ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

「『必要の部屋』に何かを隠す時に出てくる部屋はいつも同じだ。そしてその部屋には数多くの人間達が様々な物を隠してきた」

「……見つけるの、大変そうですね」

「何言ってんだお前『悪霊の火』で全部丸ごと焼き払えば一発だろ」

「まさかの初手放火!?」

「まさかも何も一番効率がいいだろ。お前この中から目的の物が見つかるまでずっと探し続けるつもりだったのか? クソほど時間かかるだろうからやめとけ。『必要の部屋』が作り出した隠したいものを隠すための部屋だぞ? どこにどんな仕掛けがあるかわかったもんじゃない。性質上探査の呪文やらなにやらは無効化されるだろうしな」

 

 そのつもりだったんだけど確かに凄く苦労しそうだし全部燃やしちゃえば一番効率がいいと思うけど……もしも燃え残っちゃったりしたらどうするつもりなんだろう? あと逆に燃やしすぎて『必要の部屋』の外にまで火が燃え広がってきたら。

 

「空間がずれてるから多分大丈夫よ」

「『悪霊の火』に空間を焼く効果はないからな。物質的なものなら大体は焼けるんだが」

「ちなみにハリーさんは焼けるの?」

「俺が自分から積極的に焼かれようと思えば多分」

 

 自分から焼かれようと思わないと焼けない身体って何ですか……? それは本当に人間の身体ですか……? 私は訝しんだ。

 まあ私が訝しんだところで現実が変わるわけじゃないのでとりあえず『必要の部屋』に『悪霊の火』を放り込む。これで多分大丈夫。あくはほろびた!

 

「これで滅ぼす準備が整っただけだと思うのだけれど……?」

「むしろとっくに滅んでいる可能性」

「じゃあバルバモートは何なのよ」

「世界のバグ」

「「「納得」」」

 

 つまりハリーさんの同類、と。

 ……え? ちょっと待って? ハリーさんの同類相手とか、相手がハリーさんじゃなくてもその同類相手とか、勝てそうにないんですけど?

 ほらハーマイオニーだって顔を真っ青どころか土気色にして震えてるし、ロンなんて荒巻スカルチノフみたいな勢いで床とこんにちはしてる。ビタンッ!!!って凄い音した。あと床に広がる皹も凄い。

 

「……あの、ハリーさんの同類相手とか勝てる気がしないんですけど」

「ある程度何とかなるようにしてあるから安心しろ。と言うかバルバモートに関しては心配しなくていいから周りの奴を潰すことを考えときな」

 

 いったいなんでハリーさんがそう言えるのかよくわからないけれど、とにかくハリーさんに任せておけば多分大丈夫。と言うかハリーさん以外にハリーさんの同類を相手になんとかできるって言える人いないよね。言えるだけなら居るかもしれないけど、実行できるかどうかはまた別の話だし。

 でも一体何をどうするつもりなんだろうか。やり方次第じゃこの国が地図から跡形もなく消えてしまいそうな気がするからどんなことをするのかは聞いておいた方がいいのかな……? 聞いたところで何も変わらないと言われたらそれまでな気もするけど。

 

「あ、メール来た」

「メール!? ホグワーツで!?」

「? メールって何?」

「マグルの使う機械で送るメッセージみたいなもんだな。状況にもよるがふくろう便より早いぞ……あ、バルバモートからの宣戦布告だ」

「メル友なの!?」

「連絡つかないと面倒なことが多いからな。魔法界でも使えるマグル機器なんて早々無いし、実質ホットラインみたいなもんだな」

「と言うかなんで宣戦布告をハリーさんが受けることになるんですか?」

「一番簡単に連絡できるのが俺だからだろうな。それからこれはあくまでも練習みたいなもので実際の宣戦布告分はふくろう便で直接ホグワーツの校長に届けるってよ」

「ホグワーツの校長って言うと……スネイプ先生?」

「その通り」

 

 スネイプ先生が今の校長なんだ……なんだかかなり理不尽な理由でグリフィンドールから減点してる気がする。明日も朝早くから仕事で眠すぎるから減点とか。

 

「理不尽な減点は増えたが意味のわからない加点も同等に増えたから基本的には無いのと変わらんぞ」

「具体的には?」

「甘辛いタレをつけて食べるカルビが一番美味いと言う生徒がいたからグリフィンドールマイナス3000000点とか、よく焼いた牛タンにレモン塩を付けて食べるのが予想よりはるかに美味かったからグリフィンドールにプラス3000000点とかだな」

「桁がおかしすぎる気がするんですけど」

「ちなみに俺は昨日なんかいつもより眠い気がしなくもないからスリザリンの点数を10000000000000000000点マイナスしておいた。後悔はない」

「できるんですか!? そして内容が理不尽にもほどがある!?」

「今日気分よく起きれたから同数加点しておいた。まあ寮の点数と言うのは教師の気分次第で決まるものだからな」

「ハリーさんはいつの間にホグワーツの教師になったんですか?」

「さっき教えてただろ忘れたのか」

 

 いっそ忘れていたかった。しかもなんか結構しっかりした授業してたし、やっぱりハリーさんって人にものを教えるの上手なんだよね。普段は面倒臭がってやりたがらないけど。

 あと今更だけど加点減点の内容が頭おかしい。食べ物の好みで軽々しく減点とか加点とかやめてほしい。グリフィンドール関係ないし。ハリーさんがやったのもスリザリンこれっぽっちも関係ないけど。

 ……でも、バルバモートからの宣戦布告がきたということは、本当にもうすぐ全てが終わるんだろう。長かった、それこそ私の一生よりもずっと長かった戦いがようやく終わる。その結果が私にとって良いものか悪いものか、世界にとって良いものか悪いものかもわからないけれど、きっと最後には勝った方にとって都合のいい未来になっていくんだろうなと思う。人間同士の争いなんて、結局そういうものなんだしね。

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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