Monster Hunter Delusion【更新停止】   作:ヤトラ

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 モンスターハンターデルシオン、略してモンデルの真の始まりはここからでした。
 pixivで本編と変異種編を更新していた中、当時溢れ出るモンハンへの妄想が止まらなくなり、ついに始まりました。
 それがオリジナルモンスターの創作という、かなり危ない創作です。

 この作品はフィクションであり、実在のゲームとはまったく関係がありません。作者の妄想です。
 ですがピクシブでは皆様の評価も得られ、ピクシブで読者様が応募したオリジナルモンスターも登場しました。現在は作者の意欲沈下のため、低迷していますが(汗)
 
 今回のモンハン妄想はかつて変異種の応募の際に出てきた読者リクエスト「イコール・ドラゴン・ウェポン」です。
 最初はイコール・ドラゴン・ウェポンのモンスターが見てみたい、という感想(だったかな?)をもとに、具現化してみたいと思って生まれたモンスターです。

 ではエクストラ第一弾のモンハン妄想、楽しんでくれれば幸いです。

11/4:後書きにおける説明追加(モンハン妄想について)


Extra1:「禁忌龍」

―それは、あってはならない術。

 

―それは、生物であり生物でない、造られた命。

 

―それは、忌むべき禁断の術。

 

―故に触れてはならない。目覚めさせてはならない。

 

 

~とある古文書より抜粋

 

 

 

 凍土のエリア9。

 普段このエリアは閉ざされているが、凍土に生息する獣竜種が弱まると切り開かれる。

 その先には新たな採掘場所がある為、あえて倒すのを留めておくハンターも多い。

 

 さて、そんなエリア9だが、実は未だに探索隊の手が届いていなかったりする。

 どういうわけか、ハンター達が狩り終えて帰宅する頃には再び道が塞がれるのである。

 地形上で考えると雪崩が起こっても不思議ではないが、どうも納得が出来ない、とは探検隊の談だ。

 

 そんなことを悶々と考えていた探索隊に、あるチャンスが訪れた。

 

 ある日、探索の為にハンターに氷砕竜ボルボロス亜種の討伐を依頼した。

 その後ハンターから討伐完了の連絡を確認し、探索隊は凍土へと向かった。

 当初は別エリアを調べる予定だったのだが、運が良いと評判の上官が隊長だったからか、エリア9への道が開いていたのだ。

 

 ここぞとばかりに、探検隊は急遽予定を変更し、エリア9へと足を運ぶ。

 巣へと辿り着いた探検隊計10名は周辺の調査を開始、骨や鉱石を確認する。

 

 だが、この幸運は長続きしなかった。

 運が良いと評判の隊長が岩壁に手を触れた途端、壁が崩れ、奈落の底へ落ちたのである。

 慌てた部下が穴に向けて隊長を呼ぶが、声が遠くへ響いていくだけで、一向に返事がこない。

 とにかくロープを出そうとする中、今ロープを下ろしますとまた穴に伝える。

 

 しかし隊長には届かなかった。物理的には届いているし、気絶しているわけでもない。奇跡的に体は無事である。

 ではどうしたのかといえば、隊長が松明を持って周囲を照らした途端、隊長の意識が吹っ飛んだからである。

 

 炎によって薄暗く照らされたそこは、とても広い空間だった。

 少なくとも自然にできたものではないと解かるほどに綺麗にくり貫かれているが、氷と岩が崩れて荒れ果てている。

 まるで人が掘りぬいた所を、地震か何かで崩れて埋まってしまったかのような……。

 松明を右へ左へと振って照らされた内部を観察するが、ふとある物が目にとまった。

 

 中央に置かれている、巨大な氷の塊。ただそれだけだというのに、何故か体中に悪寒が走って止まらない。

 恐る恐る松明をその氷に掲げると、氷の中に何かが埋まっているのがわかった。

 

 

 それは、氷漬けにされていた黄金のモンスターだった。

 しかしそのモンスターとは、リオレイア希少種である金火竜ではない。それどころか、この氷漬けのモンスターが生命ではないと本能的に告げていた。

 体を金属質の甲殻で覆われたそれは、伝承の絵画で見た鋼龍に酷似している。

 

 生命のようで生命でない……隊長はこの意味に覚えがあった。

 まさかこれこそが、あのイコール・ドラゴン・ウェポンというものではないのか?

