バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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Bクラス戦 戦後対談

「さて、戦後対談といこうか。な、負け組み代表?」

「・・・・・・」

 さっきまで強がっていた根元は座り込んで何も言わない。雄二は根元に仁王立ちしている。

「俺たちの目的はあくまでもAクラスだ。条件を呑めばBクラスはいらない。」

「条件?」

「ああ。その条件はお前だ!」

「お、俺!?」

「そうだ。こいつは何かと目障りだ。特別にチャンスを仕方なくあげてやる。」

「チャンス?」

「これを着てAクラスに宣戦布告してもらう。」

 そう言って雄二は女子用の制服を取り出した。何処から取り出したんだよ・・・・・・しかも周りの人ひいているし。

「なっ!そんなこと・・・・・・」

『Bクラス生徒全員で必ず実行させよう!』

『任せて!必ずさせるから!』

『それだけで守れるやらない手は無いな!』

 うわ~、すっごい言われ様。誰一人として味方いないんだね。

「んジャ決定だな。」

「くっ!よ、よくなぐぼぁ!」

 根本が何か言う前に明久は根本の顎を蹴った。

「五月蝿いのを黙らせておいたよ。」

「お、おう・・・・・」

 明久は雄二から女子用の制服を受け取ると根本の服を脱がす。

「あ、しまった。」

 明久は今更になって気付いた。女子用の制服の着せ方を知らなかった。

(明久、私に任せろ。)

(タロウ?)

 ――――ウルトラテロポーテション!

『っ!!』

 皆が見ている前でタロウは根本に女子用の服を瞬時に着せた。周りは何が起こったのかわからず驚いている。

 明久は根本の制服から姫路の手紙を取り出しBクラスを後にした。

 

「失礼しま~す、西村先生はいますか?」

「どうした吉井?」

 試召戦争で負けた者が送られる監獄、生徒指導室へ明久は足を運んだ。

「これを預かってもらいたいんです。」

 そう言って明久は根本の制服を西村に手渡した。

「これは?」

「Bクラス代表の根本君の制服です。もし取りにきたら生徒指導もしてください。」

「どうしてだ?」

 明久は西村に根本が行った悪行を全て話した。。

「ほほ~、学校の器物破壊及び窃盗・・・・・・・これは生徒指導と補習をしてやらんとな!」

 西村の背中に鬼神が見えるのは気のせいのだろうか?明久は少し怯えた。

「じゃあ僕はこれで。」

「うむ。」

 明久は生徒指導室を出るとタロウに話しかける。

「ねえタロウ。」

「なんだ明久?」

「この手紙を姫路さんの鞄に戻しておいて貰えないかな?」

「すまないがそれは出来ない。」

「どうして?」

「昨日の戦闘に加え今日のウルトラテレポーテーション。流石の私も少し疲れたんだ。」

「そ、そっか。じゃあ先に帰ってて。」

「ああ。(本当は出来るのだが明久のためにな)」

 タロウは明久にそう言うと家へとテレポーテーションをした。

『キビキビ歩け!』

『くっ!坂本め、今度試召戦争で戦うことになったらただじゃおかないぞ!』

『黙れ!時間が無いんだ!このあと写真撮影会もあるんだぞ!』

『なっ!そんなこと聞いていないぞ!』

 ・・・・・・何か聞こえたかな?

 

「う~ん、誰もいないな。」

 明久はFクラスの中を覗いてみると誰もいないことを確認した。教室には今自分一人だけ。姫路の鞄が残っていることから明久は姫路がまだ帰っていないことを確認する。

「よし!」

 明久は姫路の鞄に姫路の手紙を入れようとする。

「よ、吉井君?」

 明久は声のする方を振り向くとそこには姫路の姿があった。

「ひ、姫路さん!?」

「吉井君、それ・・・・・」

 姫路に明久の持っている自分の手紙が目に入った。

「あ、あのこれは・・・」

 明久が何かを言い掛けようとした時に姫路は明久に抱きついた。

「ひ、姫路さん!?」

「ありがとうございます。」

「・・・・・・・・へ?」

「私、恐くて何も出来ませんでした。でも、吉井君が助けてくれたおかげで・・・・」

「姫路さん・・・・」

 明久は姫路の瞳に涙が溜まっているのを見ると自分から姫路を少し話し涙を拭いてあげた。

「姫路さんは自分で何でもかんでも抱え込まなくていいんだよ。たまには人に頼っていいんだから。」

「吉井君・・・・・」

「それよりさ。」

「はい?」

「友也に言われた通り少し料理習ってみる?週一でもいいから。」

「いいんですか?」

「うん!」

「じゃあ・・・・・お言葉に甘えて。」

 姫路の笑顔に明久は少し安心する。

「じゃあ僕はもう帰るね。姫路さん、また明日。」

「あ、はい!また明日。」

 明久は学校用とスパークドール用の鞄を持って帰ろうとすると姫路が明久を止める。

「吉井君!」

「なに?姫路さん?」

「あの・・・・・・・改めてありがとうごさいます。助けてくれて。」

 明久は微笑みながら「どういたしまして。」と言って教室を後にした。

『ね~~~~も~~~~と~~~~~。貴様には生徒指導が必要だということを匿名で聞いたぞ!』

『に、西村先生?なんかの間違いではないのですか?』

『学校の器物破損に窃盗の証言もあるぞ。今更言い逃れは出来ん!さあ来い!』

『ぎゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』

 根本の断末魔の叫びが学園中に響き渡った。

 


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