空の碧は全てを呑みこみ、それでも運命の歯車は止まらない   作:白山羊クーエン

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そして少女は動き出した

 

 結局そのまま起きなかったロイドとともに特務支援課も長かった一日を終えた。ロイドに関してはキーアによる『知らない情報が流入したことで頭がパンクした』という尤もらしい説明があったために彼らの心配も消え、その日終盤に起きた台風のような事象に疲れきっていた彼らは泥のように眠りに就いた。

 そして翌日、無事に全員起きた特務支援課は前日のこともあってかキーアに対してやけに接触が多くなった。ロイドが首をかしげていたのは言うまでもない。彼はアリアンロードなる人物の来訪は覚えていたが、自身が口にしたその名前は覚えていなかった。

 

 さて、キーアによる自身の説明によってますます教団の存在を確信し、かつ少女の身の危険を理解した彼らは今後の行動方針をグノーシス服用者の情報収集とキーアの安全保持の二つに分けた。専ら後者についてはセルゲイに一任するとして、今日ばかりは支援要請もほどほどに前者に力を注ごうと考えていた。

 そのために必要なのはまず友軍への情報提供である。キーアの言葉を信じれば今日は今回の事件のターニングポイントになるだろう。そのため友軍――遊撃士協会に今日が非常に大事になる旨を告げる。ミシェルは深く追求することもなくそれを受け入れ、遊撃士の一層の注意を約束してくれた。

 これで支援課も安心して調査に迎えるが、その調査も結局は時間潰しの意味合いが強い。本命はヨアヒムによる成分調査の結果待ちなのである。

 例えわかりきっていることでも正式な結果があるのとないのとではまるで違う、あの薬物がグノーシスであることが判明した時点でこの事件は大陸全土に及ぶ重大事件に変貌する可能性があるのだ。

 遊撃士協会にもグノーシスなる薬物の存在は報告してある。市民に密着した遊撃士ならではの情報にも期待できるだろう。

 

 唯一のネックは風の剣聖が未だ出張から帰っていないということか。本日夕刻には帰ってこられるらしいが、そのタイミングの悪さが妙に気になった。

 

 そして少女の予言する終わりにして始まりの一日は、薬物依存者の失踪から始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「現在消息不明なのは確認できる限りで14名、この他にも失踪している人はいると思う」

 ロイドは捜査手帳を眺めながら呟く。

 事の発端はビクセン町長からの通信だった。ホテルで寝ていたはずのガンツがいなくなったという。元よりガンツの元を訪れようとしていた支援課はホテルに急行、ビクセンから事情を聞いたがガンツの行方は杳として知れなかった。

 手分けしてグノーシス服用の疑いがある人物を訪ねたが、その誰もが姿を見せることはなかった。その中にはアルカンシェルの劇団員やサーベルバイパーのメンバーもいた。

 思ったよりも範囲が広い。職業や性格から予測する行動範囲による特定はできそうもなかった。

 

「どうする?」

 ランディが問う。支援課がすべき最優先事項は成分分析だが、それはヨアヒムに一任していて彼らにできることはない。支援要請を進めてもよかったが、彼からの連絡がいつ来るかはわからないので憚られた。

 つまり、今彼らができることはないのである。

「遊撃士協会に行きましょう。失踪者が出たというこの現状を知らせるべきだと思うの」

「ですね。尤も既に知っているかもしれませんが」

「そうだな……っと」

 ロイドはかかってきた通信を取る。そこには珍しく焦ったような声を出すダドリーがあった。

 

