ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
○月×日 筆舌に尽くしがたい天気って言うのは多分こういう天気
マルフォイが異常な防御力を持っているのは知っての通りだろうけど、最近クラッブとゴイル、ロンの三人も異常識に染められ始めているようだ。
マルフォイの場合は防御力が異常って言えるほど高くなっているのに対して、クラッブは握力が、ゴイルは体重移動が気違い染みてきている。
クラッブがマルフォイの頭を掴んで押さえ、ゴイルが超高速(具体的には140km近く)で体重……と言うか重心を拳にまで移動させてやばい威力の拳になっているのを見た。
マルフォイ以外があんなものを受けたら、間違いなく粉々になってしまうだろうことに戦慄しそうだ。
今日の美味しかったもの、ベーコンとブロッコリーの入ったキッシュ。
○月×日 極々一部、局所的にクヌート銅貨の雨霰
ロンがマルフォイに拳を通していた。どれだけ威力が高いのか……と思ったのだけれど、ハリーさんが言うにはロンは攻撃の威力が高いのではなく攻撃を通すのが上手いんだとか。
確か……フタエニキワミアッ───!……だったっけ。ロンの掛け声は結構面白いよね。
でも、マルフォイに殴り返されて普通に効いているから、防御力は普通らしい。マルフォイとは対極だと思った。
ちなみにその後、二人揃ってハーマイオニーにK.Oされていた。クラッブとゴイルが拍手をしていたのをよく覚えている。
今日の美味しかったもの。ハリーさん特性チーズハンバーグ。
○月×日
珍しくトレローニー先生が食事に降りてきた。正直に言ってトレローニー先生をあの教室以外で見るのは初めてだと思う。
いつものあの野暮ったい声を出しているけれど、やっぱり私はあの声は好きにはなれない。細くて聞き取りにくいし、あの声を聞くとなにか変なものに全方向から観察されているような感覚に陥ってしまうから。
それさえ無ければ私としては好きでも嫌いでもない先生なんだけれど、声というたった一点だけでそれは覆ってしまう。本当に、あの声だけは何とかしてほしい。
今日の美味しかったもの。夜ご飯のデザートのプリン。
○月×日 銀色に輝く煙
吸魂鬼対策の魔法をハリーさんから教えてもらうことになった。知らないよりは知っていた方が便利だし、ついでにハリーさんも少し安心できるとか。
……ただ、ハリーさんがなんだか凄く悪い笑みを浮かべていたからきっと何かあるんだろう。なんなのかはわからないけれど、多分誰かをからかう類いの企みだと思う。禍々しい笑みではなかったし、だからと言ってきれいな笑みでもなかったし。
さて、それはそれとして吸魂鬼対策魔法だけれど、名前は『守護霊の呪文』と言うらしい。しっかり作れば形があるものになり、作るのが上手くなければ形の無い靄のようなものになるそうだ。
ちなみにハリーさんの守護霊は力の込め方によって三段階あり、普通サイズのドラゴン、超巨大なドラゴン、何種類かの人型になるらしい。一番強力なのは人型で、ものによっては必殺技的な物を使ってきたりもするそうだ。
かわりに人型の守護霊は自意識があって完全に操ることはできないそうだけれど、それでもある程度お願いとして行動してもらうことはできるということだった。
そしていよいよ実践。まずは呪文の正しい発音を覚えて、完璧に発音すること。ここで間違えると爆発したり黒くて固くて熱くて大きななにかが出てきたりするようなので注意。
発音を覚えたら、今度は何か幸せなことを頭に想い描いてそれに意識を集中する。想い描く内容はなんでもいいと言う事だったので、私はハリーさんとの結婚生活を想い描いてみることにした。内容については黙秘する。恥ずかしいしね。
ただ、この時点で銀色の煙のような守護霊を作り出すことに成功したと言うことだけは書いておこうと思う。
今日の美味しかったもの。ハリーさんの手作りチョコレート。
○月×日 目が痛くなるほどの晴れ
レイブンクローとの試合の日。きっといつも通りにやれば私達は勝てるだろう。
けれど油断は禁物。油断すればどんな強固な砦もあっという間に崩れ落ちてしまう。ハリーさんの場合は油断しながら魔法省とヴォルデモートの軍勢を同時に相手にして無傷で勝ち上がっちゃいそうだけれど、私はそんなぶっ飛んでない普通で普通な人間だからね。魔法使いだけど。
それはそれとして、ハリーさんとの『守護霊の呪文』の練習は中々上手くいかない。ハリーさんのように、銀色の靄をちゃんとした形にするのができない。幸せな想いが足りていないのかもしれないけど、これ以上に幸せな想いなんで早々無い。
……前に見ちゃった夢は幸せなんだろうけどちょっと論外だし、本当にどうしようか迷ってしまう。
あと、吸魂鬼の対策講座にハーマイオニーとロン、マルフォイ、クラッブ、ゴイル、フレッド、ジョージ、ジニーが参加した。私と同じように苦戦しているところを見ると、私が特別劣っているわけでは無いと言うことが実感できてなんとなく救われたような感覚になった。
今日の美味しかったもの。ハリーさんが作った焼おにぎり茶漬け(醤油味)。
○月×日
ブラッジャーを避け、チェイサーの邪魔にならないように飛び回り、そしてスニッチを捕まえる。ただそれだけの事をやるのに随分と時間をかけてしまった。レイブンクローのシーカー、チョウはいいシーカーだ。箒の性能差を技術と作戦で埋めてきて、あれでもっといい箒を使っていたら私でも危なかったかもしれない。
まあ、実際には持っていなかったんだからわざわざ言及し直すようなことじゃないんだし、今はこの勝利をお祝いしよう。
……ハリーさんにも誉めてもらえたし、ご飯は美味しいしね。
今日の美味しかったもの。ハリーさんが暇潰しに数千時間煮込んでは継ぎ足し煮込んでは継ぎ足ししながら作ったとろとろビーフシチュー。
○月×日 霧のち晴れ。ただし未来の霧は深くなる一方
ハーマイオニーがついにキレた。トレローニーがハリーさんに向けて何度も何度も死の予言をしてはハリーさんが鼻で笑って予言を返し、そしてハリーさんの予言がかなり当たり続けるのを見て私は一種のアトラクションのようなものだと思っていたのだけれど、ハーマイオニーには我慢ならないことだったらしく、ハーマイオニーは『占い学』の教室から出ていってしまった。
……まあ、ハーマイオニーは頑張りすぎだから辞めてもいいと思うけどね。ロンも、弱ったハーマイオニーの隣でハーマイオニーを支えてあげればいいと思うよ?
今日の美味しかったもの。夕食のポトフ。
○月×日 金色の紙吹雪
クィディッチに優勝した。開始三分で試合終了、私達の勝ちだ。
気分がいいせいか、今日は何を食べても美味しかった。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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他の止まってるやつの続き