ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 ハリーさんはお茶を飲み、マルフォイがエナジードレインで相手の全身を干からびさせ、ロンがフタエノキワミアッー!と何人もの死喰い人の胴体や頭蓋を粉々に粉砕し、ネビルやジニーが戦争屋御用達のゲリラ戦法で数を減らし、不死鳥の騎士団の皆さんが少数を多数で押し潰し、クラッブが死喰い人の頭蓋を握り潰し、ゴイルが超速の体重移動を使ったデンプシー・ロールで一方的に死喰い人の一人をピンボールのように弾き飛ばし続けている。

 

 ……うん、なんと言うか凄く混沌としてるよね。ホグワーツに到着したはいいけど、いったい何をすればいいのか迷ってしまうくらいに。

 まあ、とりあえず情報収集だ。情報収集は全ての基本、昔の戦争でとある国は愚かにも情報収集を疎かにしたせいで無様に惨めに敗北してしまったと言う話をハリーさんがしてくれた。

 だから私はとりあえず情報を集めて状況を整理しようと思う。

 

 えーっと……多数の死喰い人がハリーさんと一緒にお茶しててそこは不干渉地域。大体六割から七割くらいがここに居る。

 それから危ない感じにテンションが高くて明らかに殺傷を目的にしている死喰い人達は、なんの問題もなくマルフォイやロン達にボコボコにされている。大体二割くらいがここに属していたみたいだけれど、かなりの人数が粉々にされてしまったようだ。痛そう。

 それから危なくはないけれど変な感じにテンションの高い死喰い人。一割くらいだけれど、ホグワーツを懐かしんでいるように見える。卒業生による無断同窓会inホグワーツかな?

 ちなみに、テンションの高い死喰い人達は先生方に捕まってお説教されて冷静になり、恥ずかしげに中立の所に行く人も多いようだ。こうしてハリーさんのところで落ち着いてお茶を飲んでいる人達が増えてきているんだね。

 

 ……でも、一番の驚きはシリウスおじさんに『危険が危ない相手だ』って言われたベラトリックス・レストレンジが中立のところに居ることだよね。なんで暴れてないのかな? シリウスおじさんの言葉が正しいのなら、絶対に暴れてマグル産まれを殺し回ってるはずなんだけど……。

 

 ……まあいいや。やらないでいてくれた方がありがたいし、危ないよりは危なくない方がいいもんね。

 

 …………そう言えば、ダンブルドア先生はどこ? 姿が見当たらないんだけど……先に戻ってきているはずだよね? そう言って一人で『姿くらまし』して行ったんだし。

 ……ヴォルデモートと戦闘中なのかな?

 

 

 

 

 

 side アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア

 

 なぜフルネームなのじゃ?

 ……まあ、別に儂は構わぬが、一々書くのも面倒じゃろうに。

 

 さて、儂は今、校長室にどうやってか入り込んでいたトムと相対している。

 

「やあ、トム。元気にしているかの?」

「ええ。パンツハイテー校長もお変わり無いようで。相変わらずノーパン健康法は実施中で?」

「本当にそう言う類いの洒落にならない発言は自重してくれんかの!? あの日以来時々歴代校長やマクゴナガル先生達の視線が痛いことがあるのじゃが!?」

「先生が私を『トム』と呼ぶのをやめていただければ、こちらもしっかりと……『パンツカブル校長』と呼ばせていただきますよ」

「何をどうしっかりしたと!? より酷くなってやしないかの!?」

「しっかりとした表現になっているではないですか」

「その表現が間違ってなければの!」

「ならば……貴様を殺してパンツを被らせてやろう」

「……負けられぬ理由が増えたの。やらせはせん!」

「なに? 『やらせはせん』だと? ……クク……クククク……クハハハハハハハハハハ!!」

「……何がおかしいのじゃ?」

「ククク……これが笑わずにいられるものか……。

 

 お前はもう、被っている!」

 

 ヴォルデモートが儂を指差し、堂々と宣言する。何を馬鹿なと反論しようとした瞬間……儂は気付いてしまった。

 ……いつからだ? いつからこうなっていた……?

 

 ……っ!? まさか、あの時!

 

「次のお前の台詞は……『儂にパンツを被らせると言った瞬間には被せ終えていたのじゃな?』……だ」

「儂にパンツを被らせると言った瞬間には被せ終えていたのじゃな?

 ……はっ!?」

 

 ヴォルデモートは勝ち誇ったように笑い出す。

 

「そうだ!甘さを捨て、成長する……男ならば、『パンツを被らせる』と思った瞬間……その行動を終えているものだ」

「……まいったの。油断も隙もない」

 

 この状況でヴォルデモートが杖を持っていないのが救いではあるが、前に合見えた時には杖を使わずに儂から杖の忠誠心を奪っていった。

 儂が今使っているのは、ニワトコの杖を使うようになる前に使っていた杖。ニワトコの杖では、恐らくヴォルデモートに大きなダメージを与えることは不可能じゃろう。儂がグリンデルバルトからニワトコの杖を奪った時のように。

 忠誠心を奪われたニワトコの杖の魔法は、忠誠心を持つ相手へは非常に効果が薄くなる。これは、普通の杖ならば以前の持ち主にも残っている忠誠心が、ニワトコの杖の場合では現在の主に全て向けられることと関係があるかもしれぬ。

 

「……では、そろそろ預けておいた俺様の杖を返してもらおうか」

「それは無理じゃな。この杖は渡せぬ」

「そうか。まあ構わん。奪った時に摩り替えておいたからな」

「  」

 

 ひょい、とヴォルデモートの懐から出された見覚えのありすぎる杖の姿に、思考が一瞬真っ白に染め上げられてしまった。

 そしてその隙を逃すヴォルデモートではなく……儂の手から一瞬にして杖が奪われた。

 

「エクスペリアームス(物理)!」

「引ったくっただけじゃろそれ!?」

「『武装解除』には成功しているから問題無い!悔しかったら魔法でも使って奪い返してみればいいだろう!できるものならなぁ!ちなみにすり替えておいたと言うのは嘘だ!」

「なんじゃと!?」

「というのも嘘だ!俺様が今まさに持っているこの杖が本物だ!」

 

 はーっはっはっは!と笑い声をあげるヴォルデモートだったが、不意にその哄笑を止める。

 

「……さて、先生。絶体絶命ですね?」

「……なぜ殺さぬ?」

「ふ……今日の俺様は紳士的だ。運がよかったな……」

 

 そう言ってヴォルデモートは儂から奪い取った杖をこちらに放り投げてきた。儂はそれをゆっくりと拾い上g

 

「アイテムなんぞ……拾ってんじゃねぇぇぇぇ!!」

 

 儂の意識はそこで途絶えた。

 

 

 

 




 
ダンブルドア、退場!

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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