ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 娘っ子が持ってきた日記。それは今のところ俺が二番目に欲しいものだった。一番は言わずもがな睡眠時間だが。

 その日記を叩いて叩いて中の分割されているヴォルデモー太君の魂を細かく分割していく。そして殆ど同じ形をした『ピーピングトム君の日記』を千の顔を持つ英雄で作り上げ、それに小さく小さく小さく分割したヴォルデモー太君の魂の欠片の欠片の欠片を無理矢理に張り付ける。これでヴォルデモー太君の日記のカスが完成。

 そして、作った方の日記を俺に割り当てられている場所のベッドの枕元に目立つように置いておく。触られたらまずいものにはしっかりと鍵をかけてあって開かないようになっているし、これでどこぞの誰かさんに入られても大丈夫。

 それはそれとして、一応悪戯用の罠はセットしておく。勝手に触れるとばくんと指が本に挟まれ、そして何か得体の知れない生暖かくて柔らかい湿った感触を持つ物に指を五時間ほどしゃぶられつづける罠(ちょろータムにやってみたら左手を大雨さんと繋ぐ度になんかやばい気分になるようになったらしい)とか、何かを話そうとするとやけに噛むようになる呪い(自作、効果時間は俺が解くまで。呪文を唱えられなくなるから割と魔法使い殺し)とか、ベッドに引き込まれて全身をシーツに絡め取られたままなんか凄いにゅるにゅるした感触に襲われ続ける呪い(ちょろータムに以下略)とか……まあ、割と陰険な物ばかりだな。

 

 ただし、効果があるのを人間だけに限定してあるから屋敷しもべ妖精には効果は無い。

 ちなみに効果についてはとあるバカで実験済み。白目剥いて凄いことになっていたが、命に別状はなかったことを記しておく。

 

 なお、作ったばかりの日記は三日後には消えていた。ついでに凄いしゃぶってくる本も消えていたが……あれは色々と上手いから嵌まるとヤバいぞ? 誰に言った訳じゃあないが。

 

 

 

 バレンタイン。娘っ子にチョコレートを貰ったので、お返しとしてクッキーを作ってみた。厨房の隅を借りて作り、ついでに屋敷しもべ妖精達の分も作ってみたがありがたそうに受け取っていた。

 ただ、あの馬鹿はほんとどうにかならないのかと思う。千の顔を持つ英雄で作って浮かせていた傘をぶん投げてやったが、まだ懲りないようだ。

 ……よし、次に食事を邪魔されそうになったらこの大テーブルをぶん投げてでも黙らせよう。俺がそう決めた。今決めた。

 

 今回決めたのですぐにはやらない。次の機会、次の機会……どうせまたあのド腐れ教師もどきがなんかやって来るんだろうし、そこまで長く待たされるようなことはないだろう。

 配達キューピッド(?)は、一応依頼だと言うことを理解しておいて軽くで終わらせた。まったく、俺も優しくなったもんだ。反吐が出そうなほどに甘ったるい。英霊の座に居る奴等が見たら驚くんじゃないか?

 

 

 

 死にたてバジリスクを発見した。しかし、よく見てみるとそのバジリスクはフリスクではなく別蛇だった。どうやら原作で出てきていたバジリスクとフリスクは同じ種族の赤の他蛇だったようで、こっちが原作の方のバジリスクのようだ。

 ……すまん、割と嘘ついた。実は前々からその事はフリスクから聞いてわかっていたから、ちょっと前にフリスクを俺の家の周りの森に連れて行ってから、学校に残っている全てのバジリスクを狙って雄鶏の時告げバッジを何百個か同時に『秘密の部屋』で鳴らして一網打尽にした。

 俺の所から日記を持ち出した赤毛の娘っ子がピーピングトム君に操られてバジリスクを呼んだのを確認してからやったんだが、効果は抜群だったようだ。結果としてバジリスクはあのスリザリンの石像の口の中に居たもの全て纏めて死に絶えた。死体は大半をアンダーグラウンドサーチライトに収めてあるから……暫くはバジリスクの毒に困ることはないな。使い道なんてほとんど無いけど。

 まあ、大体の事は無いよりはあった方がいいよな。面倒事とか厄介事とか必要以上の赤字とか、そう言うのじゃなければって言う条件付きだけど。

 

 

 

 娘っ子に連れられて、蜘蛛の後を追って禁じられた森に入る。ハー子とルナルド(だったか?)は危ないからと留守番しているらしい。そんなことをしたらハー子はともかくドナルドの方が拗ねそうな気もするが、何にしろもう遅いので気にしないでおく。

 原作ではここにフォード・アングリアが住み着いていたが、俺たちが来た方法はバイクと汽車。つまりこんなところに車を持ってくる事なんてありはしない。だから退避は俺の肩に娘っ子を拾って自力での退避と言うことになる。

 ついでに、原作では無かったなんらかの情報を得られるかもしれないと思ったので蜘蛛の巣にお邪魔してみることにした。

 

 ……結果から言って、全くの無駄だったけどな。蜘蛛は原作で話した以上の情報は持っていなかったし、軽く脅してみても何も話そうとはしなかった。ホグワーツの地下に居るバジリスクは殲滅済みだからこの蜘蛛が恐れるようなことはあまり無いんだが、それをわざわざ言ってやるほどお人好しではない。

 それに、バジリスクを殲滅したと言ってもフリーザは俺の服の中に居るしな。アンダーグラウンドサーチライトの中だから感知はできないだろうし、臭いもわからないだろうが。

 証拠に、出ていく時に邪魔してきた奴にフリーザをけしかけてみたら恐慌状態になって普通に歩いて抜けることができるほど楽になった。娘っ子を守る手すら必要ないほどだ。

 

 ……それにしても、娘っ子の手は小さいな。体格に見合った大きさではあるんだが、年齢から考えるとあまりに小さすぎる。あんだけ食べてよく寝て動いて、何で成長しないのかよくわからない。体質かね?

 と、ちょっとそこで思い出した。娘っ子に渡した胃薬の事だ。保存料の方の副作用は消して見せたが、胃薬の方の副作用は完全には消せなかったので注意書に『大人一日一粒、子供は三日に一粒まで』と書いておいたんだが……もしかしたらそれをよく読んでいなかったのかもしれない。

『賢者の石』を使っている胃薬だが、成分に若干賢者の石が残ってしまっている。その効果であまり量を取りすぎると身体の成長を含む損傷と治癒以外の変化そのものが殆ど無くなるんだが……この成長の遅さはそれにも原因があるかもしれない。

 食べても太らない代わりに成長もせず、傷はすぐに治るようになり、害のある呪いも効果を薄くしていく。寿命も延びるし若く居られる時間も延びるが……周りとの寿命の差が酷いことになるだろう。

 それに、不老不死に近くなればなるほど子供はできにくくなる。次代に命を繋いでいかずとも、種を続けていくことができるようになってしまうからだ。

 

 ……よし、今度は胃薬の副作用を消すように頑張ってみるかね。

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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