転生したけど普通に生きたい!!……え?ダメ?   作:紫蒼慧悟

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弾のIS何にしようかなぁ…
ラーズアングリフかな?
ゲシュペンストシリーズのどれかにするか…
ズィーガーリオンもいいなぁ…


失敗とか有り得ねえから!!!

今現在、俺…織斑四季の病室は冷戦状態だ。

妹(箒さん)VS姉(変態兎)だ。

「アレ?なんか私だけおかしくなかった、しーくん?」

「気のせいだな。それより箒に何して怒らせたんだよ?」

そこが気になる。

一夏は溜息をついて観戦している。

なんでコイツのんびり観戦してんの!?

「またかよ…」

え!?

いつものことなのこれ!?

な~んだ、心配して損した…

じゃあ、睨み合ってるだけだし放置しよ…

てか、昨日は夜更しにラノベ読んでたから眠いんだよ…

「一夏、俺寝るからアレが終わったら起こして…」

一夏の返事も聞かずに俺は意識を眠りの底へと沈める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏に起こされた時、そこにいたのは一夏だけだった。

「二人は?」

「帰った。」

え?束姉も?

俺に何か用事があったんじゃないの?

それともいつもの気まぐれ?

「じゃあ、俺も帰るから」

「そっか…気をつけてな」

「おう」

夜は嫌いだ。

「お前は一人だ」

そう言われている気がしてならない。

だから何時もふて寝しているか、暇つぶしで睡魔が来るのを待っている。

だが、今日は姉妹喧嘩をやり過ごすために昼寝してしまったので睡魔が来ない。

もうすぐ日が沈む…

まあ、まだ寝ないからいいんだけど…

「一人はつまんないなぁ…」

口から漏れる言葉に答えてくれる人はここにはいない。

もうすぐ夕食が運ばれてくるんだろうが、病人食ってあんまり美味しくないんだよなぁ…

一夏の御飯食べてみたいなぁ…

姉さんと束姉から聴いてる話だと普通に美味しいって聞いてるし…

「こんな体じゃなければなぁ…」

またもや漏れた言葉に今度は答えてくれる人がいた。

「ふっふっふ。その願い叶えてあげよう。天才の束さんがね!!」

ベッドの下から現れたのは人ではなく天災だった。

てか、帰ったんじゃないのか?

「なんか用?」

「あれ、すっごい冷めてる!?」

だって、それ前に見たし…

「で?」

「しーくん、冷たい!!

 でも、そんなしーくんも束さんは大好きだよ?」

ショタコン?

え?

え~…

救いようがねえな…

「まあ、俺も束姉は嫌いじゃないけどさあ…」

「うわ~い。相思相愛だね、しーくん」

すぐにご機嫌になる…

都合がいいな、この人…

というよりは…楽しそうだな、の方が正しいのか?

「それで、しーくん…叶えてあげようか?」

さっきの続き…

束姉の言葉通りの意味ならこの人には俺の体をどうにかする手があるのだろう。

だが、いまいち不安だ…

「できるの?」

「ISを私達で作ったことによって世界の技術水準は跳ね上がった。

 それは、医療分野にも言えることなの」

それはわかってる。

おかげで俺の寿命も伸びたんだから。

だが、それでも俺の体は治らなかった。

いや、正確にはそれでもこの体の脆弱性がわからないんだ。

「IS技術を使用した新型治療法でも考えついたの?」

心の中では有り得ないと思いつつも、「この人なら…」って、考えている自分がいる。

「うん。束さんが考えた治療法だけどね」

だから、この言葉を聞けたときは正直嘘でも嬉しかった。

「しーくん、どうして泣いてるの?」

涙が流れていた。

こうゆう時の涙って止めようと思っても止まらないって小説とかに書いてあったけど、

本当なんだな…

嬉しくて止まらないよ…

「なんでもない…なんでもないから…ちょっと待って…」

袖で拭っても拭っても涙が止まらず、無駄に袖が涙を含んで濡れていくだけだった。

ふわり、と。俺の体を何か優しくて暖かいものが包んだ。

束姉だった。

俺は束姉に抱きしめられて頭を撫でられていた。

束姉は何も言わずにいてくれた。

正直助かった。今の俺には何かを言われてもまともに喋れなかったから…

 

 

 

 

 

 

 

 

何分ぐらい泣いていたのか…もしかしたら何時間の間違いかもしれない…

だが、やっと涙は止まった。

「それで…俺の体は治るの?」

鼻を啜りながら束姉に聞くと、

「今よりはマシになるよ?

