ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 今年ももう終わる。けれど、今年からは私はダーズリーの家に戻ることなんて考えなくっていいし、きっとホグワーツが恋しくなる回数も減るだろう。だって今年からは、シリウスおじさんと一緒に暮らすことができるんだから。

 けれど悲しいことに、ホグワーツの『闇の魔術に対する防衛術』の教師で一番だと言えたルーピン先生は今年で教職を降りることになってしまった。ルーピン先生が狼人間だと言うのがその理由だと言うことだったけれど、ルーピン先生はたとえ狼人間だったとしてもルーピン先生なんだから、怖がらなくてもいいと思う。

 ……ルーピン先生が本当に困っているなら、ハリーさんに全力で頼みに行けばすぐに治してくれそうな気がするけれど……ルーピン先生もハリーさんに呼び名とかスネイプ先生との噂とかで色々からかわれていたから多分治してもらいに行ったりはしないだろう。

 

 さて、そんな話は置いておくとして……今年も寮杯はグリフィンドールが手に入れた。クィディッチの得点がそのまま寮の得点となるこのシステムは……人によっては凄く有用と言うか、むしろ悪用できそうだったけれど、私みたいな普通の生徒がホグワーツの校則を変えることなんてできるわけがないので流しておくことにする。ハリーさんなら色々できる筈だ。

 

 それと、今年のテストは『闇の魔術に対する防衛術』がとてもよく、他のテストもちゃんと合格することができた。ハリーさんに習って守護霊も作れるようになった(私の守護霊は雌鹿だ。ハーマイオニーのは尻尾が蛇になっていて赤いオーラを纏う川獺で、ロンのは青いオーラを纏ったマングース。マルフォイは青いオーラを纏ったハブで、クラッブはゴリラ、ゴイルは猿、フレッドとジョージは目がキラキラした兎だった。ロンとマルフォイの仲の悪い理由がなんとなくわかった)し、胃薬の量を抑えたからか今年は背も二センチ伸びたし、いいことがたくさんだ。

 かわりに来年は凄いことになりそうな気がするんだけど、それはもう止められない。ハリーさんは今年大人しかったけれど、来年はまたかなりすごいことをしてくるだろう。自分でやると言っていたし、私にどうこうできるようなことでもない。

 楽しみだけれどちょっと怖くて、お腹は痛いけれど胸は弾んで、きっときっとまた予想もつかないことをやってくれる筈だと思うと口の端が上がってしまう。

 だって、ハリーさんだもの。ハリーさんの行動を予想することはできなくはないけれど、それが当たる可能性はほとんど無い。テストに答えを書くだけなら誰でもできるけど、その答えが全て当たっているかどうかはまた別の話だしね。

 

 ホグワーツ急行に乗ってキングズ・クロス駅を目指している私にわかることは、シリウスおじさんが駅まで迎えに来てくれているだろうと言うことと、休み中にロンからクィディッチ・ワールドカップのお誘いがあるって言うこと。

 シリウスおじさんが新しく買った家がどこにあるのかは私は知らないし、正確にいつ呼ばれるのかもわからないけれど、休みの間に良いことがあるって言うのはホグワーツに入るまではそう無かったことだったので嬉しい。

 私はわくわくしながら、進んでいくホグワーツ急行に揺られていた。

 

 

 

 

 

 side ハリー

 

 来年は三大魔法学校対抗試合のある年。そして、俺の自重が解除される年でもある。

 ついでにクィディッチのワールドカップもあるので、娘っ子やロニー坊や達はそれを見に行って『闇の印』を見ることになるのだろう。

 ……いや、あのドブネズミがアズカバンに居るから闇の帝王(笑)(かっこわらいかっことじる)は復活するどころか移動することもできないんじゃないか?

 ドブネズミが居なければ闇の帝王(笑)(かっこわらいかっことじる)は復活できなかったと自分自身で言っていたし、ドブネズミが居なければクラムチャウダー・ジュニアの所に行って『服従の呪文』で操られているクラムチャウダーを解放することもできないしな。

 ……さてさて、都合のいい駒を失った帝王(笑)は、いったいどんな足掻きを見せてくれるのかね? 是非ともそれなりに俺を楽しませてくれや。俺は俺で、三大魔法学校対抗試合を楽しませてもらうからよ。

 

 来年辺りから、原作があまり役に立たなくなるだろうな。かなり無茶に原作を変えてきたし、それによる影響はバタフライエフェクトとか言えないレベルで巨大なものになるだろう。俺から見て大きな変化と言えば、スリザリンとグリフィンドールの間の関係がいがみ合うものからライバルに向けるそれに変わってきていることと、娘っ子が原作の『ハリー・ポッター』の役割をして居ることを考えると俺の存在そのものが異常なものとなる。

 だが、俺の影響は殆どがホグワーツと言う学校の中でのもの。魔法省や外国の魔法学校には全くと言って良いほど影響を出していないために三大魔法学校対抗試合はまず間違いなく行われるだろう。その次があるかどうかは置いといて。

 

 ドイツのダームストラング。フランスのボーバトン。どちらの校長にも弱味があり、そのどちらの弱味も握っている。更にクラムチャウダーの父親の方も、借金まみれの有名選手も、我らがホグワーツの校長の弱味も知っている。

 ……ついでに、マスゴミパパラッチのもな。俺の邪魔をするんだったらコガネムシ状態の時に捕まえて瓶詰めにしてやる。

 そんな有名人達は、弱味を握られたらいったいどうするだろうか? 俺を襲ってくるか、殺しに来るか、陥れようとするか……実際にどうなるかは神ならぬ俺にはわからないが、俺を子供だと思って舐めてかかってくる奴は多いだろう。

 だが、事故に見せかけて殺しに来ると言うことは十分に考えられる。そう簡単に殺されてやるつもりは無いが、見た目はあくまでも事故で俺を殺しに来たら……とりあえず破滅してもらうことにしよう。原作での捏ねるッスのように、派手にな。

 

 ……そう言えば、副作用の無い胃薬はまだ作ってないんだったな。今までにできたのはエリクサーと蓬莱の薬とからくりサーカス的な命の水だけだし、最後のを使わせたら確実にまずいし、蓬莱の薬も間違いなくそれを巡って戦争が起こるレベルだし。

 よし、娘っ子の胃のためにも作ってやるか。ついでに色々な効果も持たせてやるといいよな。

 とりあえず『再生』は確定として、『呪い返し』と『状態異常解除』と『解毒』と『暫く呪いを受けない』ようにするのもやっとこう。

 よし、面白くなってきたわぁ……!

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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