだ明久!」

 明久の前にタロウが現れる。

「皆を安全な場所に。それとバラスよ。」

「わかった。」

 タロウは雄二達の前に浮く。

「に、人形?」

「ウルトラテレポート!」

 タロウは雄二達をウルトラテレポートする。

「よし!」

『吉井、なんで邪魔をする?』

「根本君のすることが逆恨みだからだよ。それとね―――」

『?』

「根本君だけが出来ることじゃないから!」

「ウルトライブ!ダークガルベロス!」

 明久は光に包まれ、ダークガルベロスにライブする。

 

 そのころ雄二達は文月学園の屋上にテレポートされていた。

「お・・・・おい!なんじゃこら!」

「いきなり屋上にしたわ!」

「・・・・・テレポート?」

 皆が辺りを見回しているとタロウが話し掛ける。

「おい!お前たち。」

「うわっ!人形が喋った。」

「どうなってんのよこれ?」

「聞け。まずこっちを見ろ。」

 タロウが向く方向を皆は見るとゾアムルチとダークガルベロスがいた。

「ま、また怪獣!」

 雄二が驚く。

「水色のほうはゾアムルチ、ケルベロスのようなのはダークガルベロスだ。ちなみに明久がライブしているのはダークガルベロスだ。」

『えっ!』

 タロウの言葉に皆は驚いた。

「どういうことだ!」

「落ち着け。君たちの言いたいことはわかる。どうして明久があんな姿をしているのか。だが君たちはまがい的ではあるがもう既に目撃しているのだ。試召戦争の時に。」

 タロウの言葉に皆は試召戦争での明久を思い出す。自身の召喚獣に人形を渡している姿を。

『あっ!』

「そうだ。まあこの戦いを見終わってから話そう。」

「それが懸命ですね。」

 雄二達が後ろを振り向くとそこには友也とウルトラ兄弟の姿があった。

「一条寺!」

「どうも。流石に今話しながらは難しいでしょう。とりあえず見守りましょう。」

 