「お前ら、ルバーチェと何かやらかしたのではないだろうな!?」

「……どういうことです」

「知らないのか? ち、ならいい!」

 そう言ってすぐに切られる。一定の機械音が流れる中、ロイドはエニグマを見つめて思案していた。

「ダドリー捜査官は何て?」

「ルバーチェに何かあったみたいだ。こっちに情報がないとわかるとすぐに切ってしまったけど」

「……つまり、この後の行動が決まったってことでいいんだよな、ロイド」

 そう言ってランディは口端を上げた。考えていることは百も承知か、三人も頷く。

 エリィがギルドに通信を入れると、ミシェルはアリオス以外の遊撃士の情報を教えてくれた。エステルとヨシュアはアリオスの娘シズクを連れてクロスベルを周っている。リンとヴェンツェルは市内巡回、エオリアはマインツに、スコットはアルモリカ村にいるそうだ。その両人ともすぐに戻ってこれる依頼らしい。

 

「市内のことは遊撃士に任せられる。俺たちはルバーチェ商会に向かおう」

「待って。もう一つ連絡先があるわ」

 エリィは更にエステルのエニグマへと通信をかけ、シズクと遊んでいる二人にキーアを混ぜて欲しいと頼んだ。快い返事をもらい通信を切る。

「これで、万全を期せる――」

 セルゲイにキーアの安全を任せてはいるが、万が一彼一人の手に負えない事態が起こった場合の保険として彼女は遊撃士二人を頼った。

 キーアが支援課ビルにいることは少し調べればわかってしまう。それなら市内を巡ることで襲撃の可能性を低くし、かつ優秀な人材にも託すことができるこの選択肢を選んだ。

 何より、キーアに事件とは関係なく友人と過ごして欲しかった。

 

「最悪、市を離れるかもしれないからな……」

 ランディが言う可能性は決して低くない。

 教団が狙うに足る要素を持つキーアの安全を考えれば、国外避難は考えられる選択肢だ。その場合大陸全土に及ぶ網を持つ遊撃士に頼ることになるが、彼らの手を離れても安全で幸せならそれもいいと考えていた。

 このことは本人には話していないが、おそらく理解していることだろう。そんなことには聡明で、少女の力が無知を許さなかった。

「行きましょう」

 ティオが歩き出す。四人はそうして二回目となる虎穴に赴いた。

 

 

 ルバーチェ商会本部は閑散としており、まるで廃墟のようだった。ティオの策敵に引っかかったのは一つのみ。その反応は途方に暮れているアレックス・ダドリーのものだった。

 ダドリーは面を食らった様子で彼らを見つめ、文句の言を数個述べた後に詮無い事だと感情を殺した。それは彼らが今からここを捜査する、という無鉄砲さに呆れると同時に、それが必要なことだと理解していたからに他ならない。

 

 ダドリーによるとルバーチェが消えたのは昨夜のことだった。確かに捜査一課の定期報告には水面下で動いているような反応はあったが、黒の競売会以降遊撃士の捜査やハルトマン議長の尻尾切りによる混乱の収拾だと思われていた。

 それが今回謎の薬物の流布を契機として一気に姿を晦ませてしまったのである。

「ガルシア・ロッシも事態に困惑していた。だから私たちも当面の動きはないと思っていたのだが……」

 どうやら間違いだったようだ、とダドリーは歯を食いしばる。

 彼の組織において絶対の信頼を得ているガルシアに動きがなかったことが油断に繋がったという事実は、まだ真実への道を開く情報にはなっていなかった。

 

 既にこの状況は謎の薬物にルバーチェが関わっているということの肯定であるが、捜査令状がない以上正式な捜査ではない為見つけたものによる証拠能力はない。

 だがこの先クロスベルで起こることへの情報にはなり得た。元より未然に事件を防ぐ為に彼らは動いているのだから是非もない、その他の案件など事態を終結させてからいくらでも捜査できるのだから。

「これよりお前達には私の指揮下に入ってもらう。いいな?」

「了解です」

 大型の軍用拳銃を携えたダドリーは眼鏡を押し上げ、まずは応接間へと足を踏み入れた。全三層でなるこのビルの一階は外部の人間を迎え入れる場所である。その豪奢な造りはマルコーニ会長の趣味であるが、逆にその趣味を前面に出したこの部屋だからこそ、ルバーチェにとっての重要なものが隠されている可能性があった。

