ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
フォイ!(挨拶。意訳:久し振り。また来たぞ。等)
side フォイ
フォイ!(挨拶)
早速だが聞いてくれ。突然ホグワーツに闇の帝王率いる死喰い人の軍勢が現れ、暴虐の限りを尽くしている。
とは言うものの、実際には暴れている者と暴れていないものに大きく分けることができ、暴れている者の中にも『逃げる奴はマグル産まれだぶっ殺せ!逃げない奴はよく訓練されたマグル産まれだ気合い入れてぶっ殺せ!』って感じの奴と、『ヒャッハー!久々のホグワーツだぜぇ!確かここらへんに傷をつけてあって……あったぁぁぁ!青春が蘇るぅぅぅ!』って感じの奴に別れていて僕達は『逃げる奴はマグル産まれだ!』の方を一方的に蹂躙している。ちなみに暴れてない奴と暴れているけど無害な奴は基本放置。今は時間が惜しい。
僕の目の前にいるのはフェンリール・グレイバック。満月ではないから噛み付かれたところで狼男にはならないが、それでも僕の半分の防御力が無い先生達では相手をするのが危険すぎる相手でもある。
僕が相手をしたら本当は不味いんだろうが、僕はその事で何か言われたら『フェンリール・グレイバックはホグワーツに入ってすぐに子供の肉の匂いを嗅いでテンションが天限突破して一番近くに居た僕に向かって飛びかかってきて『肉!肉肉肉肉にくにくにくにくにくにくにくにくにくにくニクニクニクヴヴゥゥヴゥゥェェェェイ!くんかくんかくんかスーハースーハー』とかやってきて命と貞操の危機を感じたので反射的に───
ゴギャンッ!
「ぐぺっ?」
───こんな感じで首をへし折ってしまいました……とでも言っておこう。見ている人がいなければ大丈夫だろうし、もしも見られていたとしてもそれが敵であれば同じように口を封じてしまえばいい。
……流石に闇の帝王本人に見られてしまっていたらどうしようもないけれど、殺される前に最大限不利益を与えるようにしてやる。ハリーさん仕込みの嫌がらせと防衛の技、思い知らせてやる。
……まあ、僕が思い知らせなくても誰かがやってくれそうだけどね。ウィーズリーとかグレンジャーとかが。
ウィーズリーは今いつものように「フタエノキワミアッー!」と言う怒号と共に何人かの死喰い人の胴体や首を塵芥すら残さず消し飛ばしているし、ウィーズリーの妹やロングボトムは効率的に相手の死体や気絶した死喰い人を盾にしながら行動しているし、グレンジャーはマグルのゲームに出てくる暗殺者と一子相伝の伝説の暗殺拳の継承者を混ぜた感じで相手の背後に忍び寄っては秘孔を突いて相手の全身に存在する穴と言う穴から血液を吹き出させたり、相手の気脈を暴走させたかなんだか知らないけど内側から爆散させたりしているし、ハリーさんは……死喰い人の中でも温厚でのんびりしている奴等を集めて戦闘に参加させないようにお茶会をしている。
……ハリーさんのお茶会の前にハリーさんが杖を振るって何かを呟いていたのは内緒だ。『インペリなんとか』って聞こえたような気がするけど、きっと気のせいだ。気のせいに違いない。気のせいだと言ったら気のせいだ。気のせいじゃなかったかとしても僕が気のせいだと言えば僕の中では気のせいになる。つまり気のせいだ。
さて、気のせいと言うことで落ち着いたところで、僕は僕で頑張ろうと思う。一応色々と策は練ってきて実行までしたんだが、残念ながらその策もこんな状況では使い道がない。
そうこうしている内になぜか見知らぬ大人達がやって来ていて、暴れたい盛りの死喰い人との戦闘が始まっているし、ダンブルドアも現れてどんどんと場が混乱してきた。
ちなみに、やって来た大人達の戦果はホグワーツ生徒達全員分の戦果の合計の1/10程度。それも、あまり強くない死喰い人ばかりを相手にしていてこれなのだから、魔法省……と言うか、魔法界全体の衰退がいかに酷いものかが目に見えてわかってしまった。
……確かに、これは一度破壊し尽くしてから新しく作り直した方がいいかもしれない。少なくとも、今のままでは魔法使いが純血を保っていられるかどうかは微妙なところだし、純血と言っても実は割とマグルの血が混じり始めていると言うことも知っている。
そして闇の帝王が方針を変え、昔にハリーさんが発表していた新純血理論を基礎にした物を新たに旗として立てていることも知っている。
闇の帝王は、自らの身体に流れる血の半分マグルの血であると言うことを明かした。そして、純血と言うものの認識を無理矢理摩り替えさせた。
今暴れているのはその理論を受け入れることができないでいる者達であり、落ち着いてハリーさんと茶をしばいているのは理論を受け入れることができた者達。
理論を受け入れることができた者達は、魔法を使うことができれば産まれに関わらずそれは魔法族であるとして扱い、マグル産まれは新たなる純血一代目として喜ばしいものだと受け入れている。
ただ、この理論を受け入れている者の中には、僕と縁戚関係にあるベラトリックス・レストレンジが混じっていることに驚いた。
彼女はかなり頑なな純血主義者であったのに、いったい何があって考えを変えるに至ったのか。それがわからなければ、きっと闇の帝王の最も恐るべき力を理解することはできないのではないかと……そう考えてしまう。
……ただ、一つだけ予想できることがある。それは、ベラトリックスが闇の帝王の秘術によって死の淵から舞い戻った一人であると言う事実。それから繋げて考えれば、闇の帝王はそうして蘇生させた人間の意識を操り、自分に盲目的と言えるほどの忠誠を誓わせることができるのではないだろうかと言うことだ。
そうだとすれば、多くの死喰い人……アズカバンで獄中死したはずの死喰い人達が全員闇の帝王に従っていることも理解できるし、妙な感じにテンションが上がっているせいで暴れている以外に暴れる者は、全員が一度も死んでいないと言う共通点があると言う点にも納得できる。
……ああもう、何で僕はこんなことで一々悩んでいるんだ? 僕はあくまで役目で言えば
そう言うのはグレンジャーかポッターの役目だと思うんだけど……。
……まあ、いいや。結局考えられるならそっちの方が良いことには違いない。僕にできる限りのことはやっておくとしよう。
とりあえず、目の前で杖を振りかぶっている馬鹿をカウンターからのエナジードレインで仕留めておこう。面倒だけどな。
フォイ!(挨拶)
フォイ!(挨拶。意訳:忙しいからこの辺でさよならだ、等)
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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他の止まってるやつの続き