ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 私の誕生日が来た。これで私も大っぴらに魔法を使うことができる。その事はとても喜ばしい。色々な意味で。

 それで、私が目を覚ますとそこにはなぜか製作年月日が昨日の胃薬の山ができていた。ハリーさん自身が『忠誠の術』とかそう言うのを全部無視してやってこれるんだから、こうやって荷物を届けることだってできるだろう。

 それと、胃薬の山の天辺にはハリーさんからの手紙が置かれている。いったい何が書かれてるのかな?

 

『フォーイフォフォイ、フォイフォイフォイ───』

 

 手紙を閉じた。ゆっくりと宛先を確認してみる。

 

 ……あ、やっぱりこれマルフォイ宛だ。なんで私のところに?

 そう思って胃薬の山(粒だったり粉だったり液体だったり)を少し漁ってみると、他にも何人かに宛てた手紙が出てきた。

 ……今渡せるのはロンとハーマイオニー、ジニー、フレッド、ジョージだけだね。かつてのホグワーツ十怪人最盛期メンバーに宛ててるのかな?

 

 とりあえず、その中に紛れ込んでいた私宛の手紙を開いて、中を読んでみることにする。

 

『娘っ子へ。

 

 これを読んでいると言うことは、上手くそちらへの転送が成功したと言うことだろう。失敗する可能性も考慮しつつあえて全部纏めて送ってみたんだが、成功して何よりだ。

 とりあえず、誕生日おめでとう。これで娘っ子も晴れて大人の仲間入り。魔法を大っぴらに使ったり、魔法界の法律では結婚することもできるようになったわけだ。

 そう言うわけでプレゼントとして新作の胃薬を贈ることにする。毎日一粒飲めば効く、万能胃薬だ。文字通りに万能だから飲むのは勿論として頭からかぶっても傷口に直接振りかけても効果のある優れものだが、時間があるなら効果の強い経口摂取を進めておく。

 ただ、当たり前だが摂取しすぎると副作用として細胞が過剰に再生して腕や足、目などが増えて化け物になったり、身体のバランスが崩れて性別が変わったりすることもあ

りうるので飲みすぎないように。

 

 プレゼントについてはこのくらいにしておく。もっと知りたかったら説明書を読んでくれ。

 それから、グリンゴッツに侵入する方法と脱出ルートを伝える。

 

 まずはグリンゴッツに行く。それから『服従の呪文』を使ってベラトリックス・レストレンジの金庫の前に行き、ちょロンの『フタエノキワミアッー!』で扉をぶち破る。そしてカップを見つけたら罠が作動しないように他の物に触らないようにしてカップを取り、破壊する。それだけでいい。

 それと、グリフィンドールの剣についてだが、ゴドリックの谷にあるとある家の墓場に埋まっている。頑張って探し出してほしい。

 あと、学校の方はフォイ達と一緒に生徒主導の公安組織のようなものを作って対応することにした。ホグワーツの校長はMr.プリンスに任されることになるだろうから、人死には出ないと考えていいだろう。多分だが。

 

 それでは俺はこの辺りで。

 

 体調に気を付けるように。

 寝るときはお腹を冷やさないように。

 外出するならハンカチとティッシュと杖とサバイバル道具は忘れないように。

 毎晩歯は磨くこと。

 

 ちゃんと守れよ?

 

 

 ハリー

 

 P.S いくつか他に手紙があるから、本人に会ったら渡しといてくれ。

 

 』

 

 ……なんと言うか、ハリーさんらしい手紙だった。最後の所なんて、お母さんかと言いたくなるような心配ばかり。私が死んでしまう心配なんて、微塵もしていないように見えた。

 ……ここまで買われてるなら、もう応えるしかない。私にできる全力で、ハリーさんの期待に応えてみせよう。手始めに、ロン達に手紙を渡す事から始めようかな。

 私は自分宛の荷物を全部ハリーさんから貰った荷物が大量に入る袋に入れておく。中身はそこそこ整頓されているため、取り出すものに迷ったりはしないようにしてある。

 それから手紙を渡す相手を探し出して直接渡しておけばいい。どうせすぐに相手は見つかるだろうしね。

 

 そして扉を開けると、そこには見慣れた顔があった。

 

「起きたな。誕生日おめでとう」

「ありがとう、ロン」

 

 にっこり笑いつつ、私は袋から取り出した手紙の束からロン宛のものを引っ張り出す。

 

「はいこれ。今朝ハリーさんから届いたよ」

「……マジかよ。守護呪文に反応なんてなかったはずなのに……」

「まあ、ハリーさんなんだし仕方がないよ」

「それもそうだな」

 

 私の言葉にノータイムで納得したロンは、私から受け取った手紙を開く。いったい何が書いてあるのかとても気にはなるけれど、プライバシーは尊重するべきだよね。じゃないと色々面倒だし。

 

「……え、マジで?」

「……何が書いてあったの?」

 

 ロンが手紙を読んでいる途中で、ぼそりと呟いた声が聞こえた。いったい何があったのかと聞いてみれば、ロンはそこから先にすっと目を通してから私に手紙の内容を見せてくれた。

 

 

 ■■■■(塗り潰されていて読めない) ■■■■■■(塗り潰されていて読めない) ロニー坊やへ。

 

 多分この手紙は当日中に渡されるだろう。それを前提として話を進めることにする。

 今日、恐らくそちらに阿呆しょ……魔法省大臣が向かうだろう。ハー子ならわかると思うが、校長の遺品をちょっと違法に取り調べしてそれでも限界があったから今日渡しに来るだろう。

 そうなったら、相手からの質問は全て無視して何も言わずに品を受け取り、適当に品をいじって相手の存在をないものとして扱うこと。

 ロニー坊やならばその対応が一番だ。頭を使うことはハー子や娘っ子に任せておいて、肉体労働担当は必要以上に頭を使わない方が上手く行く。

 俺とフォイはホグワーツに行くことになっているから、分霊箱を完全に壊しきることができるのはお前さんだけだ。

 

 頑張れよ? ロナルド・ビリウス・ウィーズリー。

 

 P.S 娘っ子を泣かせたら殺す。傷つけたら殺す。手を出しても殺す。覚悟しろ?

 

 ハリー

 

 』

 

 ……うん、これは確かにきついね。色々驚くよこれ。むしろ驚かなかったらそっちの方が驚異って言うレベルだね。

 

 ……とりあえず、私は大事にされてるなぁ……って無邪気に喜んでおこう。実際にはどう言うことかは知らないけど。

 

 

 

 




 
明日からしばらくハリポタはお休みします。

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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