「応接間は最後の場所だ、まずはそれを開く為の条件を見つける。おそらくそこに至るまでの鍵は別の場所にあるはずだ」

 ダドリーは慣れた手つきで部屋を調べる。支援課もそれに倣った。

 ティオは魔導杖で探知を行い目に見えない部分を探す。やがてダドリーは壁に飾られた絵画の裏にある二つの鍵穴を発見した。

 ダドリーは嘆息する。こんなあからさまな場所に取り付けるなどよほどの馬鹿でしかない、と。おそらくマルコーニの思考回路は他者に対する非情さよりも自身の欲望による行動のほうが位が高いのだろう。

 

「これに合う二つの鍵を見つける。玄関左からは地下への入り口、右には最上階までの階段となっているのでおそらくはその先に一つずつあるだろう。二手に分かれるぞ、オルランドは私と来い」

「らじゃッス!」

 ダドリーは迷いなくランディを指名する。それは彼が銃による中遠距離を主体としているからだ。

 捜査官であるロイドを呼べばもう一方のリーダーがいなくなるし、エリィとティオは彼と得意距離が近い。故にランディという選択だったが、一方でそれによる戦力の偏りも懸念していた。ダドリーは支援課の一番の実力者がランディであることに気づいている、それも圧倒的なまでに、と。

 それでも今はこの選択が一番だと考えていた。自分が早く終わらせて援護に向かえばいい、そのためには優秀な相棒がいるに越したことはない、と。

 本当ならば一人で担当したかったところだが、ルバーチェ本部の規模が把握できていない以上マンパワーも必要だった。そう、戦闘面の相性も踏まえこそしたが彼にとってランディは手数の強化という意味合いしかない。

 彼はまだ、支援課を信用していなかった。

「地下には私が行く、上は任せるぞ。バニングス、紛いなりにもお前は捜査官だ、ヘマをするなよ」

「了解です。お気をつけて」

 

 

 

 

 さて、この二組は別の場所に赴いた。ダドリーとランディは地下へ、ロイド・エリィ・ティオは三階へ。

 彼らが赴いた先、それはルバーチェの資金源にして貿易都市の象徴だった。地下にあったのは巨大な魔獣保管所。そこにはクロスベルに存在しない魔獣が違法で取引されている実態がそのまま残っていた。

 前述したようにそれらに証拠能力はない。ダドリーは改めて再捜査を誓った。

 一方でロイドらは三階の壁面から別の棟への侵入に成功、そこは魔獣倉庫ではなく武器庫だった。夥しい銃器の群れはそれだけで異界を形成する。狭まった通路は無機質で、まるで銃器そのものに取り込まれてしまったかのようだった。

 そう、違いはそれだけ。そして残るは共通点。

 どちらも趣向を凝らしたギミックが取り付けられており、高圧電流の流れる通路や上下動を繰り返す階段など、違法取引の証拠品を扱うにしては遊び心満載だった。とはいえ実用性がないはずもなく、おそらく侵入者に対する時間稼ぎの意味合いもあるのだろう。

 そして時間稼ぎをする一方で、人間が来るまでもなく彼らを排除する機構も存在した。両組はほぼ同時に、その白血球のような自衛手段と交戦することになった。

 

「ッ! こいつらは――」

 ランディがハルバードを構える中、やってきたのは人間の頭部ほどの大きさのボールにキャタピラがついたようなオーバーマペットが三体。内蔵されたカメラが中心部にあり、ズームをして二人の顔を捉える。

