明久が観察処分宣告を受けて数日がたった日のことであった。文月学園の裏山に隕石が落ち、神社が燃えたという話が広がった。
「おはよう、雄二。」
「おお、明久。知ってっか?」
「なにが?」
「神社が燃えたからウチの学園の裏に仮設だが神社を作るそうだぞ。」
「へぇ~。」
明久と雄二が話していると西村先生が声を掛けてきた。
「おい、吉井。」
「何ですか西村先生。」
「坂本から聞いているかもしれないが放課後に仮設神社の掃除をして来い。観察処分の仕事だ。」
「は~い。」
放課後、明久は雑巾とバケツを持って学園敷地内に建てられた仮設神社の掃除をしに行こうとしていた。
「これが仮設神社か。なんだこのマーク?」
明久は御神体が納められている場所に描かれているマークを疑問に思った。明久は御神体が納められているところを掃除すると手を合わせて御神体を拝んでみた。
「・・・・・・・・これが御神体?」
そこにあったのは仏のような形をして無い銀色のものであった。明久はそれを手にとって見る。
その時であった。御神体が光り輝き、明久にある光景を見せる。
「シュアッ」
「ゼットォォン」
「ダァー!」
「ギャギャン」
「チュエエッ!」
「タァー」
その大地を埋め尽くしているのは怪獣、宇宙人、そして巨人であった。光線が飛び交い、あちらこちらに爆発が発生している。そんな光景に立つ一つの赤い目をした大きな影が片腕を振ると黒い雲を発生させた。その黒い雲にその場にいた怪獣、宇宙人、巨人は苦しむ。
そしてその闇の者に立ち向かう光の何かがぶつかった。
「あれ?今の光景って・・・・」
明久は立った今自分に起こったことが一瞬で理解できなかった。明久は時運の身体を見てみると右手に神社と同じマークが右手の甲に現れた。
「な、なにこれ?」
「それは、選ばれし者の紋章。」
「っ!だれ!」
何処からか聞こえてくる声に明久は驚き辺りを見回す。
「やはり光の国の言い伝えは本当だったか。」
明久は声の方を向くとそこには紅い人形があった。明久は近寄り、そして見る。
「・・・・人形?」
「私はウルトラマンタロウ。」
「しゃ、喋った!な、なにこれ!なんかの撮影!?」
「落ち着け。まず私の話を聞いてくれ。」
「いや、流石に人形の話を聞くのはどうかと・・・・」
「まあ確かに君はここで一番の馬鹿だと聞くがそう言うところはちゃんとわかっているようだな。」
「酷くない!」
「事実は変えられないだろう。現に君は勝手に西村の持ち物を売ってしまったのだからな。」
「い、いやそれは・・・・・て、なんで鉄人の名前知ってんの。」
「そんなことはどうでもいい。明日、この学園の裏にある振る星山にその後身体をもってこい。もう日がくれる。それに明日は土曜日、丁度いいだろう。」
そう言ってタロウはその場から煙のように消えた。
「あ、あれ!?」
「吉井!」
「うわっ!西村先生。」
「もう下校時間が近いぞ。急いで道具を返してこんか!」
「は、はい!」
明久は急いで道具を片付けに行った。西村先生は御神体収めている扉を見て、何も言わずにその扉を閉めた。
翌日、明久は振る星山を登っていた。
「い、一体どこまで行けばいいんだ。」
しばらく山道を歩いているとタロウが声を掛けてきた。
「吉井。」
「あ、えっと・・・・タロウだっけ?」
「そうだ。私が君に言ったことを覚えているかな?」
「えっと・・・・確か僕がなんか選ばれし者の紋章を持っていることがどうとかだったかな?」
「そうだ。光の国にはこんな言い伝えがある。一つは命あるものお時間を止める「ダークズパーク」。」
「やっぱりこれ仕掛けでもあるんじゃないかな?」
そう言って明久はタロウを手に取り触ってみる。
「ちゃんと聞け!」
「うわっ!なんだよお・・・・」
「私はダークスパークと対をなすもう一つの存在をこの近くで見つけた。」
「それって・・・・」
明久は御神体を見る。
「「ギンガスパーク」、闇の呪いを解く唯一の希望。その、大いなる力を引き出せる者は選らばれし者だけだ。」
「それが僕ってこと?ははは、まさか。」
「そうだ。」
「いやいやいや、有り得ないでしょ!」
「では昨日、君の右手の甲に出た紋章は何かな?」
「そ、それは・・・」
「わかったら少し頼みがあるんだ。なるべくこの山の平地に移動して欲しい。そして私の左足にあるライブサインをスキャンして私を元の大きさに戻してっくれ。」
「わ、わかった。」
明久はタロウに言われるがままに山の平地に降りていると、トラックの荷台にあるゴミを山の川原に不法投棄をしている二人組みの大人を目にする。明久はその二人に声を掛ける。
「あの!」
「あ?んだてめえ。」
「ここのごみ片付けてください。あなたたちが捨てたごぐはぁ!」
明久は腹部に蹴りを喰らう。