『吉井!』

 ゾアムルチはガルベロスに右腕を振り下ろすがガルベロスはそれを左の顔の口で噛む。

『いっっっっっっっっった!噛むな!』

『じゃあおとなしくやられなよ!』

 ガルベロスはゾアムルチの手を離すと自身の爪で思いっきり引っかく。

『いたいイタイ痛い!ひっかくな!』

『断固拒否します!』

 ガルベロスはひっかくのを止めると至近距離で火球を放つ。

『あっち!あちちちち!あっち!』

『まだまだ!』

 ガルベロスは情け容赦なく火球を放つことにぞあむるいは怒りを心の底からこみ上げらせる。

『よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』

『うわっ!』

 ゾアムルチは怒りのあまりにガルベロスに暴力を振るう。

『オラオラオラオラオラオラオラオアラ!』

『ギャッフン!』

 ガルベロスは倒れる。

『こ、こうなったら・・・・』

 明久の右手にライブサインが浮かび上がり、ギンガスパークのクロウが開くとギンガのスパークドールが出てくる。明久はギンガを掴みライブサインを読み込ませる。

「ウルトラーイブ!ウルトラマンギンガ!」

 明久はギンガに包まれ、ウルトラマンギンガにライブする。ダークガルベロスは友也の方まで跳ぶ。

「シュア!」

 ギンガはいきなり跳び蹴りをし、ゾアムルチを倒す。

「シュッ!」

 ギンガはゾアムルチを掴むと振り回す。

『うぉおおおおお!』

『ギャアアアアアアアアアア!』

『うぉりゃ!』

 ギンガはゾアムルチを投げ飛ばす。

『そんなに沸点が低いならオーバーヒートしろ!』

 ギンガは片膝を付き、腕を十字に組む。ギンガの水晶体は白く輝き、ギンガの右腕の水晶体から白い刃が形成される。

『ギンガセイバー!』

 ギンガはギンガセイバーを地面に突き刺すと地面が割れ、徐々にゾアムルチへと近づく。ゾアムルチの足元で割れが止まると地面から強い衝撃波が放たれる。

『ギャアアアアアアアアアア!』

 根本はゾアムルチからライブアウトし、ゾアムルチのズパークドールが根元のすぐ近くに落ちる。

「はれほれひれはれ・・・・・・・」

 ギンガはライブアウトしようとした瞬間であった。

「ジュアア!」

 突如ギンガを後ろから何者かが襲ってきた。

「あれは!」

 タロウが視線をむせる先にあったのは二人の黒い巨人、ダークウルトラマンレオとダークウルトラマンアストラの姿があった。

「レオ!アストラ!」

「マズイですね。この状況で二対一は。」

 友也はジャンナインを使おうとするがタロウがそれを止める。

「待て、友也。あの二人は格闘を得意とする。この場合は銃ではなく剣を使え。」

「なるほど。そういうことでしたら。」

 友也は懐からジャンバードを取り出す。

「一条寺、それ・・・・」

 雄二には見覚えがあった。試召戦争のときに大事そうに持っていたそれを。

 友也はガンパッドを取り出し、スイッチを押す。

「Jean bard!」

友也はジャンバードを上に投げる。刹那、ジャンバードが徐々に大きくなってゆく。

「な・・・・・・・・・なんじゃこら!」

 叫ぶ雄二に気にもくれず、智也はガンパッドのスイッチを押し、ジャンバードに搭乗する。友也はコックピットでファイティングポーズを取りながら叫ぶ。

「ジャ~ン、ファイット!」

 その合言葉を受け、ジャンバードは変形し、ジャンボットに変形する。その光景を見ていた男子は「かっこいい!」と思った。

 ジャンボットはギンガに駆け寄る。

『明久君、大丈夫ですか?』

『友也!うん、でもこれ・・・・・』

『タロウの話ではレオとアストラだそうです。格闘を得意とするため用心してください。

『うん!』

 ギンガは立ち上がり、ジャンボットと一緒に構える。

「シュア!」

「イヤー!」

 ギンガとレオ、アストラとジャンボットがぶつかり合う。

「イヤー!」

「シュア!」

 レオの右正拳突きをギンガは右手で払うい、そのままそのまま右エルボをレオに叩き込み、両正拳突きをギンガはレオに叩き込む。レオは後ろに弾き飛ばされ倒れる。

「ジャンブレード!」

「ダア!」

 ジャンボットがジャンブレードを振るい、アストラに攻撃するがアストラはカラダを斜めにして華麗に回避する。

「ジャンナックル!」

 ジャンボットはアストラの腹部にアッパーパンチを腹部に喰らわすとそのまま一気にジャンナックルで吹っ飛ばした。

「グアア!」

 アストラは倒れる。

「シュア、ハッ、ゼア!」

「ヤッ、ハッ、ダッ!」

 ギンガとレオのキックとキックがぶつかりう。互いに体制を崩さずにキックをしあう。

「ジュアア!」

 ギンガは左足を強く踏み、跳ね、レオの左顔にキックを叩き込む。

「ディアアア!」

 レオはその攻撃を受け倒れる。

『明久君、中に誰がいるかわかりましたか?』

『それがいないんだ!』

『と言うことは闇に操られているのですね。』

『うん!』

『では僕が二体を何とか抑えて見せます。その間に!』

『わかった!』

 ギンガはバク転して似たいから距離を置くとギンガは腕を十字に組むとギンガの水晶体が緑色に発光する。レオとアストラはそれを阻止しようとギンガに接近しようとするがそれをジャンボットが拒む。

 ジャンボットは左にジャンブレード、右にジャンアックスを持ち二体を牽制する。

 だが両方とも長さも使い方も違う武器。流石の友也もこればかりはどうすることも出来ない。

『友也!』

『はい!』

 ジャンボットは後ろに飛び、二体から距離を置く。

『ギンガコンフォート。』

 ギンガは二体の上から緑色の光を頭部から浴びせ、二体を浄化する。二体は次第に消えてゆき、ギンガの手の上に乗った。ギンガとジャンボットは同時にライブアウトし、雄二たちの元へ降りる。

 雄二たちの目の前にいたのは自分らが良く知っている明久と友也の姿があった。

「あ~~~~~~~~~、疲れた。」

「お疲れ、明久。」

「タロウ、これって・・・・」

「ウルトラ兄弟の内の二人、レオとアストラだ。」

「お、おい明久!」

「何、雄二?」

「何じゃねえよ!なんだったんだ今の!」

「ああ、あれ。ちょっと事情があって。それについてはちゃんと明日話すから。今は根本君の側にあるスパークドールを回収しないといけないから。じゃあ友也、後よろしく。」

「わかりました。」

 友也にそう言うと明久は屋上を後にする。

「坂本君、皆さんも言いたいことはわかります。ですが明日にしていただけませんか?」

「あの・・・・・どうしてですか?」

「下校時間です。」

 友也がそういうのと同時に下校時刻のチャイムが鳴った。

「では明日に。」

 友也は一礼をして去る。

 


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