ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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グッドモーニング、グリンゴッツ!

そう言うわけで俺は今、イギリス近郊の魔法使い達の殆ど全ての者が一度は利用したことがあるだろうグリンゴッツ銀行にやって来ている。

ヴォルデモー太君の分霊箱の一つであるハッフルパフのカップを盗み出すために来たわけだが……ついでに色々と頂いていこうと思う。金はいくらあっても困らないからな。

 

まずはヘルメスドライブを使ってハッフルパフのカップを探し出し、カップのある金庫の中に転移する。カップには呪いがかけられていたので斬魔剣弐の太刀で呪いだけを破壊してカップを取り、代わりに千の顔を持つ英雄で作った外見だけは全く同じ物を吊るしておく。

同じように周りにある金貨などの足のつかないものを全部纏めて魔法使いのローブのような形で作り上げたシルバースキン(ルーちゃんはシルバーローブと呼んでいた)の中に作ったアンダーグラウンドサーチライトの中に放り込み、同じように偽物の金貨を千の顔を持つ英雄を使って作り出してすり替えておく。これでこの金庫の中にある金属製の物質の殆どを爆破できるようになった。

 

小鬼達に窃盗がバレると面倒な事になるのは間違いないので、もう一度ヘルメスドライブを使って転移することでグリンゴッツ銀行の地下深くから脱出した。あの金庫の鍵の持ち主はアズカバンで終身刑を受けているはずだから、あと15年はバレることはないだろう。多分。

もしバレたところで証拠など一切残していないので俺が疑われるようなことはない。盗んだものをグリンゴッツに預けたらまずいかもしれないが、全部アンダーグラウンドサーチライトの中に入れたまま使う時に必要なだけ出す以外では出す気はないので何も不味いことはない。

 

さて、一つ目の分霊箱を手に入れたし、金もそれなりどころじゃない量を手に入れた。となれば今日はこれで一度活動を辞めて、非魔法使いの戸籍を手に入れることにしよう。簡単に一度書類上に親夫婦を作り、そしてさっさと事故か何かで死んだことにしてしまえばいい。

金に関しては直感スキルをフルに活用することで競馬なりなんなりでいくらでも稼ぐことができる。親の名前で稼ぎ回って、そしてさっさと死んでもらうことにしよう。初めから存在すらしていなかったのだから、殺したところで心が痛んだりはしない。

今日の仕事は終わりだ。まずは金を稼ぎに行くとしよう。

ガリオン金貨を換金してしまえば手っ取り早く纏まった金が手に入るかもしれないが、流石に魔法界の金貨を非魔法使い……マグル達の流通網に流してしまうのはまずい。そんなことをしたら間違いなく魔法界から干渉を受ける事になってしまうだろう。自由のために色々面倒事を解決していっているのに、そのせいで不自由になるとかふざけんな、だ。

そんなわけで金貨を売るのは却下だが……初めにほんの僅かだけ偽金を作ってそれを種銭に賭け事で稼ぐだけなら行けるはずだ。

さあ、ちょっくらラスベガスまで行ってみるとしようか。

 

 

 

 

 

side とあるギャンブラー

1981年11月1日。この日はラスベガスのありとあらゆるカジノが大打撃を受けた日であり、11月1日にラスベガスの全てのカジノが店を閉めるようになった原因が現れた日だ。

その日、そいつは現れた。見事なスーツを着込み、トランク一杯に用意された金をフルに使い、初めは小さく小さく……目立たぬように賭けを続けていた。

それが目立つようになったのは、そいつが来てからたったの30分後。その30分の間に、スロットに座ったそいつはただの一度も外れを出すことなくコインを吐き出させ続けていた。

コインを入れる箱が数十数百と積み上がり、そして店の警備員が近付いてくる寸前に席を立って違うゲームに参加する。

ブラックジャックでは毎回最適解を叩き出し、一度安く負けても次で毎回ブラックジャックを出して取り返す。30回行って勝ち分を10倍以上に増やした後、今度はポーカーの台へと移動していく。

毎度相手よりも確実に上の物を揃え、時に力業で、時に詐術やハッタリで勝ち上がり、次々に賞金を巻き上げていく。そのすがたはまるで、お伽噺の魔法使いのようだった。

 

そして奴が最後に手を出したのはルーレット。毎度毎度玉が投げ入れられた直後に掛け金を三点に絞って大量に放り込み、そして毎回一所に賭けた金の36倍を受け取り、それが五回続いたところで店の方からストップがかかる。

既に相当の金を稼いでいたらしいその男はその言葉を受け入れて打ち切ったそうだが……それでもカジノ全体に振りかかった被害は相当のものだったそうだ。なにしろ年間純利益のおよそ三倍を一方的に持って行かれた上に、その後色々と手を回してその金を回収しようとしたが全て失敗し、証拠も残らず幾人ものやり手を失ったそうだ。

 

その日以来、夜の無い町と称えられたラスベガスには、年に一度だけ夜が訪れるようになった。

毎年、たった一日だけ。11月1日の0時00分から、23時59分までの丸一日。全てのカジノは明かりを消し息を潜めて次の日を待つ。

多くのギャンブラーの理想を体現し、賭場自体を閉鎖に追い込みかけ、さらにその賭場からの追っ手を排除し尽くした男。俺達はその男の事を、いつしかこう呼ぶようになっていた。

『金色の帝王』、と。

 

 

 

 

 

side ハリー

 

金を手に入れた俺は早速この金を使って家を買った。町や村からかなり外れた山の麓のぼろ小屋だが、この周囲の土地ごと買ったので個人的にはかなり満足のいく買い物だった。

なにしろぼろ小屋なのは見かけだけ。中には最低限の生活を送ることができる程度の備えしかないが、実際には地下室が存在している。

地下25階まで存在し、その一層一層が最低でも東京湾と同程度、最大だと北海道が丸々一つ入ってしまうほどの大きさを持つ地下室には、俺が遊びで作り上げたアスレチックや疑似太陽を使って気候を調節して作った熱帯雨林などを設置してある。

……千の顔を持つ英雄って、超便利。

 

なお、最下層である地下25階には更にいくつかアンダーグラウンドサーチライトを設置してあり秘密の金庫として活用されていたりもするが……今のところ、入れておくべき物なんて何もないのでただのちょっと危ない武器倉庫として使用されている。

 

…………ほら、何事においても準備は必要だしな?

そう言うことで、準備の次の段階として今度はレイブンクローの髪飾りを狙ってみようと思う。ホグワーツの『必要の部屋』にあることはわかっているんだし、できるだけ慎重に行くとしようか。

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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