「うっせぇんだよ!たく!ガキはこれだから迷惑なんだよ!」
「やっちまおうぜ!」
二人の大人が明久相手に暴力を振るう。その時であった。
「貴様らぁ!ウチの学園の生徒に何をしている!」
西村先生が怒鳴る。
「げっ!やばっ!」
「ずらかるぞ!」
二人は急いでトラックに乗りその場から去っていく。西村先生は明久を心配し駆け寄った。
「大丈夫か、吉井。」
「あいたたた・・・・て、何で鉄人がここに!」
「西村先生と呼ばんか!まあそんなことよりお前はどうしてこんなところにいる。」
「え、えっと・・・・」
「私が呼んだのだ、西村。」
西村先生の問いにタロウが答えた。
「タロウ!何故ここにいる?」
「えっ!二人とも知り合い!」
明久は驚いた。普通人形が話すなんて一般人の誰もが疑うことだ。しかし、西村先生はそれを鵜呑みにしている。
「ああ。私がギンガスパークを発見しているところを西村に見られてな。彼は最初は疑ったものの信じてくれた。」
「ま、まさか。第一タロウがえっと・・・」
「ウルトラマン。」
「そ、そう!本当に大きなウルトラマンかどうかなんて思わないでしょ。」
「まあな。」
西村は辺りを見回す。そして一つの折れた大木を見つける。
「吉井、あれを持ち上げられるか?」
「無理ですよ。召喚獣じゃない限り持ち上げるなんて。」
「普通はな。タロウ、またあれをやってくれ。」
「わかった。」
タロウは大木の方を向く。
「ウルトラ念力。」
その瞬間、大木が宙に浮く。
「え?え?え?ど、どういうこと?」
「まあ落ち着け。私も最初は驚いたものだ。だがあの木は何の仕掛けも無い。事実上、タロウが浮かせているんだ。」
タロウは浮かせた大木をゆっくり下ろす。
「どうだ?これで少しは私の話を信じてくれるかな?」
「う、うん。で、なにすんだっけ?」
「私を持ってくれ。」
「わ、わかった。」
明久はタロウを持ち上げる。
「私の足の裏にライブサインがあるだろ。」
「ああ、これ?」
明久はタロウの左足裏にある六角形のマークをみつける。
「そこにギンガスパークを付けてくれ。そうすれば私は元に戻れるはずだ。」
「う、うん。」
明久はタロウのライブサインにギンガスパークを当ててみる。が、何の変化も起こらなかった。
「・・・・あれ?」
「何も起こらないな。」
「そ、そんなバカな!」
西村先生がタロウを持つ。その時、ギンガスパークが何かを求めるように鳴った。
「ん?」
明久はその音が強く反応する方へ足を勧めるとそこには黒い怪獣が落ちてあった。
明久が西村先生と話している頃、トラックで逃げた二人は山道の途中でトラックを止めた。止めたのは目の前にバルキー星人の姿があった。バルキー星人は二人に近寄る。
「ダーティな人間よ、貴様のダークな感情を使わせてもらうぞ。」
バルキー星人の目が赤く光り、二人はバルキー星人の手身もっているズパークドールとダミーダークスパークに手を伸ばした。
「どうした吉井?」
「なんかこんなの落ちてました。」
明久は拾ったスパークドールを見せる。
「それはブラックキング!」
「へぇ~。」
明久はブラックキングのライブサインにギンガスパークを当てる。
〈ウルトライブ!ブラックキング〉
「え?え?」
明久は光に包まれブラックキングにウルトライブする。
「グォオオオオオオン。」
『え?え?なにこれ!』
「よ、吉井・・・・」
「なぜだ!なぜ私にはライブ出気無いんだ!」
タロウが疑問に思った瞬間、明久に電撃が降りかかった。
『うわああああ!』
ブラックキングは倒れる。
「な、なんだ!」
西村先生が電撃が来た方向を見るとそこには茶色い怪獣の姿があった。
「サンダーダランビア。まさかダークスパークの力で・・・」
『皆黒焦げにしてやるぜ。らあああああああ!』
サンダーダランビアは背中から電撃を四方八方に放電する。電撃の一部はブラックキングに当たる。
「グオオオオオオオン」
電撃が地面に当たった衝撃により突風が発生する。
「ぬおっ!」
「はやくおおきくなりたぁ~。」
タロウの断末魔の叫びも風によってかき消されてしまった。
「断末魔じゃない!」
・・・・・今のは聞かなかったことにしてください。
サンダーダランビアはブラックキングの腹部に蹴りを入れるとブラックキングの背中を容赦なく攻撃する。
『こんの!』
ブラックキングは反動で立ち上がりサンダーダランビアにラッシュする。サンダーダランビアをよく見ると山に不法投棄をしている二人組みの大人の姿があった。
なるほど、道理で前にあった感じがするわけだ。
ブラックキングはサンダーダランビアに体当たりし、片腕を両手で掴む。
『西村先生、早くそこから逃げてください!』
「バカモノ!そんなこと出来るものか!」
サンダーダランビアはブラックキングに向け放電をする。ブラックキングは倒れ、サンダーダランビアは辺りをやたらめったら放電する。