 全てが上手くいけば普通より体が弱い程度で済む状態まで持っていけれる。

 でも、これは理論上の話…」

今よりだいぶマシだ。

一夏や姉さんと一緒に入れる。

いつも一緒にいれるだろう…

通院はしなければならないだろうし、薬も毎食ごとにあるかもしれない…

それでもやる価値は大いにある。

「構わない」

俺の答えに束姉は目を悲しげなものに変える。

手術の成功確率が低いのか、それとも何か別の要因があるのか…

「成功するとは限らないし、例え成功したとしてもキツイリハビリが待ってるんだよ?」

ん?

リハビリは普通じゃね?

ああ。束姉は運動が苦手だからか?

というか、この人運動苦手なくせに体術とか強いから困る。

真面目にやればうちの姉さんと互角にやりあえるというのがすごい。

というかこの人も人外か…

「構わない。てか、リハビリは普通だからな?」

「だって、動くのめんどくさいじゃん?」

予想通りのセリフだ。

まあ。こうじゃないと束姉じゃないからいいんだけどさ…

「いいの?」

「構わないって言ってるじゃん」

そう…それが例えモルモット替わりだったとしてもね…

「実験も兼ねてるんでしょ?」

俺の言葉を聞いて束姉が固まる。表情はわからない。

「例えそれでも一夏達と一緒に過ごせるかもしれないんでしょ?

 なら、断るどおりはないよ」

「でも!失敗するかもしれないんだよ!?」

「大丈夫だよ」

そう、大丈夫。失敗は有り得ない。

「なんで…?」

だって…

「束姉が考えたんでしょ?じゃあ、失敗はありえないよ。

 俺は束姉を信じてるからね」

そう。束姉だから…

篠ノ之束だからこそ、この実験という名の手術は成功する。

「しーくん…」

あれ?

束姉、顔が赤いよ?

おっかしいなぁ…俺にも一夏と同じフラグ建築能力が備わっていたのか?

これはいろんな意味でヤバイ!

そして今後の一夏の面倒に巻き込まれる感がハンパない!!

「しーーーーーーーーくぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」

なんかきたあああああああああ!?

「ちょっ!!抱きつくな!!」

「しーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくん

 しーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくん

 しーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくん」

「怖いわ!?」

軽くホラーだぞ?

というか、苦しい…

腰に抱きついて俺のお腹に顔を埋めている状態だが、苦しい。

というより、抱きしめてる腕の力が強くてくるしいのか?

まあ、さっきのお返しに我慢してやるけどさ…

俺の夕飯まだかなぁ…

結構腹減ってんだけど…

もうあの味がほとんどしない病人食でもいいから食べさせて欲しい…

「しーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくん

 しーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくん

 しーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくんしーくん」

あのさぁ…「文字数稼ぎ乙ww」とか言われかねないんでそろそろやめませんかね?

「わかったからストップしなさいな」

変な感じに言葉になっちまった…

「ありがとうね、しーくん…

 でも、成功確率は低いんだよ?」

「分の悪い賭けは嫌いじゃないよ?」

「……そっか…

 しーくんは強いなぁ…」

強い?

強くなんかないさ…

「束姉、俺の将来の夢はね『一夏と姉さんを守ること』なんだよ」

「そっか。じゃあ、もっと強くならないとね?」

そう、俺は弱すぎる…

だから、強くなりたい…

せめて、自分の大切なものだけは守れるように…




リーゼかっこいいよリーゼ!!!
個人的に一番のお気に入りだね

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