東方虚真伝   作:空海鼠

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こんにちは空海鼠です。
☆8が一つあったのに気がつき驚いてまた奇声をあげそうになったけど、妹の絶対零度にも等しい視線を思い出して自重しました。


五日前

「……知ってる天井だ」

 

みなさん、おはよーございます。今日も今日とて意味のない無価値な言葉を吐き続ける加城冥利さんです。

 

「ま、三年間も同じ天井見続けてたら顔見知りにもなるわな」

 

天井に顔があるのかわからないけどね。あったら僕は常に監視されている訳だ。人気者は辛いぜ。

肩が妙にこっている。一回寝て一夜明かしたら体力全回復してないのか。やっぱり人生はRPGじゃなくてアクションだなあと思う。疲れの原因はおそらく昨日調子に乗って使いまくった能力のせいだろう。くそ、曖め。

恨み言を言っていても仕方がないので、のそのそと着替え、朝食を作る。こう見えても僕は昔自炊していたのだ。

こうして出来上がったのが何の卵を使っているかわからない目玉焼きと、謎の肉を使った野菜炒めである。原材料がわからないのはご愛敬。

では僕の糧となる食品に感謝と侮蔑をこめて、いただきます。

 

 

 

 

 

 

「オフだから…どこかに出かけなくてはならない……。僕はそういう風調を悪だと思うんだ…」

 

家でうだうだしててもいいじゃない。人間だもの。

むしろオフだからこそ家でごろごろしているのが人間らしいと思うんだ。

どうせどこかに行こうとしても楽しいのは出発する前までだ。修学旅行で一番楽しいのは計画立ててるときであり、実際行ってみると案外つまらない。みたいな理屈。

 

「あ、曖から妖怪がいつ襲ってくるのか聞き出さないといけないな」

 

用事を思い出してしまった。やーだー。今日はずっと家にいるのー。家で暇を満喫するのー。……自分でやっといて何だか、吐き気を催してしまった。きっとこれが『邪悪』なのだろう。

 

「面倒だけど…行くか」

 

僕は正義なので邪悪には染まれないのだ。

嘘だがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで教えろやこの野郎」

 

「いきなりやってきて始めに言うことがそれ?」

 

むしろそれ以外に言うことがない。昨日と一昨日で話せることは全て話したからな。

 

「…で、何を教えろといいますの?」

 

呆れつつもちゃんと聞いてくれる曖は実はツンデレなのかもしれない。ツンデレ曖たん萌えー。

 

「妖怪の人類侵略記念日(予定)」

 

「四日後…のさらに二日後の一日前よ」

 

「五日後くらい素直に言えないのか」

 

「ワタクシ、ツンデレですので気持ちを素直に伝えられないのですわ」

 

嫌なツンデレだった。前言撤回、これ萌えないや。

しかし五日後…永淋は五日後に月に行くから今の内に地上を楽しむ機会を作ってくれたのか。普段鬼のような人間がふとした瞬間見せる優しさって萌えるよね。

ではタイムリミットまで何をしているべきか。

 

「そういえば曖、きみは人妖大戦に参加するのか?」

 

「あらいやですわね。ワタクシ荒っぽいことは苦手ですの」

 

「ならなるべくここから離れた方がいいよ。人類は月へ飛び立った後、立つ鳥跡を濁しまくって核爆発まで置いていくからね」

 

「滅びを受け入れてみるのもまた、風情があってよろしくありません?」

 

「Mなのか」

 

「貴方が相手なのでしたら、SにもMにも」

 

もっとも。

 

「「嘘」」「ですけど」「だろうけど」

 

目と目で通じ合える関係。素直にお喋りできなくても伝えられる、ああ素晴らしきかな以心伝心。まるで自分と話してるみたいだ。二人でする独り言とはこれいかに。

 

「しかし妖怪と人間、代表者一名ずつ出して一騎打ちという諏訪大戦モードじゃだめなのかね」

 

「殺し合い、みんなで殺れば、怖くない。ですわ」

 

「それならむしろ一騎打ちをする奴は勇者なのかということになりかねないのだが」

 

「どちらかというと愚者ね」

 

「じゃあ僕らのことか」

 

「やってみます?代理戦争」

 

「勝負方法は?」

 

直後、目で示し合わせる。考えてることは同じみたいだ。

 

「「弾幕ごっこ」」

 

 




次回はいよいよ戦闘シーンです。上手く書ける気がしません。

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