Monster Hunter Delusion【更新停止】   作:ヤトラ

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PV3を見たら妄想が止まらなくなったんです。乱雑でしょうが即座にかけました(笑)

これが私なりの、そして読者なりのモンスターハンターの新しい楽しみ方だと思いたいです(笑)

後書きにて発表があります。



Extra7-1:「未知なるG級」

―またG級が出た。

 

―今度は原生林に現れたらしい。

 

―物凄く強いガララ・アジャラが出たそうだ。

 

 バルバレギルド管轄の集会所に顔を出すハンター達の間で囁かれている噂だ。

 動く集会所バルバレとはいえ、新たな地域への調査は徹底しており、新たな地域はもちろん新たなモンスターの生態への調査は欠かさない。

 そんなバルバレギルドが当初から実施されているのが「G級ハンターの養育とG級モンスターの調査」。

 養育とはいってもこちらが支援するわけではなく、バルバレで登録されているハンターがG級になれる素質がある場合、緊急クエストと言う名の試練を設ける。時が経たなければならないのがネックだが。

 もう1つの調査が本腰。世の中は常に強弱の差が生じており、強いモンスターが出没したとなれば抑制をかける必要があるからだ。

 何せ迂闊にハンターを投入しようものなら死亡者が増えるのは必然。そして当然ながら行商やキャラバンも被害に合うだろうから、一時ギルドが立ち入りを禁止させる。

 

 そしてそのG級モンスターの調査を行うのが―――ハンターズギルドの精鋭部隊「ギルドナイト」の出番である。

 

 

 

―――

 

(霧が濃いな)

 

 早朝の原生林に立ち込める寒気が霧の水分と合わさることで寒気を覚えるが、青年アークザットにとっては大した事ではない。

 むしろ問題なのは視界だ。周囲を白く染める霧は少し距離を置くだけで影りが生じ、はっきりとした色彩を移すことができない。

 しかしアークザット……彼を含めたギルドナイトにとって濃霧とは大きな障害になりえない。

 

 ギルドナイトとはギルド専属のハンターだ。依頼主との交渉はもちろんの事、密猟者の取り締まりや未確認モンスターの調査も行っている。

 それと同時に黒い噂も絶えない存在ではあるが、その多くは謎に包まれている。噂では違反するハンターを狩ったとも言われているが、それが明らかになることはないだろう。

 そんなギルドナイトでハッキリと解っていることは、いずれもハンターでありながら超越者であるかのような強さを誇っていることぐらいだ。

 

 そんなバルバレギルド直属のギルドナイトであるアークザット他3名の任務は「原生林に出没したG級モンスター及び未確認モンスターの調査」だ。

 12名の中でも特に勘が鋭いとされるアークザットを含め、残る3名も一団と優れた能力を保持しており、この任務の重要性がわかるだろう。

 何せG級はともかく未確認モンスターが、既に一般ハンターにも知られているフィールドに出没したとなれば調査せざるを得なくなる。

 責任感の強いアークザットは事の重大さを改めて感じ、より注意深く周囲へと気を配り、気配を探しながら行動を再開する。

 

 そしてアークザットは発見した。霧の中で佇むガララ・アジャラの姿を。

 距離にして5m。柱の物影に隠れて伺っているとはいえ下手をすれば発見されかねないが、ギルドナイトの視力ですらこの距離でないと見えないからだ。

 しかしアークザットの目には明確な色彩が混ざり、ガララ・アジャラの風貌が一目瞭然だった。金冠サイズに届きそうな巨体を持つ蛇竜種を見上げながら、アークザットは観察する。

 大きな傷は歴戦の証、傷の数が少ないのは治癒能力が高くなった証、そしてアークザットの感じる強者の印象はギルドナイトですら脅威を覚えさせるほどの強さを秘めている証。

 アークザットは冷静に見た目だけで判断する中、いかに仲間と連絡を取るかを考え……思考を停止した。

 

 霧の中に紛れて新たな影が現れたからだが―――影のみとはいえ、その姿は奇妙の一言に尽きる。

 地上から細長く伸びる影。この影の形状からガララ・アジャラと同様の蛇竜種と推測されるが……ガララ・アジャラにしては随分と細い。

 そして細く伸びる影の先は、菱形に鬣のような6本の棘が生えた形をした影。これはなんだろうか。

 