 噂でしか聞いた事がないが、それは古代技術で造られた生体兵器だという。

 もしこの金色のモンスターがそれに当てはまるとすれば、これほど保存状態が良い物は無いはず。

 

 そうとなれば、これは歴史的……いや、世紀の大発見だ。

 隊長は今日ほど自分の強運を自覚した事はなかった。これだけの発見を成し遂げたのだから。

 急いで隊員達と共に帰還して報告しなければと、隊長は部下が下ろしてくれたのであろうロープへと向かう。

 

 

 

 だが隊長は知らなかった。これは幸運ではなく、不運だったことを。いや、強すぎる幸運が余計な不運を巻き込んだのかもしれない。

 この場所、この地下、そしてこの黄金のモンスターを見た時点で、彼の運命は決まってしまったのだ。

 

 

 

 隊長がロープを手に取った直後、大きな揺れが襲った。地震のような断続的なものではなく、とても大きな衝撃が襲い掛かった。

 危険だと判断した隊長はロープを手放して後方へ下がると、直後に落石で視界を埋め尽くす。

 たちどころに出口は塞がり、帰るべき唯一の道を失うどころか、この後最大の不運が襲い掛かる。

 

 

―バキン

 

 

 モンスターを閉じ込めていた氷が砕け、金色の巨体が地面に伏す。

 

 

 そして―――目覚めた。

 

 

 キリキリと金属と金属が絡み合うような音が小刻みに鳴り、その四肢が動き出す。

 伏せていた体を起こして四つん這いになれば、その長い首を持ち上げて天を向ける。

 紅い眼が開かけば妖しく光り、背中に生えている一対の細い何かが展開する。

 

 その細い棒が三角形を描くように開かれると同時に、金色の身体に電撃が走る。

 雷光虫も無いのにジンオウガを上回る電力を見せつけ、全身の至る箇所を稲妻が舞う。

 そして驚くべきことに、開かれた棒に薄い膜のようなものが展開し、翼となった。

 

 

――――――!!!

 

 

 鼓膜が破れるどころか体が吹き飛ぶほどの大咆哮。

 金きり声を上回るほどの不協和音は、鼓膜を引き裂かんばかりに甲高く、雑音が入り混じっていた。 

 だがそれよりも大音量を上げ、男の意識を吹き飛ばしたのは、轟く落雷。

 

 

 

 幻獣キリンに勝るほどの電撃が、辺り一面を消し炭に変えた。

 

 

 

 この後、隊長と黄金のモンスターがどうなったのかは解からない。

 解かるのは、先ほどの地震の正体は、恐暴竜イビルジョーが原因だということ。

 エリア9に突如として出没した彼は、隊員を喰らい、穴を体当たりで塞いだのだ。穴を塞ぐどころか雪崩と落石によって自分ごと埋められてしまう始末。

 その巨体からすれば怪我を負う程度で治まるので、イビルジョーからすれば無問題だが。

 

 

 暴食の塊でしかないイビルジョーが何故このような奇妙な行動に出たのか。

 それは簡単だ。恐れていたのである―――地下で目覚めた黄金のモンスターに。

 恐れていたのはイビルジョーだけではない。凍土中の小型モンスターは怯えて洞窟に隠れ、大型モンスターですら下手に動かず身構える程。

 イビルジョーが向かうことが出来たのは、彼が凍土で一番強いモンスターだという証なのかもしれない。

 

 

 実際に姿を見せたわけでもないのに、咆哮だけで生物が、そしてあの恐暴竜ですら恐れる。

 恐るあまり自らを犠牲にしてまで出入り口を塞ぎ、発見を無かったことにさせる。

 それほどまでに自然界から恐れられているのだ、あの黄金のモンスターは。

 

 

 

 目覚めた後、死んだのか、あるいは生き延びているのかは定かではない。

 そもそも、あれは生きているのか、本当にイコール・ドラゴン・ウェポンなのか。

 解からないことは多々あるが、確かなのは、造られ、封印され、目覚めたということ。

 

 

 

 将来その存在が明かされるかは知らないが、名だけは伝えておこう。それは明かされることのない禁忌の名。

 

