ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

「はい今日の乗っ取り防衛術の時間だよ。闇の魔術に対する防衛術の先生をやっていた過労先生が毎度のごとく過労で倒れたから代理で俺だ。文句がある奴は言ってくれて構わん、今学期の評価は『T』だ。

 安心しろ、俺の中でそういう評価がされるだけであって実際の成績を付けるときには本人の実力をしっかりと調べた上で書くから。

 前回は確か呪いの切り傷の治癒呪文について教えたはずだな。全員覚えているものであるとしたうえで授業進めていくからできない奴は今すぐ言え。精神だけ一兆倍速の時間で早回しして授業を付けてやる。

 ……いないな。では今回は次回教える予定の呪いの火傷を治す呪文及び対抗呪文の前提知識、相手に呪いの火傷を残すことができる呪文について教えていくぞ。何回も言っている通り傷を治すのであればその傷の原因となった魔法について学ぶのはごく自然かつ重要なことだ。ただ治す方法だけを覚えていても何故その魔法で治るのか、その魔法が最も効果を発揮する場合の原因に何が考えられるかというのが分からなければ文字通りに対症療法にしかならない場合がある。原因がはっきりしている場合ならば問題ないかもしれないが、原因がはっきりしない時や本人の意識が完全に失われている時などにはそういった考察が重要になる。毎回のように繰り返している話だがこれは本当に重要な話だから何度でもするぞ。

 本題に入る。まず呪文には火花を散らすものが多く存在するが、多くの場合火花と言う形は術のロスのような物だ。強力な呪文であればあるほどにはっきりとした火花が見れるのは、使われる魔法力の量が格段に増えることによって周囲にまき散らされる魔法力が火花と言う形で視覚化されているにすぎない。しかしその火花は逆に言えば魔法力の塊であり、強力な魔法使いの使った呪文から発せられた火花であれば本来の呪文の効果とは別に相手に火傷を負わせることも不可能ではない。が、そもそもそれで負った火傷は魔法力による焼き付きのような物なのでマグルでもなければほっといてもすぐ治る。火花を発した呪文が闇の魔術に属する呪文だった場合は元となった闇の魔術の効果が火花によって負った傷にも当てはまることが多い。

 元となった呪文が『磔の呪文』だった場合、その火傷からは常に堪えられないほどの痛みが走ることだろう。『磔の呪文』は込められた魔法力の強大さに比例して相手に与える痛みの強さが変動する呪文だから火花と言う形で発散されるようなことは少ないが、だからこそ万が一『磔の呪文』で起きた火花によって受けた傷には強大な闇の魔力が宿る。やろうとしても大抵の奴は『磔の呪文』で火花を起こそうとしてもできないけどな。できるようになる前に魔力切れを起こすか大量に魔力を使ったせいで焼き付き起こして一時的に呪文とか使いにくくなるだろうが。

 ちなみに魔力を込めれば込めるほど効果が高くなる呪文は他にも色々ある。有名どころで言うと『浮遊呪文』がそうだな。あれは効果がかなり簡潔なものだから魔力のロスが出にくいから火花とかほとんど出ないし失敗して爆発なんてこともほとんど起きない。たまにやる奴がいるがそいつはいまだにいろいろ爆破してるからもう気にしなくていいぞ。

 呪文は学問だ。しっかりと理解していれば自分で新しいオリジナルの呪文を作り出すこともできる。大抵の場合は誰かが既に作っていたが他の呪文の方がコスパが良かったり難易度が低かったりして使われないから歴史の陰に消えていくようなのもあるけどな。さっき言った『浮遊呪文』も杖を向けたものを浮かせる際に杖を追うように浮かせたりした煮物を入れるとそこから一定の高さに浮くようになったりと様々な形があったりするが、まあ便利に使えりゃいいんだよ。

 また脇に逸れたから話を戻すが、火を起こす呪文の中で最も面倒なものは『悪霊の火』と呼ばれる闇の魔術だ。『悪霊の火』は使うだけなら結構簡単にできるんだが制御が難しい術の一つだ。この呪文は敵しか居ない場所で自爆したりする時なら不完全版でも多少は使えるようになるだろう。実のところ制御しないでぶちまけるのが一番強い使い方だったりするしな、これ。ただし実行したら自分と周囲の全員を焼き殺すまで止まらないものと思ってやれよ。

 その他にも焼き印を押す呪文もあるし、少々の魔法力を込めた杖の先端で肌を突いてやればそれだけで十分火傷を負わせるくらいはできたりするな。魔法力が便利すぎるな。

 そういう訳で黒板に火傷を残しうる呪文及び状況、生物についてを纏めておいたから全員これを書き取れ。授業終了までに書き取りが終わらなかった場合、次回の授業の実験台になるか時間を圧縮された部屋で書き取りが終わるまで閉じ込められるか好きな方を選んでもらう。速く終わった奴は自習だ。俺はこれからちょっと必要の部屋に行って某ホグワーツを作った四人のうちの一人の髪飾りをさっき来た娘っ子に渡してやらないといけなくなったんでな」

「気付いてたなら呼んでください寂しいじゃないですか」

「気付くも何もお前たちの魔力やら何やらを追跡して今の今までどこにいたのかはちゃんとわかってたんだが。ロニー坊やはグリンゴッツ破りご苦労、カップはちゃんと粉砕できたようで何より。娘っ子とライデンは剣を折れたな、いい子だ。こっちはこっちで準備を進めてたところだ」

 

 何の準備かはわからないけれど、とにかくここから一気に話が進んでいくんだろうなってことだけはわかった。そして私達に今まで気づいていなかったらしいその場の全員が私達に視線を向けて驚愕の声を上げた。

 多分、私がここに来たということはあっという間にホグワーツ中に広がることだろう。そしてホグワーツ中に広がるということは死喰い人でありながら教師として行動しているものにも伝わるということ。そして死喰い人に伝わったのならば、間違いなくバルバモートにも伝わるという事だ。

 

「ハリーさん」

「ああわかってるわかってる、急ごうか」

 

 マントを翻してハリーさんは進む。私達はそれについて行って、途中で先生たちにこれからこの場所が戦場になることと時間が必要なことを伝えた。ここからどうなるかは……まだわからない。

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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