 やがてその影はガララ・アジャラに発見され、視線と体の向きがそちらへと向けられる。幸い、バインドボイスを上げるほどには至らなかったようだ。

 しかし影は身体を揺らしており、まるでガララ・アジャラをからかっているかのよう。陽動か何かだろうか?そうアークザットは推測する。

 

 やがてガララ・アジャラはバインドボイスで攻撃の意を示した。アークザットは咄嗟に耳を塞ぎこれを対処。

 対して影は急に姿を消した。恐らくは蛇竜種らしく身体を地面に這わせ移動しているのだろうか。

 姿を晦ましたことで周囲を見渡すガララ・アジャラ。下手をすればこちらの存在に気づく恐れがある為、アークザットはすぐさま距離を取ろうと後退る。

 

 

 その時、アークザットは目撃した。

 

 

 霧で白みがかっているとはいえ、ガララ・アジャラの身体に細長い何かが這って昇るものが見えた。

 菱形の左右に棘のような物を生やしたもの……先ほどの影の正体であろう赤黒い蛇竜種が自身の倍は太いガララ・アジャラの身体に巻きつきながら昇ってくる。

 そのスピードは尋常ではなく、甲殻やトサカでデコボコしているはずのガララ・アジャラの身体に遠慮なく巻き突き、するすると首元へ向けて登っていくではないか。

 振り払おうとするガララ・アジャラだがその前に赤黒い存在がトサカの部分まで辿り着き、その間を通ってガララ・アジャラの首を絞める。

 締め付けられて苦しむガララ・アジャラが暴れるが、胴体であろう菱形の部分はガララ・アジャラの頭、ひいては目に紫色の何かを霧状に噴出し続けている。

 

―ゴキリ

 

 嫌な音を立てた直後、ガララ・アジャラは僅かな間だけ硬直し、やがて持ち上げていた身体が地面に伏す。

 首を折られたとはいえ、G級と思われる狡蛇竜を一瞬で倒す。これはギルドナイトとしての経験と直感が物語る。このモンスターは危険だと。

 この事はすぐに報告すべきだと浮かんだ直後、アークザットはかすかに感じる気配を頼りに、先ほどの蛇竜種に見つからないよう行動を開始する。

 

 

 

 しかし、この時アークザットは懸念していた。報告と逃走を優先すべきだと思考していたとはいえ、気配が()()あったことに気づかなかったことを。

 

 

 

 そしてガララ・アジャラを殺したこの蛇竜種が2体1組となって狩りをする番いだということを、彼は知らなかった。

 

 

 

 

 

――アークザットは振り向いた直後、1対の巨大な目玉模様が描かれた菱形の胴体を揺らし、チロチロと舌を出す蛇竜種の姿をハッキリと見ることになる。

 

 

 

 

―――

 

 アークザットの生存の有無は明らかになっていない。

 しかし原生林での発見は他のギルドナイトに伝えられ、新たな脅威があることが発覚される。

 さらに謎のモンスターの確認はバルバレ管轄だけでも多数寄せられており、これらの調査はいずれハンターに協力を仰ぐことになるだろう。

 いずれにしろ、G級に生息する新たなモンスターの生態明らかにすべく、ギルドナイト達は今日も駆けつける。

 

 

―バルバレが管理するGの世界。それは果てしなく広く、多彩なモンスターがあることを知らしめることとなる。

 

 

 

―完―




 名称:アサラ・シジャラ
 別名:酷蛇竜(コクジャリュウ)
 種族:蛇竜種
 硬質でありながらゴムのような柔軟性を持つ赤黒い皮と、巨大な目玉模様が描かれた菱形の胴体、そこから鬣のように広げた爪が特徴的な蛇竜種。モチーフはキングコブラ。
 湿地を好んで生息している。体内の水分や毒素を噴霧させ霧を生じさせ、それに紛れて忍び寄り、即座に獲物に巻き付いて絞め殺す。非常に残忍かつ警戒心が強い。
 番で狩りを行う習性を持っており、蛇特有の独特的な声でコミュニケーションを取りながら陽動役と攻撃役に分かれて行動する。決まった役は無く、臨機応変に対応する。

 モンスターハンター4Gの最新PVを見て妄想が止まらなくなりました。
 なので此度は久々に、pixivでしかやっていなかった(と思われる)、「例の企画」を再開します。

 詳しくは作者の活動報告「デルシオン4G」をご覧ください。

 短い上に乱雑でしたが、どうか勘弁してください。楽しんでもらえたのなら幸いです。
 ではでは!来るべきGの世界にときめきつつ、妄想で楽しみましょう!

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