 データバンクに照会したそれらは二人を侵入者と判断。その頭上に備えた銃で攻撃を開始した。

「ち!」

 ランディが射線上から逃れる。同時に迫り来る壁を蹴ってオーバーマペットの上を取り一閃、銃を破壊した。

 その一撃で勝負を決めようとしていたが結果は伴わない、舌打ちしたランディはオーバーマペットの後方に着地して振り向き様に更に一閃、カメラを破壊する。これで無力化は成功、ランディは次の獲物へと視線を向け、既に沈黙している二体を見た。

「へ?」

「遅いぞオルランド、あの程度の敵一撃で仕留めろ」

 ダドリーは油断なく銃を構え歩き始める。オーバーマペットを見てみると、その中心部には一つの綺麗な風穴があった。軍で使用する拳銃の威力を思わせる。

 当然反動も強いはずだが、彼の鍛え上げられた肉体にとってその衝撃は心地良い。それほどまでに彼は長年これを愛用してきた。

 

「おそらくは結社からの流用だろうが、全く厄介なものを作り上げたものだ」

「……結社を知ってんのか」

「当然だ、それよりもお前が知っているほうが驚き……でもないか」

「――へぇ、やっぱ知ってんのかよ」

 ランディが挑発するように歪に嗤う。しかしダドリーは気にした風もなく答えた。

「結社を知る一課がお前のことを知らないはずがないだろう、赤い星座は考えようによっては結社よりも注意すべき存在だからな」

 猟兵団は金が全てだ、故にその行動は突拍子もないことがある。

 れっきとした目的がある組織なら行動予測も可能だが、ことその目的が金銭である場合、それは例外になる。猟兵団とはそういう例外だった。

 ランディはそうかい、と呟きハルバードを背負う。自分がいた場所のことについてはあまり平静ではいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 オーバーマペットの存在には驚いたものの、二組は無事に鍵を手に入れた。応接間にて差し込むと、中央にあった長テーブルがずれ、地下に続く階段が現れる。これもダドリー曰くマルコーニらしいとのことである。

 先に進むとそこは赤い絨毯の一本道、遥か彼方には行き止まりの証として扉があった。

「……気をつけろ、罠がある可能性がある」

 ティオの探査後、ダドリーを先頭として進む五人。それぞれが注意深く観察するが特に異常はない。魔導杖にも変わった反応はなかったのだから当然だ。

 しかし――

「――ッ!? 皆さん!」

 扉まであと少しというところでティオが叫ぶ。即座に全員が跳び退り前方を睨んだ。

 ――生体反応ヲ確認、迎撃ヲ開始シマス――

 不意に聞こえた機械音、それを伴って空間を歪曲させて現れたのは赤いオーバーマペット。その大きさは今までのものを遥かに上回り、人間二人分ほどの大きさだ。人間を模した身体、その背中にはミサイルを積んでおり、手にするのは極大の刀。

 人間を容易く真っ二つにするだろうそれを携えて、武者人形『レジェネンコフ』はスラスターを噴射して襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 アルカンシェルは完璧主義者が集う場所だ。日々高みを求め、現在の自分に満足しない。そんな集まりだからこそクロスベルの看板を張れる劇団になったのだろう。

 そんなアルカンシェルの空気が、今は重い。稽古においてもいまいち集中しきれていない様子が見て取れた。

 それに異を唱えるイリア・プラティエだが、はっきり言ってしまえば彼女もそこまでを他人に求めているわけではなかった。自分はそうでも、他者までもがそうなれると思えるほど彼女は傲慢でも視野狭窄でもなかった。

 

「…………」

 その中で、昼食に出かけたリーシャ・マオは思案に耽る。彼女こそがアルカンシェルの中で唯一事情を把握している人物だ。

 ルバーチェが消えた、あの不可解な襲撃の後に……

 リーシャが思うのは黒月襲撃の達成度である。ルバーチェの尖兵は黒月襲撃の際、支部長であるツァオを出張らせるまでの侵攻を成した。それもガルシア・ロッシ抜きで、である。

