ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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頑張ることに決めた次の日。とは言ってもここ数日はずっと頑張ることに決めていたんだが、とりあえず俺から見て最後に頑張ることに決めた日の次の日。俺はとある海岸の洞窟に足を運んでいた。

この三日で手に入れたヴォルデモー太君の分霊箱は二つ。三つ目はホグワーツ繋がりでスリザリンのロケットにしようと思ったのだが、ヘルメスドライブを使って隠し場所を探してみたら……既にあの洞窟にはそんなものは無く、グリモールド・プレイス12番地にスリザリンのロケットがあることを確認した。

一応原作を読んで確認してみたが、あの湖から……(原作確認中)……レギュラス・ブラックがスリザリンのロケットを持ち出したのが死亡の原因であり、死亡年の時点から見るにまだヴォルデモー太君が最盛期であった頃にスリザリンのロケットを持ち出していたらしい。

そしてその直後に彼はロケットを破壊するように屋敷しもべ妖精に命じて毒を飲み、水を求めて水辺に行ったところを亡者によって水中に引きずり込まれて無くなったそうだ。

 

……正直……あー……(確認中)……レギュラスが生きていてくれればこんな面倒臭いことはしなくてよかったのにと思ってしまうが彼のその行為は間違いなく素晴らしいものであったので否定する気はない。

あれを手に入れるにはどこぞのこそ泥のようにあの屋敷しもべ妖精から盗み出すくらいしか方法が無いのだが、それをやってしまうと間違いなく後々面倒なことになる。壊してしまうのが一番早いことはわかっているが、本当に壊してしまうとヴォルデモー太君がその事に気付いてしまうからできればやりたくはない。

要するに……壊したとあの屋敷しもべ妖精に思い込ませればいいわけだ。どんな方法を使ったとしても。

 

そう言うわけで、俺はまず入れ替わりを受けた家宝のロケットを取りにこの絶海の孤島にまでやって来たわけだ。

しかし、この世界に来てからと言うものヘルメスドライブが便利すぎて涙が出てきそうだ。魔法を使うと魔法省が五月蝿いが、魔法の道具だったらおよそ何を使っても文句を言われるようなことはない。

勿論バレなければそれが一番なんだが、バレた時の事も考えて行動するのが一流の仕事人の必須条件なんだそうだ。誰が言ってたかは忘れたが、失敗の種類によってはそれをその場で利点へと変えたりする発想力や失敗してもその被害をはじめから最小限にまでとどめるような考えを持つことが大切なんだ……と言っていたお偉いさんがどこかに居たような気がする。

 

失敗した後は即座に力業でぶち抜くことを考えつつ、俺は魔法で封印されていた岩場の壁をディープダイバーで抜けて進む。無機物ならば簡単に通り抜けることができるこの能力は、侵入にはかなり便利な能力だ。

侵入後に目の前に広がっていたのは大きな湖。何でこんな大きな湖がこの小さな島に入っていたのかはよくわからないが、魔法という言葉で説明できるんだろう。多分。

 

そんなことはどうでもいいが、湖の真ん中辺りにある筈の石の台座を目指して俺は転移する。船があるという話だが、俺はこの世界の魔法のことをよく知らない。だから直感以外に隠された魔法の効果を狙って発動させたり、用意されている道具を使ったりすることはできない。

だが、ヘルメスドライブはそんな魔法の全てを無視して俺を必要な場所まで運んでくれる。運ばれたその場所には原作で記されていた通り、緑に輝く薬を入れた石の水盆が黒い石の台座に置かれていた。

 

……さて、ここで俺が初めて……桜道和哉から織斑一夏に転生した時に神に求めた能力を思い出してみるとしよう。

俺が求めたのは、宝具【千の顔を持つ英雄】とIS【ランブルデトネイター】、それに特典を完全に使いこなせるだけの身体能力と、幸運Bと健康。

その中でIS【ランブルデトネイター】は神の気紛れ……のようなもので【全てのインヒューレントスキル】へと変わったし、他にもまだ少しだけ貰っているが、今回はそれは重要ではないので割愛させてもらうことにする。

今回最も重要なものは、最後の【健康】だ。これがある限り俺はあらゆる病にかかることはないし、精神的と肉体的には不調になることはまず無い。

精神的な方はなることもあるが、割とすぐに治るので問題らしい問題にはならないし。

 

つまり何が言いたいのかと言うと……俺はこの薬を飲んでもなんともない、と言うことだ。不味いからあまり飲みたくはないが、それでも体調が悪くなったりはしていない。

あの校長はこの不味い薬をよくもまあグラスに10以上も飲めたものだと感心するが、俺はわざわざこんなものを飲むためにここまで来たわけではないので自分にできる方法でロケットを手に入れることにした。

具体的には、ディープダイバーを使って石でできている台座と水盆をすり抜けて底の方から直接ロケットを抜き取った。薬に触れるのが嫌だったので水盆の方にディープダイバーを干渉させてみたら無機物をすり抜けるようになった水盆の底からロケットを掌に落とすことで薬に触れずに取ることができた。これで後は…………あ。

 

……忘れてた。どうやってあの屋敷しもべ妖精に会おうか? 正確に言うなら、会ったとしてもあの家に住む大奥様とやらがご臨終してくれないとまともに話をすることすらできやしない。

原作ではハリー君は名付け親から屋敷ごとあの屋敷しもべ妖精を受け取り、そしてしばらく時間をかけて説得したり買収したりしながら色々やってあの屋敷しもべ妖精の信頼と忠誠を勝ち取っていった訳なんだが……俺の場合はまず話をする場を作るところから始めなければならない。

それは少なくともあの大奥様が生きている間は不可能だろう。それに死んだとしても屋敷や屋敷しもべ妖精の所有権は俺の名付け親にある。そうだとすれば俺が話をしに行ったところで門前払いを食らうだけだろう。恐らく魔法の守りも万全にかかっているだろうし。

 

……ここまで詰みに近い状況は久し振りだが、やりようによってはいくらでも解決方法を見つけることができる。かなり外道な方法ではあるが、一応できないことは無いはずだ。

とりあえずこの方法を実行するのならばあと4年……あの大奥様がお亡くなりになられるまで待たなければならないが…………それまでの時間は準備期間とでも思っておこう。

その間にできることはやっておかないとな。現存する五つの分霊箱のうちの三つ目に、ゴーント家の指輪を手にいれる……とか。

スリザリンのロケットは後回し。ピーピングトム君の日記(むしろ日記の中からピーピングトム君)はフォイの所から来るまでは放置でOK。

 

……よし、それじゃあ三つ目の分霊箱を手に入れたらさっさと寝るか。斬魔剣・弐の太刀がこの世界の魔法や呪いにも有効だってことが知れただけでも収穫としては十分だし。

あと、正直眠い。おやすみ。

 

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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