ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
クィディッチの試合では私達が勝った。スリザリンはお得意のラフプレーを連発してきたけれど、それでもグリフィンドールは勝って見せた。
まあ、ラフプレーと言ってもこちらの選手が死んでしまうような酷い反則は無かったし、もしもそんなことがあったら間違いなくハリーさんのお出ましになってスリザリンどころかホグワーツがヤバい状態になっていただろうけど……それにしても平和に終わった。
クィディッチと言えば骨折脱臼は当たり前、打ち身に捻挫に切り傷擦り傷なんでもござれなスポーツなのに、今のところ誰も再起不能になったことはない。不思議だよね?
ちなみにシリウスおじさん(こう呼んでほしいと言われたので呼んでいる)は私に十二年分のバースデーとしてファイアボルトを贈ろうとしてくれたんだけど、ネビュラスの性能について話をしたらすぐにその話を引っ込めた。
代わりになにか欲しいものがあったら言ってくれという話だったので、とりあえず今度美味しいご飯を奢ってもらおうと画策している。
さて、クィディッチについての話はこの辺りで終わらせておくとして……色々と変わった話をしていこうと思う。
例えば、ルーピン先生はシリウスおじさんが無罪であると世界的に公表されてからと言うもの、以前よりも元気なときが増えた。なんでもシリウスおじさんとは昔からの友人で、シリウスおじさんがアズカバンに入っていたのは冤罪による物だったと知ってすごく嬉しかったそうで。
……けれどスネイプ先生はそれがどうにも気に入らないようで、何かしらの原因があれば即座にそれを責め立てた。
スネイプ先生とシリウスおじさん達の間に何があったのかは知らないけれど……どれだけ頑張っても仲良くすることのできない相手が居ることくらいわかっている。私はハリーさんじゃないし、人と人とを物理的にでも力任せにでも繋げるなんてことはできない。自分の限界くらい、自分が一番よく知っている。私はとても小さな人間だと言うことも。
……いや、身長とか胸とかもそうだけれど、それより何より私自身の器のことだ。色々な意味で小さい私では、きっと人を繋ぎ止めるようなことはできないだろう。
「そんなことより飯にしよう」
「そうしましょう!」
ハリーさんに言われてご飯を食べることに。最近はハリーさんに教えてもらったオハシの使い方も割と上手になってきたと思う。
初めのうちはこんな細い二本の棒で何かを食べるなんて無理だと思っていたけれど、使うのに慣れてくると随分使い勝手がいい。ナイフとフォークの役目を同時にこなすことができる上に、片手は空くから色々なものに手をつけることができる。
特にハリーさんが作る日本の料理を食べる時には、こうして片方の手を空けておかないと色々と食べにくかったりもするしね。
そう言うわけで、今日ハリーさんが気分で作ったものは日本料理のようなものだった。日本は食に関しては凄く拘るようで…………あれ、この話はいつかしたことがあるような気がします。
まあ、とにかく凄く美味しい。日本の人達は、こんなに美味しいものを普通に残したり捨てちゃったりすることがあるそうですが、私からしてみればとてもとても信じられません。
「美味いか? 娘っ子」
「ふぁい!おいふぃれふ!」
「そうか。そいつはよかった」
ハリーさんは自分の分の料理を手早くつつきながら私に問いかけてきた。本当に、こんなに美味しい料理を食べられるなんて……もしかしたら私の人生の中で一番輝いているのはホグワーツでハリーさんの作ってくれたご飯を食べているときなんじゃないかと思ってしまうほどに、ハリーさんの作った料理は美味しい。
「何度目か忘れましたけど結婚してくださいハリーさん」
「年齢以外にも色々と問題があるだろうに」
「解決したら結婚してくれますか?」
「解決できたらとりあえず手放しで称賛してやる。……結婚するかどうかは別だが」
……見えた……ハリーさんとの
「それで、その『問題』っていうのはなんなんですか?」
「それは秘密だ」
「解決しようがないじゃないですかそれ!問題があるって言うんなら、せめてその問題の内容くらい教えてくれないとなにもできないですよ!?」
そう言ってみても、ハリーさんは仮面のような張り付けた笑みを浮かべるだけで答えようとはしなかった。きっとそれは私にはどうしようもない事か、あるいはハリーさん自身が教えたくないことなんだろうけど……やっぱりちょっと悲しい。
まあ、今回は問題さえ解決しちゃえばハリーさんが結婚を決めてくれる可能性がある事を知ることができただけでも収穫だと言える。ちゃんと目標を見つけることができたし、目標がどんなものかを知ることもできた。これを収穫と言わないで何を収穫と言うのか。
……とは言っても、目標については単に『そういうものがある』と言うことしかわかっていない。存在を確認できただけでも収穫と言えば収穫だし、今までは私とハリーさんが結婚するときにある問題は年齢の事だけだと思っていたところへの別の問題の話なんだから、知れて良かったと思う。
どこかの人も言っていたよね。『敵を知り、己を知れば百戦危うからず。敵を知らずして己を知れば、一勝一負す。敵を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし』って。
意味? …………あれでしょ? とりあえず『情報は大切ですよ』って事ですよね。確か。詳しいことは知りませんけど。
「それだと、ある意味では現在最強に近いのは俺だってことになるな」
「ハリーさんが最強だなんて、ただの常識じゃないですか」
「世間一般の常識とホグワーツの常識は随分とずれているみたいね。知っていたけど」
ハリーさんの言葉に答えると、隣でハーマイオニーが追従する。ハーマイオニーは怖いもの知らずだと思ってはいたけれど、ハリーさんに普通に話しかけられるって言うだけで十二分に命知らずだよね。
ハーマイオニー曰く、ハリーさんは自分の呼ばれ方にあまり気を使っている様子はないし、ついでに言えば本人から別に良いとも言われているようなのでわざわざさん付けする理由はないんだとか。同級生だし、何か弱味を握られているわけでもないし……と。
……本当に、ハーマイオニーは命知らずだよね。私はびっくりしたよ。
次回作は……?
-
鬼滅の刃
-
鋼の錬金術師
-
金色のガッシュ
-
BLEACHの続き
-
他の止まってるやつの続き