ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 ハッフルパフのカップを壊しにグリンゴッツに潜り込まなくちゃいけないんだけれど、グリンゴッツは今まで誰一人として盗人の侵入も帰還も許さなかったと言われる巨大な管理機関だ。勿論そう言われているだけで実際にそこに入ってから外に出ていった人物を知っている私としては、結局そういう建前と言うか看板と言うか、そういったものが一番のハードルになっていると考えられる。

 そして、ハリーさんは私たち三人にこの仕事を任せようとした。つまりそれは私たちならそうすることができると確信していたからだと推測できるわけだ。

 ちなみに、グリンゴッツの金庫破りをした人物は、バルバモート……当時はまだヴォルデモートと名乗っていたんだったね。それと、バルバモートに取りつかれたクィレル教授。多分ハリーさんも入っているんだと思うけれど、それは別にいい。ハリーさんの方法を真似ようなんて絶対に無理だと言い切れるしね。

 

「そこで、グリンゴッツに侵入してハッフルパフのカップを奪取し、破壊するためには何をする必要があるかを話し合いたいと思います。司会進行は私、エリー・ポッターが」

「解説反論などなど、理論方面の事は私、ハーマイオニー・グレンジャーが」

「脳筋仕事は僕、ロン・ウィーズリーが担当します」

 

 そうして話し合いが始まったんだけれど、中々話は進まない。目的の金庫がどこにあるのかもわからないし、そこまでの道のりにいったいどんな魔法や罠が用意されているのかもわからない。けれど、とりあえず私とハーマイオニーは『悪霊の火』を使えるようになるべきだと言う点では話は一致した。見つけてもロンがいなければ壊せないのでは片手落ちだし、壊すための力は必要だ。

 ロンのあれは……魔法に喧嘩を売っているような結果を出すけれど、とにかく破壊できていると言う事実が重要なのであって過程はなんだっていい。重要なのは結果であって過程は何でもいい……とまでは言わないけれど、現状ではかなり優先順位は低いことだしね。

 

「とりあえず、案を出そうと思う。そうだね……変身魔法で化けて、『服従の呪文』でゴブリンを操って入り込む。扉はロンに壊してもらってあとはカップを壊すか持ち出すかしてとんずらする」

「変身魔法は効果がないと思うわよ。それをやるなら変身魔法ではなくポリジュース薬を使うべきね。……あいつらの体の一部なんて持ってないから結局使えないけど。

 私は『姿現し』でどうにかする方法を提案するわ。ちょっと苦労したけど、魔法省やホグワーツで使われている『姿現し封じ』の隙間を見つけてそこを通っていける方法を見つけたから。欠点は『どこに出ればいいかわからないから一つ一つ巡って行くのに時間がかかる』ってところかしら」

「真正面から粉砕する」

「脳筋発言にも程があるのになんでこんなにも説得力があるように聞こえるのかとっても不思議だわ」

 

 そんなこんなでいろいろ話し合いをして、結局ハーマイオニーの案とロンの案の相の子みたいなのが実行されるということになった。まあ、しょうがないよね。二人の案はそれ単体だと実行するための薬とか材料とかそういうのが殆ど用意できなかったんだからさ。こっちは自分たちで用意できるものを全力で使い尽くしていかなくちゃ死んでしまう。できないことをできることであるかのように言うのは現実が見えていないといわれてしまっても仕方がないしね。

 でも、その前にやっぱり『悪霊の火』の習得はしておかなくちゃいけない。ロンがいなくなったら壊せなくなってしまうというのは危ないことだし、『悪霊の火』は攻撃用の魔法としても優秀だ。

 

「ちなみに、使いこなせなかったら自分を焼き尽くし、その場にあるありとあらゆるものを焼き尽くすまで止まらない炎でもあるから気をつけなさいね」

「それ、練習とかしたらいけないやつじゃ……」

「大丈夫。その当たりは理論とイメージを重ねた上でトライアンドエラーをひたすら繰り返し、実は結構前から使えるようになっている私がいれば抑えられるから」

「使えるのかよ」

「使えるわよ? なに、使えちゃ変?」

 

 たぶん魔法省の法律的に言えば犯罪待ったなしなんじゃないかと思ったり思わなかったりするけど、あっちが先に犯罪行為をやってきたんだからこっちだって犯罪行為で返してやっても何ら問題はないはず。と言うか、今の状況で法律とか守るわけがない。守って死ぬ法律なんてさっさと消してしまえばそれが一番なのだ。

 ついでに原因も消してしまうのが一番。でもグリンゴッツの金庫破りとか、どうやればいいのやら。

 

「……待って。逆に考えたらどうかしら」

「つまり、どう言うことだいハーマイオニー」

「グリンゴッツに直接消えない火をつける」

「」

 

 ロンの口が開いたまま閉じない。気持ちはわかる。よーくわかる。だって私の口も閉じないもの。なに言ってるのハーマイオニー? 正気? ハリーさんがうつった?

 

「ハリーはうつらないわよ。私たちがいつのまにか勝手に引き寄せられるだけでね」

「……どっちにしろ却下だけどね。全てを焼き払えなかった場合、カップを壊せたかどうか確認できないでしょ?」

「……それもそうね。忘れてちょうだい」

「いや、でも『全体に魔法をかける』ってのは使えるかもしれないぞ? 『服従の呪文』を全体にかけてやればいい!そうすれば堂々と動いても誰一人気にしやしない!」

 

 ロンにまでハリーさんがうつった。ハリーさんは感染症かなにかだろうか。

 ……でも、確かに使えそう。私達のことを存在しないものとして扱うように命令して、うち一人を共に連れていけば……いける?

 

「……いけそうね」

「……だろ?」

「……いけるかも」

 

 よし、それじゃあそう言うことで!

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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