 

 

禁忌龍―――オルガ・ノゾイオン。

 

 

 

 その名を知られることは、今は無い。

 

 

 

 人が見えない所にも、モンスターは生息する。むしろ人間が知らないだけで、世界には未知の領域が沢山ある。

 今回のような隠しエリア……「地下遺跡」は、そんな未知の世界の一部に過ぎない。

 より広く、より豊かで、より多くのモンスターが住み、そして未だ人が見つけられていない生息地。

 

 

 

 我々が知りえることのない、未知のモンスターハンターがそこにはある。

 

 

 

 ハンターよ、高みを抱け。未だ知られていない世界を歩む為に。

 

 

 

―完―




 名称:オルガ・ノゾイオン(ギリシャ語で道具の生き物)
 別名:禁忌龍
 種族:不明(イコール・ドラゴン・ウェポン)
 出没地:不明
 特徴:金の甲殻・骨格はミラ系・エナジーウィング・機械じみた身体
 全身を金色の金属で覆われた謎のモンスター。生物であって生物でない気配を漂わせる。
 凍土の地下深く氷漬けになって眠っていたが、昨今の地震により氷が割れ、目覚めた。
 単体でありながら異常な程の電力を蓄えており、特異的かつ多彩な電撃技を多く繰り出す。

 強大な力を持っていたという生体兵器「イコール・ドラゴン・ウェポン」。もしゲームに出るとしたらきっと無理ゲーなんでしょうね。怖い怖い。

 にじファン時に貰ったアンケート「イコール・ドラゴン・ウェポン」です。
 細かいアンケート内容を忘れてしまったのでどうしようかと悩んだのですが、「ならいっそ機械竜でも作ってみようかな?」という発案の元に造られました。
 ご期待にあわなければすみませんでした(汗)

 ですが古代技術と強大な力ってカッコイイ雰囲気がありますよね。中二爆発な設定ですが、それでも憧れる人は少なくないはずです。
 そんな私が作ったのが、金の機械龍です。禁忌龍と名づけたのもそれが理由(笑)
 クアルセプスやジンオウガのような、外部に頼ることない電力を発生させる能力があります。
 機械あるいは造られた物ならではの特徴を出したいと思った結果生まれたものです。


 さて、モンスターハンターデルシオン、またの名を妄想モンハン、いかがでしたか?

 この作品を読んで「こんなモンスターいたらなぁ」という妄想を広げ、あわよくば作者の活動報告に妄想をぶつけてみてください。
 掲載するかどうかは全く未定、さらには低迷している為おきっぱなしにするかもしれませんので、ぶつけるだけでも満足!という方のみお願いします。
 できれば感想ではなく活動報告に入れてくれるようお願いします。

 ただし、作者は以下のような設定を苦手としています。
 ・中二的設定
  作者にもオルガ・ノゾイゾンという設定があるとはいえ、ポンポン凶悪な設定を造らないでください。伝承だけなら可。
 ・明らかに度の過ぎた力
  神越え・無限・宇宙越えなど、生物としてはありえない能力。ミラ系統や刻竜ですら限度はあります。あくまで自然界に生息するモンスターとして設定してください。
 ・最強や世界一など
  モンスターハンターにとって最強は無い。それぞれの個性を生かして生きていくのがモンスターハンターの自然界です。全てを差し置いて最強を名乗らないでください。
 ・その他、やりすぎだと思う設定は基本的に無視します。
  何事もやり過ぎないことが肝心だと私は思います。妄想だからいいじゃないと思うでしょうが、なんでもかんでも最強クラスを作っては自然界に争う意味がありません。

 作者にとってモンスターハンターの最大の魅力は「魔法や超能力を持たないこと」です。
 ミラ系統といった伝承系というのは伝承だからこそ与えられた力です。ぽんぽんとそういったモンスターが生まれてはつまらないと私は思います。
 私にとって優秀と思えるモンスターは「強いモンスター」ではなく「独特の経緯と特徴を持ったモンスター」ですので。
 どうかご理解とご協力の方をよろしくお願い致します。

 では今後も「ヤオザミ成長記」を含め「モンスターハンターデルシオン」もよろしくお願いします。

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