ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
今年ラストの投稿です。それと、活動報告の方でまたアンケやってますので気が向いたら参加してやってください。
side エリー・ポッター
『占い学』で、ハリーさんが死んでしまうと言う予言を受けた。紅茶のカップに死神犬が居たそうだけれど、正直なところ私が見た限りでは犬には見えなかった。ハリーさんも最近熊より少し小さい犬を見たと言っていたけれど、まだ死ぬには大分早いと笑って言った。
それどころかハリーさんはトレローニー先生に向かって逆に予言をして見せた。
「お前さん、二年と少し後にこの学校の教職を一度下ろされることになるぞ」
にっこりと笑顔を浮かべながらの辛辣な言葉にトレローニーは気を悪くしたようだったし、あり得ないとも言っていたけれど……ハリーさんの言うことなのだし、実際に起きてもおかしくないような気がする。
なにしろハリーさんはハリーさんだ。去年はファイアボルトの出現とその性能を言い当てて、それより性能のいいネビュラスを私にくれたりしたし、その他にも未来の事も過去の事も今のことだってよく知っている。間違うことはあまり無いし、嘘をつくこともあまり無い(正確には、嘘をついてもすぐに嘘だとはっきり言うからわかる)ので、何が起きても不思議じゃない。
そう言うわけで『占い学』はそこそこの評判の中で幕を下ろした。そんな空気になったのは、ハリーさんの「人間はいつか死ぬんだから、死の予言は間違ってない。いつか死ぬと予言しとけば100%当たる」という言葉だろう。トレローニーはその言葉にも憤慨していたようだけれど、結局は何も言い返せないで終わったのだった。
それから『変身術』の授業や昼食があったり、ハーマイオニーがいくつかの授業にいくつも同時に出ている疑惑が上がってきたり、それについてロンに「そんなハリーさんみたいなことあるわけないよな?」って言われてハーマイオニーが大ダメージを受けたりと色々あったけれど、平和に『魔法生物飼育学』の授業に行くことができた。
……凄い噛みついてくる本が教科書だけれど、ハリーさんが近くに居ると突然おとなしくなって犬がお腹を見せて降参するように内容を見せてくれるのだ。そうして大人しくしてくれている間に背表紙を撫でれば、ハリーさんが近くに居なくても大人しく中の文を読ませてくれる。
なんと言うか、怪物的と言うよりは普通の動物とそう変わらないような気がする。何度も撫でてみたり手入れをしてあげたりしているうちになついてくることもあったし、飼ったことは無いしマージ叔母さんのせいで苦手意識がついてしまったから飼う気もなかった犬を飼っているような気分になった。
ちなみにマルフォイは噛まれようがぶつかられようが一切無視して平然と読み続けていたらなつかれたそうだ。きっと何事にも動じないその姿を見て格の違いを思い知ったのだろう。
……ハリーさんの場合? いや、ほら……ハリーさんだし? なにか覇気とかそう言うのが漏れ出てるか、あるいは本の方が野生の勘で察知してるかじゃないかな?
そこで、ハグリッドがやって来た。どうやらここで何かをする訳じゃなさそうで、森の方に私達を招き入れていく。
森の中にはあまりいい思い出はないんだけど、先生であるハグリッドが招いているんだから仕方無い。流石に一年の時みたいにドラゴンが居たりはしないだろうからまだ大丈夫。
……大丈夫だよね? ハグリッドの性格とか趣味とかを考えるとなんだか初めから物凄いものを用意しているような気がしてならないんだけど、いくらハグリッドでもそんな無茶なことはしないよね?
「……ヒッポグリフの匂いがするな。結構多い……」
「匂いって……ハリーさんは犬かなにかですか」
「娘っ子、お手」
「わんっ!」
ハリーさんになでなでしてもらえた。嬉しい。私に尻尾は無いけれど、もしもあったらぶんぶん振られていたかもしれない。
……あれ? なんだか私の方が犬みたい?
それはそれとして、ハグリッドは森の中に私達を連れていくような事はなかった。かわりに、森の縁を歩いていった先には牧場のように柵で囲まれている広場があった。
ハグリッドはその柵の周りに私達を集め、それから教科書を開かせた。一部の人達は開き方がわからないと言っていたけれど、とりあえず背表紙を撫でてあげてそれで解決。
「よーしよし、全員教科書を開いたな……そんじゃあ最初ん所はがっと飛ばして、ヒッポグリフのところを開けろや。225ページだな」
……さっきハリーさんがヒッポグリフの匂いがするって言っていた。そしてハグリッドの言うことが間違っていないなら……今回私達が学ぶのは、ヒッポグリフについて……のはず。
私はヒッポグリフがどういう生き物かは知らないけれど、それはこれからハグリッドが説明してくれるだろう。
「まず初めに知っておかなくちゃならんことだが、ヒッポグリフは皆誇り高い。侮辱したりなんだりすればすぐ怒って襲いかかってくる。ええか、絶対に侮辱しちゃあなんねえ。それから、動く時は必ずヒッポグリフが動くのを待ってから動くんだ。それが礼儀っちゅうもんだろう?」
そこまで言ったハグリッドは、私達にここで待っているように言ってから森の中へ消えていった。どうやら詳しい説明などはほとんど無く、とりあえず実践……と言うことになるみたいだ。
「……ちなみに、ヒッポグリフの鉤爪は人間の肉どころか骨まで両断できるから、死にたくない人間はマグカップの言うことをよく聞いとけよ。フォイは…………銜えられて振り回されたらいくらお前でも痛いだろうからやめとくのが無難だな」
「何で僕だけ!?」
「フォイ以外にフォイがフォイ扱いされることに疑問を持つ奴挙手ー」
ハリーさんがそう言って辺りを見回すけれど、誰一人手を上げることはなかった。やっぱり、少なくともグリフィンドールとスリザリンの三年生にマルフォイが頑丈すぎるほど頑丈であることを疑問に思う人はいないようだった。
……事実、この後にマルフォイはヒッポグリフと向き合い、何度か引っ掻かれながらも無傷でヒッポグリフを撫でることに成功していた。むしろ、マルフォイに何をやっても動じないことを驚いたような目で見るヒッポグリフの方が記憶に残ったのだった。
「……ああ、服がボロボロだよ……確かにお辞儀していないのに動いた僕も悪かったけどさ……えっきし!」
「……着てくれ」
「ああ、ありがとうゴイル……ふぇっきし!」
……あの三人は仲がいいなぁ……。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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