ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
「違うぞ」
「……違うんですか?」
「ああ、違う」
なんということだろう。私は『選ばれしもの』ではないとハリーさんに言われてしまった。それが事実かどうか私には判断がつかないけれど、ハリーさんの言うことだから多分間違いではないと思う。
では、私は何なのか。私が『選ばれしもの』で無いならば、いったい誰がそうなのか。
「娘っ子は娘っ子だ。それ以外の何者でもなかろう」
「そう……ですか?」
「俺はそういう認識だ。と言うかそもそも『選ばれしもの』とか言っているが選んだのはヴォルデモートだからな? ヴォルデモートが選び、そしてヴォルデモートを打倒したものが『選ばれしもの』だ」
……つまり、ハリーさんが『選ばれしもの』?
「あいつが俺の命を狙ってきているんだったらその通りだな」
「ちなみに今は狙われてますか?」
「命は狙われてないと思うぞ。命はな」
「……では身体を!?」
「おいその腐った思考を止めろ仮死状態にしてから脳を鼻から引きずり出して塩漬けにするぞ」
「死にますよ!? さすがにそれは死んじゃいますよ!?」
ハリーさん怖い。かなり怖い。ハリーさんはどうもそっち系統のことに対して嫌悪感が強いらしい。気を付けよう。
……いや、本人を目の前にして言うのはどうかと思うけど、本人に一切伝わらないようにしてならやってもいいんじゃなかろうか。
「伝わらないと思っているのか?」
「伝わりますねごめんなさい許してください何でもします」
「これからは気をつけろ」
「はい!」
まあ、私もそっちの方にはあまり興味がない。誰かが話しているのが偶然耳に入ってしまったのを何となく周囲の人間関係にあてはめでしまったりするくらいで、わざわざ自分からそういうのを探そうとか自分で作ろうとかそんなことは全く思わない。だから私はほとんど困らない。
時々変な方向に思考が飛んじゃうこともあるけれど、それは許してほしい。常にたった一つのことだけを考えていられるほど私は器用な存在ではないのだから。
ハリーさんのことならいつでも考えられるけど、ハリーさんのことだけを考え続けているわけにもいかないしね。残念なことに。
食事について考えたり、掃除や洗濯について考えたり、生きていく上ではいろいろ必要だからね。しょうがないね。
それに、最近ヴォルデモートは……バルバモートと名乗るようになってから大っぴらに動くことがなくなってきた。動く時には水面下で。殺す方法もあからさまな魔法ばかりでなく事故に見せかけることも増えてきたし、魔法省を乗っ取ってからは『煙突飛行ネットワーク』などを使って移動する者たちの中で特に厄介な相手を左右別々の場所に送り出したりして殺している。けれど、既に『服従の呪文』を受けている者達はそれを一切気にせず、あるいは気にしていたとしても行動に移すことはできないままに『煙突飛行ネットワーク』を利用して仕事場に向かっているらしい。
騎士団のメンバーの多くもそうして魔法省に入り、その場にいた全員から一度に『服従の呪文』を受けて操られてしまったらしい。今自由にしていられるメンバーは数少ない。
ここからバルバモートを倒すためにいろいろやらないといけないことがあるのだけれど、とても大変なことだろう。頑張らないと。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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