 そんな好材料があったにも関わらずルバーチェは消え失せた。今州で重要なのはとある薬物の存在であり、彼女自身黒月からそれの調査を打診されているが、このタイミングではルバーチェが黒なのは間違いないだろう。それならば襲撃の際の身体能力にも頷ける。

 しかし、彼らが失踪するということは何か大きな間違いを犯したのだろうか。これが突然の事態に対する苦肉の策でないのは間違いない。なぜなら、常にルバーチェを監視していた捜査一課が消失を見逃したのは、警察に寄せられた空港爆破予告に対し、上層部が監視要員を向かわせたからである。

 おそらく上層部に圧力をかけてそうさせたのだ、故にこれは間違いなく計画したものなのである。

 ルバーチェの失踪が資金を得たことによる雲隠れならば極論であるが問題はない。しかしもし、もしこれがルバーチェの手に負えない事態になったことの証明ならば――

「誰か、いる……」

 ハルトマンではない、別の黒幕がいる。その人物がルバーチェを操り、薬をばら撒かせ、そしてルバーチェを消したのだ。

 

「あれ、リーシャ」

「え?」

 歓楽街、あと一歩でアルカンシェルというところでリーシャは振り返る。そこにはアイスを持ったエステルとヨシュア、そしてシズクとキーアの姿があった。

「エステルさんにヨシュアさん。それと……」

「あ、初めましてだよね。こっちがアリオスさんの娘さんのシズクちゃん、こっちが今特務支援課で預かっているキーアちゃん!」

 お辞儀をするシズクに対し、キーアは目を見開いてリーシャを見る。その反応にリーシャは困ったような顔をした。

「えと、リーシャ・マオです。よろしくね」

「……うん、よろしく、リーシャ」

「キーアちゃん?」

 何かを堪えるようなキーアにシズクが訝る。なんでもない、と笑った少女は改めてリーシャを見た。

 リーシャは少女の瞳が自分を見ていないかのような感覚を受けた。

 

「リーシャ、練習かい?」

 ヨシュアが問う。両手に持つアイスがなぜか似合う気がするのは気のせいだろうか。

「ええ、ちょっと心配事もありますが、これをやらないと始まりませんから」

「……そっか」

 ヨシュアは納得し、ベンチへと促す。彼女の練習の邪魔にならないようにする配慮だ。

 それに気づいたエステルもまたね、と別れの言葉を告げてシズクの手を引いていく。知らず嘆息したリーシャはしかし、未だその場に残っている少女に気がついて声をかけた。

 

「キーアちゃん、どうしたの?」

「……ねぇリーシャ、リーシャはロイドたちのこと好き?」

「え?」

「…………」

「…………そうね、うん。時々羨ましくなるくらいに」

 突然の問いに面を食らったが、その真剣な表情に応えるように素直な気持ちを口にした。

 そう、羨ましい。リーシャ・マオは光を放つ全ての人が羨ましく思える時がある。

 そう口にして、ああ、と自分の気持ちを理解した。届かない太陽の光が羨ましく、妬ましく思える。

 それでも自分は、その光を浴びていたいんだと、光になりたいんだと、そう理解した。

 

「リーシャ、助けて」

「え……」

「ロイドたちのことを助けてあげて……キーアには、お願いすることしかできないから」

 少女はそう言って俯いた。彼女自身、無茶な願いだとわかっているのだろう。

 一方でリーシャは、まるで少女が自分の事情を知っているかのような物言いに内心で驚愕していた。しかしあくまでその願いは抽象的なもの、確定した言い方でない以上、今が銀ではない以上、リーシャ・マオが用意した答えは一つしかなかった。

「――わかった。何ができるかはわからないけど、約束する」

「ありがとう――――。リーシャはみんなを羨ましいって言うけど、キーアはリーシャが羨ましいよ? だって――」

 

 あんなに強いもん――

 

 その言葉に、桔梗の瞳が見開いた。

 

 

 


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