ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 あれから世界は平和になった。様々な場所で行われていた犯罪の多くは摘発され、バルバモートはイギリスと言う国を裏から動かす支配者となった。

 表向きの最高権力者である女王陛下は部下共々『服従の呪文』によって動かされ、バルバモートをつれて世界各国を飛び回ることで『服従の呪文』による支配を進めている。

 ホグワーツを含めたイギリスでは、英雄としてバルバモートの名が挙げられ、教科書は書き替えられ、様々な常識が塗り替えられた。まるで、古い塗装を新しく塗り替えるように。

 

 世界は変わった。『穢れた血』と言う言葉は失われ、純血や半純血は気にされなくなった。マグル生まれであっても欠片も気にされることはなくなり、魔法族とマグルの間での恋愛も少しずつ増えているらしい。

 そして私は、世界から姿を消した。かつてヴォルデモート卿を打倒した魔法界の英雄、エリー・ポッターは、魔法界の記憶から完全に消え去った。

 友人であったロンやハーマイオニー。マルフォイやクラッブ、ゴイル。先生であったマクゴナガルやフリットウィック、ハグリッド。その誰もが私の事を記憶から消し去った。

 マグルの中で私の事を知っている人はもういない。バーノンおじさんは獄中死したそうだし、ペチュニアおばさんはダドリーをつれて行方不明。プライマリースクールのクラスメイトは私の事なんて覚えていないだろうし、お父さんの血族は私は知らない。だから、私の事を知っているのはハリーさんだけ、と言うことになるのだろう。

 

 かつて見た夢のように、私はハリーさんの家で飼われている。

 契約で縛られ、ハリーさんが生きている限り私はハリーさんの命令を破ることができない。ハリーさんの持っている土地から出ることはできないし、私の事を誰かに伝えることもできない。私はただ、ハリーさんの作ったご飯を食べて、バルバモートや死喰い人達くらいしかこない喫茶店でお仕事をして、ハリーさんの家に用意された一部屋で休むといった、まるで愛玩動物のような生活を送っている。

 どうせならあの夢のようにハリーさんに全てを差し出した肉奴隷生活を送りたいと思ったりもするけれど、残念なことにハリーさんはそういったことにほとんど興味がないらしい。

 でも、私の人生をおかしくしたと言う理由からか、ハリーさんは私のお願いは大体聞いてくれるから……いつか、私はハリーさんに抱かれたい。子供の面倒を見るのが嫌だと言うのなら卵巣を潰して子供ができないようにしてもいい。逆に子供がほしいと言うなら何人でも妊娠して産んでみせる。ハリーさん以外の誰かに抱かれると言うの以外だったら、なんでもしよう。

 

「そう言うわけでハリーさん。私を性的な意味で陵辱してもらえませんか」

「駄目だ」

「なんでですか」

「血縁だからだ」

「えっ」

「血縁だからだ」

「……えっ?」

 

 知らなかった。ハリーさんと私に血縁があるらしい。

 

「いとこ辺りだったら結婚だってできますから大丈夫ですよ!」

「双子だが」

「えっ」

 

 ……あれ? 確か……

 

「……私の双子のお兄さんって、ヴォルデモートに殺されたって聞いてたんですけど?」

「いや、俺がヴォルデモートを殺してその肉で死体作って一旦消えたんだよ。そもそも娘っ子は誕生日が八月一日午前0時42分辺りに産まれたから、予言に引っ掛からないしな」

「えっ」

 

 ちょ、世界は平和になったのに後から後から新しい情報が湧き出てきて私の意識を圧殺しようとしてくるよ? どういうことなの?

 

「……あれ? じゃあどうしてヴォルデモートが生きてるのにハリーさんも普通に生きてるんですか?」

「何言ってるんだ? ヴォルデモートは死んでバルバモートが出ただろうが」

「えっ」

 

 それでいいの? え、待って? 本当にそれでいいの? 名前が変わったから別人扱いって本当にそれでいいの? だったらトム・マールヴォロ・リドルだったらセーフってことなの? 嘘でしょ?

 

「おいおい、ヴォルデモート卿ってのが元々その名前のアナグラムだったんだから、少なくともそこから外れるようにしないと駄目だろうよ」

「え、本当にそれで解決した感じなんですか?」

「中身を一度精神崩壊させて作り直した後だからな。人間的にヴォルデモートは死んだも同然だったんだろうよ」

「まあ実際殆ど死んでたみたいですけど……」

「ちなみに決め手はロニー坊やな」

「えっ」

 

 ……あ、分霊箱。そっか、最後の箱はロンが壊してたんだ……ハリーさんがホグワーツに残された分霊箱を壊してたんだろう。で、ロンが残った分霊箱を壊して終わり、と。

 

「……だったらバルバモートはなんで生きてるんですか?」

「引き裂いた魂は碇と鎖だ。本体が死んで肉体を失ったとき、ゴーストになったりあの世に行く事なく現世に留まり続けるための楔と言い換えてもいい。それが破壊されただけで本体が即死するわけがないだろう?」

「だったらバルバモートはこれからも生き続けるんですね?」

「さて、それはどうだろうな?」

「えっ」

「魂を分割しまくった奴がそうでない奴に比べて寿命が長いと本気で思うか? 死なないだけで生きていると言えなくなるまでも相当早いだろうよ」

「えっ」

 

 ……まあ、納得できる話ではある。魂と言うのがなんなのかはわからないけれど、普通に考えて何らかのエネルギーの源のようなものだろう。それを分割してしまったら大本はかなり小さくなってしまうだろうし、加えて言えば機能の足りないところが出てきてしまう可能性もある。そりゃあすぐ死んでもおかしくない。

 

「じゃあバルバモートは───」

「ああ。あと5000年程度しか生きられないだろうな」

「えっ」

 

 長い!? めっちゃ長いですよハリーさん!ダンブルドアの友人であるニコラス・フラメルだって2000年は生きてないはずなんですけど!?

 

「なぁに百万年単位で四捨五入すれば0だ」

「それ人間のまま1以上になること無いんじゃないですかね!?」

「気功を極めればいけることもあるらしいぞ」

「えっ」

 

 それは本当に人間と言えるんだろうか……?

 

「それはそれとして私を閨に引きずり込んでベッドの上で調教してもらっていいですか?」

「駄目だ」

「駄目ですか」

「駄目だ」

「血縁とかどうでもいいし、子供を作りさえしなければ欠片も関係ないと思うんですが駄目ですか」

「駄目だ」

「犯してくれないと死にます」

「おい待て早まるな」

「凌辱してくれると言うことでよろしいですか」

「よろしくない」

「私に魅力を欠片も感じないですか?」

「魅力以前に娘っ子は初潮も来てないだろうが。栄養不足から来る発育不良と賢者の石の効果の一つである不老化によって来てないのは知ってるんだ。俺は気に入った奴がストライクゾーンだから見た目はたいして気にせんぞ。臭かったりしたら美人でも嫌だが」

「……(くんくん)」

「安心しろ、娘っ子は臭くはない。だがいくらなんでも身体が若すぎるから抱いてほしいと言われても気が引ける」

「ぐぬぬ」

 

 ハリーさんって変なところで常識的な事を言う。普段は凄まじく非常識なくせに……!

 絶対諦めない!私は絶対、ハリーさんに○○×□してもらうんだから!

 

 




これにて闇編終了。
様々な謎が残りましたが、それは黒編にて明かされるでしょう。
頑張って書きますので、気を長くしてお待ちください。

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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