ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
問題です。今、俺の右手の中にある物はなんでしょうか?
①.我が妹君、エリー・ポッターの頭。
②.ブラック家の屋敷しもべ妖精、クリーチャーの頭。
③.千の顔を持つ英雄を使って作ろうとしたら本当にできちゃった、小鬼にも見分けのつかないグリフィンドールの剣。
④.ピグミーマーモセットの幼成体。
⑤.スリザリンのロケット。
⑥.ぬのハンカチ。
⑦.ギルロデヱ・岩心のサイン。
⑧.ギルドレェ・岩心の書いた本。
⑨.ジル・ド・レェ・岩心の首から上だけ。
⑩.①~⑨全部。
さて、答えは? シンキングタイムは携帯画面で三行くらい!
はい、それじゃあ結果発表と行こうか。答えは手に入れたばかりのフリスクの毒が並々と入った小瓶でした。
……ん? なに? 選択肢にそんなの無かったって?
……やれやれ、問題文をよく見直してくれよ。『今、俺の右手の中にある物はなんでしょうか?』だぞ? いつ選択肢の中から選べって言ったよ?
それに、最後のところでもちゃんと『答えは?』って聞いているだけで、『何番?』とは一言も言っていないはずだ。
つ、ま、り、この解答にいちゃもんをつけるってことは自分の不注意を自分で認めているようなもんだって事だ。OK?
そしてこんな感じの解答だろうと予想していた方は、貴方の思考回路は一夏に若干毒されています。洗いましょう。洗い終わったらとりあえずツッコみましょう。それが普通の反応です。
では次の質問。これは実に簡単です。
フリスクから取った毒を、俺はいったい何に使おうと言うのでしょうか?
「『答えはアズカバンにいる受刑者複数人に一服盛って未来の敵を減らす』でした。『分霊箱を壊す』じゃありませんでした。残念!」
そう言うわけで俺の前には今数人分の死体が転がっている。ベロヲスリキル・レストランの記憶から見つけ出した死喰い人だけを狙っているから間違いは一切無いはずだ。
だが、わかっているのに殺せない相手がいるってのは面倒だよな。今ではもう六つの分霊箱のうち三つが俺の元にあり、残りの三つのうち一つは作られてなく、一つは屋敷しもべ妖精が壊すために後生大事に抱え込んでいて、一つはとある純血の一族が保有している。
ちなみに一応言っておくと、俺が今回殺したのはシカクフォイの家の奴ではない。なんだか名前を呼ぶ度に色々と酷いことになっていっているような気がしなくもないが、別にいいよな。悪人ばっかだし。
と言うかベロを摩り切るレストランとか絶対行きたくないんだけど。何食わされるかわかったもんじゃない。絶対なんかまともな人間だったら喰わないような物しか出てこないに決まってる。
……まあ、そんな最悪かつ固定客ができるわけがないと断定できるレストランの話はアズカバンの監獄の奥深くにでもぶん投げておくとして、俺はそろそろ原作が開始する前に他の分霊箱をどうにかするのは諦める事にした。
勿論チャンスがあれば実行しに行くが、無理に実行することはしない。恨まれたところで怖くはないが、わざわざ必要ないことに労力を割くのは大嫌いだ。どのくらい嫌いかをハリポタ世界風に言うと、ホグワーツの森番が目の前でヒッポグリフを殺されることが確定したと言う手紙が届いた時のハリー君のフォイに対する気持ちと同じくらいに嫌いだ。
理性では『準備が徒労に終わるのはむしろ良いことだ』ってのはわかっているんだが、どうしても無駄な労力を使うことは好きになれない。
だからこそ俺はアズカバンに侵入して様々な罪人から記憶の吸出しを行った時に名付け親に面会し、実家であるグリモールド・プレイス十二番地の館を貰い受けようとしたのだが、あえなく失敗してしまった。
あそこが手に入ればあの屋敷しもべ妖精と話をして破壊方法を教え、俺がロケットを開けてクリーチャーに破壊させ、そしてあの屋敷と今の家を行ったり来たりしながら原作開始時までクリーチャーに身の回りの事をお願いしつつのんびり眠ってられたんだが……残念だ。本気で残念だ。
やっぱりあそこでルリヲヘッドかアリス・イン・ワンダーランドを使って軽く洗脳して合意させるべきだったかね? 今となってはそうすべきだったような気がして仕方がない。
今回、アズカバンの中で毒殺が起きたことからここの警備は今まで以上に厳重になるだろう。そうなれば恐らく直接名付け親に会うことはできなくなるだろうし、本当にアズカバンにいる名付け親に会いたいんだったら吸魂鬼を多数殴り殺さなくちゃいけない事態になりかねない。一体だったらともかく、何体も何体もいきなり消えるようなことがあったらまずいだろう。
ああ、だからこそあの屋敷が欲しかった。そうすればあの屋敷を主な本拠にして今の家を別荘か倉庫のような感じにして、不死鳥の騎士団ができるとなったら俺のところのあの家を提供して俺自身はグリモールド・プレイスの屋敷でぐっすりと寝れたってのにさ。
……捕らぬ狸の皮算用をしても意味がないことは理解しているんだが、こうやって日々色々暗躍したりなんだかんだと過ごしていると皮算用でいいから癒しが欲しくなる。意味がないとわかっていても、何の得にもならないとわかっていても……さ。
……そうだ、どうせなら実に久し振りにエリーこと我が妹君に会いに行くのも面白いかもしれない。癒しになるかどうかは微妙なところだが、それが癒しになりそうになかったら秘密の部屋に行ってフリスクを愛でよう。
確か雄鶏の時を告げる声が苦手で、およそ蛇が食べるものだったらなんでも食うんだったな。どれだけ寝てたのかは知らないが、40年近くは確実に眠り続けていたわけだから腹が減っていてもおかしくないだろう。千の顔を持つ英雄はおよそ俺が思い付くありとあらゆる物を作れるから、本当に便利だ。今俺が働かないで食っちゃ寝していられるのも、ほぼ全部千の顔を持つ英雄のお陰だし。
そう言うことでフリスクへのお土産は適当になんか料理を作ろう。生の方が嬉しいって言うかもしれないが、そう言ってきた場合は死にたての猪かなにかを出してやれば喜んで丸飲みするだろう。
で、できれば俺はフリスクをたくさん撫でる。ナデホスキルも一応持っているから、きっとフリスクにも落ち着いてもらえるはずだ。
……そう言えばフリスクは雌っぽいんだが、原作に出てきたのは雄みたいなんだよなぁ……なんでだろうか?
次回作は……?
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