ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 今日は木曜日。グリフィンドール生のかなりの人が待ちわびていた、『闇の魔術に対する防衛術』の時間のある日だ。

 かく言う私も結構楽しみにしているのだけれど、何故かマルフォイ達は色々言われてしまったらしい。

 マルフォイ曰く、両親が死喰い人だった時期があるからそのせいだろうと言うことだけれど、それって言っていいことなのかな? マルフォイはいつか怒られてしまいそうだ。

 私はマルフォイのお父さんには嫌われているようだし、なにか言えるわけでもないんだけれど……マルフォイの身が少し心配。マルフォイに何かあったら、ハーマイオニーが悲しむだろうしね。

 

 ……とまあ、そんな話は置いておくとして……今回の授業は主にムーディ先生の思想の話と、禁じられた呪文と呼ばれる三つの呪文の話だった。その三つの呪文のうち、一つを人間に向けて使うだけでアズカバンで終身刑を受けるほどの罪になるんだとか。

 ちなみにハリーさんは面倒臭げに先生の話の書き取りと、ついでに何かよくわからない反対呪文のようなものをいくつか書き出していた。何がどうなれば適当に呪文を作り出せるようになるのかはわからないけれど、とりあえずハリーさんだから仕方ないと自分に言い聞かせておいた。

 

 ……流石に『死者蘇生呪文』なんて言うキチガイ魔法を見せられるとは思いませんでしたけどね。『身体にある程度傷が無く』、『死んでからそう時間が過ぎておらず』、『かなりの魔力を持っている必要がある』上に『寿命や病、毒物での死には使えない』とは言え、魔法使い史に残る偉業と言ってもいいでしょう。

 ちなみに『服従の呪文』は『自由の呪文』、『磔の呪文』は『法悦の呪文』で塗り替えることができるらしい。

 まあ、呪文がかかっている時にやらなければ意味がないらしいので実用するには難があるようだけれど……それにしてもハリーさんは凄い。天才であって天災で、最高にサイコな人だと思う。

 ハリーさん自身は『普通で普通な普通の人間』を自称しているけれど、ホグワーツにある程度居てそれを信じている存在なんてそういない。信じるような頭を持たないか、ハリーさんの存在自体を知らないかのどちらかだろうけれど……まあ、なんにしろハリーさんを知っていればハリーさんが普通だなんて事はあり得ないと言うことが理解できるはずだ。

 

 ……その点、ムーディ先生は少し危ない。ムーディ先生はハリーさんの事をよく知らないだろうし、ハリーさんに殴られちゃったら色々と危険すぎる事を理解していないはず。しかもハリーさんの場合は透明にならずに相手に気付かれないように動き回ることができるし、視界に入っていても何をしているのかわからないという、常識的に考えればあり得ない状況になることもある。

 ……だから、ムーディ先生の常識が危険なことにならないか……少し心配。

 

「でも今は『占い学』の宿題が終わるかどうかの方が心配かな」

「いいから早くやろう。あの先生のことだから、不幸なことを適当に書いておけば舌舐めずりして喜ぶさ」

「あるいはハリーさんの予言を聞いて書くとかね」

「当たりすぎるからパス」

 

 ロンと話をしながら、今月の予言表を作っていく。ロンはかなり不幸続きな運勢表を作っているようだけれど、私はいつもとそう変わらないようにして書いている。

 特筆するような不幸も無し、大きすぎる幸運も無し……つまり、それこそ『平穏』と言うものだろう。ハーマイオニーやロンに言わせれば、私の言う『平穏』と言うのは多くの人の言う『普通の生活』に比べて求めるものが低すぎるらしい。

 けれど、人間が人間らしく生きていくには家と衣服と食べるものがあれば十分だろうと思う。ここに、隣に好きな人が居てくれると言うオプションが付けば最高だ。思い残すことなんてもう殆ど無くなってしまうだろう。

 できることなら私は自分で働いて、貯金を食い潰すでなく自分の稼ぎで生活し、そして自分が使った分の貯金をもう一度貯め直すことができるくらいの生活をしたいと思っている。

 何より、ハリーさんと結婚したい。

 

「エリー。口から妄想が漏れてるぞ」

「いいよ別に。私がハリーさんの事を好きだなんて、もうホグワーツでは大体の人が知ってるでしょ。そもそも別に隠してる訳じゃないし、むしろ皆に知ってもらいたい。いつの間にか周りから恋人扱いされて外堀を埋めたい」

「……エリー。意外と黒いな」

「そのくらいやらないとハリーさんは応えてくれないからね。まあ、周りの意見なんてさっさとぶったぎって自分のやりたいようにやるのがハリーさんだから、外堀を埋めたところで意味があるかはわからないけど」

 

 ……多分、意味は無いんだろうけどね。周りの評価なんてものはハリーさんにとって蛆虫よりも価値の無いものとして扱われているって言うのはホグワーツ内では結構有名な話だし、ハリーさんはそう言う類の事に殆ど興味を持っていないようだし。

 ……私って、やっぱり魅力無いのかなぁ……おっぱいも小さいどころか無いし、お尻も大きくないどころか肉がほとんど無くてすぐに骨になっちゃうし、背もちっちゃいし、食いしん坊だし……。

 

 ……ふと気が付いたら、私の運勢予言表は出来上がっていた。いったい何を書いたのかは覚えていないけれど、なんだかちょっと怖い。最後のところの『かゆ    うま』ってなんだろう? 書いた覚えがないのに勝手に書かれているだなんて、まるで魔法みたいだ。魔法使いだけど。

 とりあえず終わっていたそれを見直して致命的な部分がないことを確認してから丸めておく。月曜日にはこれを提出するから、できるだけ汚くならないように保存しておかないと。

 

 終わったところでハーマイオニーが変なバッジを持ってきたけれど、ハーマイオニーがなんでそんなに熱くなっているのかわからない。私も確かに可哀想だとは思うし、助けられるものなら助けてあげたいと思ったりもするけれど、仕えていて幸せに思っている屋敷しもべ妖精までも全て解放させる必要はないだろう。

 一部の屋敷しもべ妖精はその家の使用人と同じように扱われていることもあるし、お給料と休暇をもらっている事も……まあ、かなり少ないけれどあるらしい。

 ただ、そう言うものを求める屋敷しもべ妖精はかなり稀少らしく、普通は住処を求めて来ているらしい。住処さえあればその地の魔力を少しずつ受けてずっと生きていくことができるそうだし、よっぽど酷い目にあわされない限りは死ぬこともない。

 だからこそ魔法使いは屋敷しもべ妖精を欲しがり、また同時に奴隷のように扱うことが当然となってしまっているらしい。

 

 ……シリウスが昔住んでいたブラック家にも屋敷しもべ妖精が居たそうだけれど、シリウスはあまり良く扱ってはいなかったようだし……魔法界の良くないところ……なんだろうね、これは。

 

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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