ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side ミネルバ・マクゴナガル

 

 ついに、生徒が『秘密の部屋』の内部にまで連れ去られてしまった。一度目はフィルチの猫。二度目はニコラス卿とミスター・フィン=フレッチリー。その直後にダンブルドアに停職命令が出てバジリスクの死体が見付かったかと思えば、今回は何者かが生徒を連れ去ってしまった。

 ……ミスター・オライムレイのあれが無ければ、生徒達に出る被害はさらに大きくなっていたかもしれない。その事に感謝しながらも、今回の事で残念ながらホグワーツはその門を閉じることになってしまう。

 しかし……それも仕方の無いことだ。これ以上生徒の身になにかが起こってしまうよりは……

 

「ノックしてもしもーし!お届け物ですよー!」

「ぐばぁっ!?」

「スネイプ先生!?」

 

 突然入り口のドアが吹き飛び、スネイプ先生に直撃した。呆然としている数人の先生方を尻目に入り口に視線を向けると、そこには……。

 

「ミスター・オライムレイ!? なぜここに……」

「はい、これ届け物ね。赤毛の娘っ子と組分け帽子、それにヴォルデなんちゃらが学生時代に作った分霊箱だった日記と組分け帽子から出てきたグリフィンドールの剣。バジリスクの毒が染み込んでるから刃に触って万が一斬れたら死ぬから気を付けて」

「は? え、……はい?」

「それじゃあ用も終わったし帰る。じゃ」

 

 いつの間にか吹き飛んでいたドアが元通りに直っており、オライムレイは気絶した生徒を一人と古びた帽子と美しい剣、そして『例のあの人』が使っていたと言う話の日記帳を置いてさっさといなくなってしまった。

 残されたのは、呆然としたまま扉を眺め続ける私達と、吹き飛ばされた扉が直撃して気絶してしまったままのスネイプ先生のみ。

 

「……はっ!ま、待ちなさいミスター・オライムレ……いない!?」

 

 ふと正気に戻り、すぐに職員室の扉を開けてみたが、そこにミスター・オライムレイの姿は無かった。神出鬼没と言われるだけの事はある……が、今回はもう少し細かいところまで説明してもらわなければならない。

 ……いや、それよりも先に気絶してしまっているジニー・ウィーズリーの容態を確認してもらってからスネイプ先生を起こしてもらい……ああ、やることはたくさんある。沢山ありすぎて目が回ってしまいそうだ。

 

「マダム・ポンフリー。ジニー・ウィーズリーの事をお願いできますか?」

「任せて下さい」

 

 すぐにぐったりとしたジニー・ウィーズリーの処置に取りかかるマダム・ポンフリーを視界から外し、次は気絶したままのスネイプ先生に視線を向けた。

 ……死んではいないようだ。呼吸はしっかりしているし、瞳孔も開いていない。ロックハートのようなことになっているかどうかはわからないが、魔法を使った結果としてこうなってしまったわけではないので問題なく復帰できるだろう。

 

 ……しかし、既にふくろう便は出してしまった。これでダンブルドアが戻ってきてくれればいいと考えて出したのだが……ダンブルドアが戻ってくるよりも早く解決してしまった。

 ……よろしい、祝いとして今年の学期末テストは免除としましょう。石になっていて勉強がほとんどできなかったものも居ることですしね。

 ですが、勉強ができなかったからと言っていつまでも遅れていていいと言うわけではない。一部の生徒達は嫌がるかもしれませんが、暫くは補習か課題を出すことになるでしょうね。

 

 私は溜め息を一つつき、生徒達に出す課題の内容を考え始めた。

 

 

 

 

 

 side エリー・ポッター

 

「……と、まあこんな感じの事をして来たわけだ」

「何やってるんですかハリーさんは……」

「ん? もう一回説明しようか?」

「いりませんよ!と言うかハリーさんは『秘密の部屋』に入れないって言ってたじゃないですか!」

「『まともに入り口から入るには蛇語を話す必要がある』って言っただけで、地面を掘って壁をぶち抜けば入れない訳じゃない」

「何キロ掘ったんですか……」

「深めに見てもざっと二キロ程度だ。大した深さじゃない」

「大した深さですよそれはもう十分に!」

 

 いつものようにハリーさんにツッコミを入れ、そしてハリーさんのボケ倒しが一度落ち着いたところで脱力する。ツッコミしすぎて喉が鍛えられたのか、最近大声を出しても喉が痛くなるようなことは無くなったし、ついでに出せる音量や肺活量なんかもずいぶん増えた……気がする。

 ……いつの日にかマルフォイみたいに、一部だけでも人間から外れた存在になっちゃうのかなぁ……?

 

「人外はいいぞ~」

「願い下げですよ」

「人外は楽しいぞ?」

「だから願い下げ……マルフォイ!? なんでグリフィンドールの談話室に居るの!? 合言葉は!?」

「入り口の絵の前で『フォフォフォフォイ体操』をしたら大爆笑しすぎて外れたから普通に入ってこれたぞ?」

「『婦人(レディ)』ィィィィィッ!? 何笑いすぎて落ちるなんていう自爆してるの!?」

「自分からかなり駄目な理由で落ちる……なるほど、これが『自駄落』か」

「だから誰が上手いこと言えと言いましたか!あと正式には『自堕落』ですからね!? 確かに『自分から駄目な理由で落ちる』を略すと『自駄落』ですけど!」

「「あってるあってる」」

「あってない!ああもう私だけじゃツッコミが間に合わない!助けてハーマイオニー!」

「テスト勉強の最中だから後でね」

「うわーん!ハーマイオニーに見捨てられたー!」

 

 とりあえず私に向けて両手を広げているハリーさんの胸に飛び込んでみた。やっぱりハリーさんは暖かいし、なんだかすごく落ち着く。いい匂いもするし。

 ……『ご主人様』って呼んでみたら、いったいどんな顔をするかなぁ……?

 

 ……うん、やめよう。あんまり嬉しそうな表情はしなさそうだし、周りからの視線が凄いことになっちゃいそうだし。

 でも今はとりあえず抱きついていよう。その方が落ち着いていられるし、ついでに言っちゃえば役得でもあるし。

 ……あ、そうだ。

 

「ハリーさん、結婚してください」

「だからお互いの年齢を考えてから物を言え。無理だ」

「私のこと、嫌いですか?」

「likeで好きだぞ」

「……むぅ」

 

 ハリーさんはやっぱり鉄壁だった。残念だけど、私ではまだその防壁は破れそうにない。

 ……まあ、いいや。ゆっくりゆっくり攻めていこう。簡単には行かないことくらい前からわかってたしね。

 

 

 

 




 
フォイ「フォフォフォフォイ♪
    フォフォフォフォイ♪
    フォフォフォフォイカラフォイカラ
    イケイケGO!GO!」
婦人「ぷっ……くくくぅっふふふあははははははは!!あははははh(ガタン!ガランッ!!)」
フォイ「……さてと、入るか」


こんな感じで自爆しました。

あと、これにて『秘密の部屋』編終了です。次回からアズカバン編に入ります。
なお、ハリー版は前回で終了しました。たとえ前提を崩して続けたとしても、

ハリー「秘密の部屋を見つけたぞ!」

埋め立ててバジリスク死亡。

日記破壊

ヴォr(ry死亡

……で、終わりますし、アズカバンとかシリウスが捕まって無いですから話が成り立ちませんし……。

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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