ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
パソコンが突然繋がらなくなったため、遅くなりました。ごめんなさい。
side エリー・ポッター
万屋オリノはシノムラ工房と提携しているらしい。つまり、ここにもハリーさんの手が延びているらしい。いったいハリーさんはどこを目指して進んでいるのかと聞いてみたくなるけれど、便利だから何も言わないでおくことにする。
ハリーさんのことだから、半ば趣味だったり自分の生活を楽にするついでに色々と作った結果としてそういうものが出来ているだけだったりするんだろう。つまり、私が何を言ったところで何も変わらない。世界はやっぱり厳しくできているようです。
それはそれとして、万屋オリノで私の服を頼んでみたらその場で腕を横に広げたり上にあげたりして長さを測ってもらってから数分ででき上がってしまった。巻き尺や定規を使わず見ただけで長さを正確に測りとり、それに合うものをたったの数分で作り上げるなんて……もう本当に流石ハリーさんの手が入っている店の一つだ。
しかも、確かに結構高かったけれどそれに見合うどころか凌駕している性能を持っているのがすぐにわかった。
まず、服がとても軽い。畳んで持ってみたのだけれど、一年生の頃にフリットウィック先生の授業で浮かせた羽根と同じくらいの重さしか感じなかった。布地として、奇妙なほどに軽い。しっかり止めておかないと、干している時にあっという間に風にさらわれて飛んでいってしまいそうな気がする。
それから、凄く頑丈。どのくらい頑丈かと言えば、シリウスおじさんが思いきり引っ張ってみても引き裂かれるどころか伸びすらしないし、火にくべてみても全然燃えない。刃物もほとんど通さないと言う……本当に布なのかと聞きたくなるほどに丈夫だった。
ただし、繊維と繊維の間をすり抜けるような細い針は刺さってしまうと言う話だったけれど、それもよほど細くなければ刺さらないらしい。頭が丸ければ弾丸でも貫くことはできないとか。
さらに着心地が凄くいい。汗をすぐに吸ってすぐに乾いてくれるし、肌触りもいい。さらさらしていて肌に引っ掛かったり痒くなったりしないし……ダドリーのお下がりとは大違いだ。
……こんなに贅沢をしていいのだろうか? あんまり贅沢をしすぎてばちが当たったりしないだろうか?
……まあ、いいや。なんでもかんでも悪い方にばかり考えていても幸せにはなれないからね。幸せになるためには少しくらい楽天家になった方がいいと思うし、ヴォルデモートがまだ私を狙っているらしいので警戒は必要だろうけど……楽しめることは楽しんでいかなくちゃね。
例えば、もうすぐあるはずのクィディッチ・ワールドカップの事とか、ホグワーツに行く時期になったら始まる買い物の事とか、ホグワーツのクィディッチはウッドが卒業しちゃったけれど誰がキャプテンをやるのかとか、グリフィンドールの新しいキーパーは誰になるだろうかとか、どうかハリーさんの気が変わってクィディッチをやりたいとか言いませんようにとか、去年の途中から自重を始めたハリーさんの自重が解禁されるから来年はきっと去年の三倍はツッコミしなくちゃいけないだろうなとか、胃薬美味しいとか……あれ? 楽しいことを考えようとしてたはずなのに、むしろ泣きたくなってきたのはなんでかな?
……いやいや、それでもきっと楽しめることはあるはず!特にクィディッチ・ワールドカップとか、ハリーさんが興味あるとは思えないしね!ハリーさんだったら間違いなくあの風雲ハリーさん屋敷で寝てるだろうから、安心して観戦していられる。
ロンのお父さんが私とシリウスおじさんの分のワールドカップのチケットを取ってくれているそうなので、何か変なことが起きなければ私達だけ観戦できないなんてことにはならないと思うしね。
……ここで『絶対に何もない』って言い切れないのが悲しいところだけれど、ヴォルデモートが生きている上に私のことを狙っているそうなので仕方無いと言えば仕方ないのだろう。
……でも、何かあったら許さない。絶対に許さない。ハリーさん直伝の『落とし穴→平安京エイリアンの術→パワーゲイザー→パワーゲイザー→パワーゲイザー』の連撃を撃ち込んでやろうと思う。顔面が焼け爛れて大変なことになるらしいけれど、パワーゲイザーなら仕方無いよね。
でも、やるのが私でよかったと思ってほしい。私だからパワーゲイザーを撃ち込んでも顔が全体的に焼け爛れて焦げ肉になるだけで済むのであって、ハリーさんやハリーさんの古い知り合いだと言うかゆうまさんがそれをやるとホグワーツが防御魔法を全開にしていてもイギリスから消滅しかねない威力が出るそうなのだから。
まったく、ハリーさんはどこまで人間の枠から外れれば気が済むのでしょうか? 私には想像もできません。
ちなみに私のパワーゲイザーは『インセンディオ』……火炎魔法を使っているので衝撃は小さいのですが、ハーマイオニーは『インセンディオ』と『コンフリンゴ』……爆発魔法の二つを同時に使っているそうなので、しっかりと『炎の間欠泉』のように見えます。私の場合はただの火柱なんですけど、これから頑張って自分の事を自分で守れるくらいの力をつけたいと思います。
……とは言っても、ハリーさんから身を守れるようになるのはまず不可能なのでその辺りは諦めておくことにする。身を守れる程度に強くなるのは必須の条件ではあるけれど、ハリーさんを相手にすることを考えるともうなんか色々なものがどうでもよくなってきてしまうので、それについては考えないようにしたい。心が折れる。
……この世界にいる存在で、戦闘行為でハリーさんに勝てる存在は居るのだろうか? 例え相手がドラゴンだろうが狼人間だろうが吸血鬼だろうがオーガだろうが巨人だろうが、そんなの一切関係なしに瞬く間に殺してしまえそうな気がする。ある意味では『信頼している』とも言えるだろう。
それが良いことか悪いことかはわからないけれど、実際にそうだと言うことは変わらない。できれば良いことであってほしいけどね。
服を買うついでに来年の分のホグワーツで使う教科書も買っておく。とりあえず基本呪文集の四年生用や『魔法薬学』の新しい本、『闇の魔術に対する防衛術』用の本に、今年はなぜか正装用のドレス等……色々買う必要があったのでちょうどいいと言えばちょうどいい。
ドレスは万屋オリノで仕立ててもらい、全ての支度を終わらせた。これで後はホグワーツに行く時に荷物を持っていくだけだ。宿題ももう無いし、遊んでいられる。
もちろん家の掃除や料理はするけどね。シリウスおじさんは意外と洗濯物を畳むのが上手だった事にちょっと驚いた。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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