ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
シリウスおじさんからホグズミードに行くための許可証にサインをもらったので、後付けながら私はホグズミードに行ってもいいことになった。
そう言うわけで私はホグズミードに行く汽車に乗り、お菓子を買うべくポケットに金貨や銀貨をたくさん詰めた。帰ってきてからご飯が食べられないのは悲しいから一度に食べる量は加減するとして、買うだけだったらちゃんと保存の効くものならかなり買いだめしておいても大丈夫なはずだ。
それと、フレッドとジョージの二人が私に何かをプレゼントしてくれようとしていたようだったけれど、私がホグズミードに行くことができるようになったと知ってそれをなんでもないと隠していた。
物は羊皮紙の切れ端をいくつも繋げたようなもので、正直なところ私がダーズリーの家に居た頃にシーツとして使っていたタオルとどっこいどっこいと言うレベルでくたびれていた。何に使うのかはわからないけれど、この二人のことだからきっと便利でもちょっと危ないものだったんだろうと思う。
ちなみにハリーさんはまた面倒だからと参加しなかった。でも、ハリーさんだったら来ようとすれば私達がホグズミード駅に到着するより早くに『三本の箒』でバタービールを一杯ひっかけてホグワーツのグリフィンドール寮の自分のベッドに寝転がってさっさと寝直すくらいのことはできそうな気がしてならない。
……いや、むしろできないわけがないと考えよう。ハリーさんならそのくらいの事はできて当然だと、そう考えるの。そうすれば……まあ、ハリーさんに限定して考えれば常識崩壊することもないし、大丈夫だよね。
「……私達が行くまでにホグズミードが滅んでないといいわね」
「……ハーマイオニー。お願いだから……お願いだから、不安になることを言わないでよ……」
「最悪の想像はしておくべきよ。しているのといないのとでは、本当になにかが起こった時の対応の早さが違ってくるもの」
「……ハーマイオニーの考える『最悪』って、どんな感じなの?」
「地球崩壊かしらね」
「対策のたてようがないような気がするんだけど!?」
「奇遇ね、私もよ」
「だよね」
でも否定材料がないからなにも言えない。ハリーさんなら、何らかの行動の結果として地球の一つや二つ崩壊してもおかしくないと思った。
けれど、今回は多分なにもないだろうと思っている。ハリーさんとの付き合いも二年以上になってくれば、ハリーさんの言葉の傾向にだっていいかげん気付く。
ハリーさんがなんだかよくわからない難しい理由をつけたり、あるいはわざとぶっ飛んだ答えを返したときにはハリーさんはなにか知られたくない別の用事があったりしてそれに行かないと言うこと。
……ただし、後者に限定して言えば時々本当にそのぶっ飛んだ事を実行しようとしていたりすることもあるから一概にそうとは言えないんだけれど。
そして、ハリーさんが分かりやすくて簡潔な内容で言った場合には、実際にそれをやる用事があるかあるいは面倒だから行かないと言うこと。来る時は普通に来るだろうから変なことを言うことはない。
……ただ、なぜか今回は私に透明マントを着て『三本の箒』でのんびりしていれば面白い話が聞けるかもしれないと言った。どんな話を聞くことになるのかはわからないけれど、とりあえず実行してみることにした。
……せめて、どう言う意味で面白いのか、誰にとって面白くなるのかくらいは教えてもらいたかった。ハリーさんはそう言うところは優しかったり優しくなかったりするからわかりにくい。
……私の勝手なイメージではあるのだけれど、ハリーさんはなんと言うか……子供の頭を撫でるときに浮かべるものと同じ笑顔のまま人を奈落に突き落としたり、指先でなんとか引っ掛かっている人の手を踏みにじったりしそうな感じがある。
……スネイプ先生に吹っ飛ばされて気絶していたところに無理矢理意識を回復させる魔法を使って叩き起こした……なんとか先生に『
「エリー? 何を考えているの?」
「あー……まあ、ちょっとハリーさんのあの外道っぷりはなんとかならないかなって」
「無理ね」
「多分本当にそうなんだろうけどなかなか言うよねハーマイオニー」
「ハリーに遠慮なんてしてやるもんですか。と言うか否定しないどころか普通に肯定しちゃってる貴女も同罪みたいなものよ」
「……ハーマイオニー、サンドイッチたべる? 厨房でお弁当の代わりに作っておいてもらったんだけど、美味しいよ?」
「そんなお腹減ってないからエリーだけで全部食べちゃっていいわよ。誤魔化すのは失敗してるけど」
「う……」
ハーマイオニーはさらっと私がハリーさんの外道っぷりはどうにもならないだろうと思っていることについての誤魔化しを両断した。ハーマイオニーはハーマイオニーでなんだか洞察力がすごいことになっている気がするんだけれど、本人に言ったら大したこと無いと言われてしまいそうだ。
「……そうそう、そう言えば私が最近読んでいる『民明書房』の本なのだけど、あれって一部はダンブルドア先生が個人で書いたものもあるらしいわね」
「そうなんだ? ダンブルドア先生がね……」
……ってことは、ハーマイオニーが前にしてくれたあの物凄い内容の説明とかは大体本当ってことでいいのかな? ダンブルドア先生が人前に出す本に嘘を書くとはあんまり思えないし、勘違いだったとしてもある程度信憑性くらいはあるはずだしね。
「それで、私が民明書房の本を愛読していることを知ったダンブルドア先生が私に『ライデン』の名を継いでみないかって……」
「……正式にハーマライデンになるの?」
「なる気はないわよ!まあ、確かに本当に継いだとしたらハーマライデンになるでしょうけど」
「ダンブルドア先生の場合はダンブライデンなのかな?」
「そうらしいわね。私はハーマイオニー・グレンジャーと言う名前を気に入っているから、『ライデン』の名前を継いで『ハーマライデン』になる気は無いけどね」
……ハーマイオニーはどうやらまだまだ常人の枠に自分をはめておきたいらしい。私も、異常人の階梯まで上りたくはないからその気持ちはよくわかるけどね。
……ハリーさんの近くには、人外への誘惑が多すぎる上に敷居が低いから、ふとした拍子に人外に堕ちちゃいそうになるんだよね。
私とハーマイオニーはお互いの考えたことがわかってしまい、全く同時に大きなため息をついた。
次回予告
ハーマイオニーは二代目ライデンの名を継ぐ事が出来るのでしょうか?
斯う、ご期待!
嘘ですwww
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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他の止まってるやつの続き