「くっ!」
サンダーダランビアの放電が西村先生の方へと来ようとしたときであった。西村先生は目を瞑った。電撃が何かに当たる音が聞こえてきて西村先生はゆっくりと目を開けるとそこには自分を庇っているブラックキングにライブしている明久の姿があった。
「よ、吉井!」
「キュィィグオオオオ!」
サンダーダランビアは腕を伸ばし、ブラックキングの首に巻きつけ電流を流す。
『うわああああ!』
サンダーダランビアはゆっくりとブラックキングに近づく。明久は苦しみながら強く思った。そしてその思ったことを口にする。
「こんな所で死んでたまるか!」
その時であった。ギンガスパークのギンガブレードが開き、一体のウルトラマンの人形が現れる。
そして明久の脳裏に闇の者に立ち向かってゆく人形と同じ姿の巨人を見た。明久はその人形を手に取りギンガスパークにライブサインを読み込ませる。
〈ウルトラーイブ!ウルトラマンギンガ!〉
明久の身体を銀河が包み込み、そしてギンガの中から巨人が現れ、大地に舞い降りた。
その巨人は頭部、両腕、両肩、両足に光る青い結晶体を身体に身に付けている赤と銀の巨人。闇のものと対を為す存在。その名もウルトラマンギンガである。
「なんだあのウルトラマンは!」
タロウはウルトラマンギンガに驚く。
「キュィグオオオン!」
サンダーダランビアはギンガに受け放電をする。ギンガは左手を前に突き出し放電を受け止めるとゆっくりと反時計回りに手を回しその攻撃を受け止める。ギンガは左手を振り、電撃を無効化する。
『す、すごい!このウルトラマン全身に半端じゃないほどの力を感じるよ!』
明久はギンガの力に感動しているとサンダーダランビアが突進してくる。ギンガはサンダーダランビアに体当たりをしサンダーダランビアを押す。
「タァ!」
体格的にサンダーダランビアの方が勝っているがパワーではギンガの方が上回っていた。ギンガはサンダーダランビアを押し返す。
「ショウ・・・ラ!」
ギンガはサンダーダランビアを逆の方向へ向けるとサンダーダランビアを背負い投げする。サンダーダランビアは悲鳴を上げる。サンダーダランビアは立ち上がりギンガのほうを向くとギンガに接近しようとする。ギンガは軽くジャンプし右膝アタックをサンダーダランビアに喰らわせ、腹部、首、顎へと右手のコンボを喰らわせる。
「キュイオオオン」
ギンガは左裏拳、右チョップ、右回し蹴りをサンダーダランビアに喰らわせる。サンダーダランビアはフラフラになる。ギンガはサンダーダランビアを持ち上げ、そして投げる。サンダーダランビアは地面をスライディングする。
ギンガは腕をクロスさせると、頭部が黄色に光り始める。ギンガは両腕を横に伸ばすと両腕の水晶体も黄色く光り始め、胸の水晶体も黄色く光り始める。ギンガは天に左手を伸ばすと突如左の水晶体から電撃が上へと放電される。空の上には大きな穴が開き、そしてそれは次第に大きくなってくる。ギンガの上には大きな黄色い銀河が広がっていた。
『ギンガサンダーボルト!』
「ショウラ!」
ギンガサンダーボルトはサンダーダランビアに直撃し、サンダーダランビアは空中へと上げられ、そして悲鳴を上げながら爆発した。爆発後、黒い光が地面に落ちてゆき、サンダーダランビアのドールスパークが西村先生の足元に落ちた。
一方その近くでは黒こげ状態の大人二人組みがいたるのだが西村先生はその二人にも目もくれずギンガの方を見た。銀河は両手のひらを上に向け両腕を曲げ、変身を解き、元の姿に戻った。
「吉井!」
「西村先生!」
「大丈夫か?」
「あ、はい。なんとも無いです。」
「そうか。で、今の巨人の人形は何処にあるかわかるか?」
「それがこのギンガスパークから出たんで多分戻っちゃったんでしょうね。」
「そうか。」
「明久、西村。」
タロウが二人に声を掛ける。
「ここで起こったことは他言無用に頼みたい。」
「え?どうして?」
「もしこのことが闇の者にばれてでもしたら君の周りの人が被害をこうむるかもしれない。それを防ぐためにだ。」
「わ、わかった。」
こうして、僕の生活は一変した。その後、タロウがウチにすむことになって僕の生活は大きく変化した。エロ本は捨てられ、ゲームはもう遊ばなくなったものは売ることにした。結構痛かったけど。でもおかげで塩と水だけの生活とはおさらばして今は一般的生活をしている。ただ一つを覗いては。
それ以外にもタロウが僕の成績を知って怒鳴り散らし、ウルトラ念力で僕を振り回されたりしたりしたけどその反動で結構勉強が出来るようになった。結構スパルタだったけどね。
それ以外にも新しいスパークドールを手に入れたり、新しい仲間も出来た。そしていよいよ明日は振り分け試験だ。頑張ろう。