ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 シリウスおじさんからダンブルドア先生に連絡があったらしい。どうやらハリーさんの言葉を信じて探していた分霊箱の一つを探し当てることに成功したらしい。

 スリザリンのロケット。それが間違いなくそこにあることを確認し、興奮したようにそれを報告してきたそうだ。

 そこで、ダンブルドア先生がそれを破壊しに行くと言う話をしたとき、私はすぐにそれに着いて行くことを願い出た。駄目だと言われると思ったけれど、どうしてかダンブルドア先生はすぐに許可をくれた。

 

 そして私とダンブルドア先生は今、よくわからない海の洞窟の中に居る。なんとも魔法臭い洞窟で、どんな魔法かはわからないにしてもどこに魔法がかけられているのかがすぐにわかってしまうような場所だった。

 多分、この隠し場所はバルバモートがまだヴォルデモートを名乗っていた頃に作ったものなんだろう。じゃなかったら、こんなに簡単に場所がわかるようには作らないと思うしね。

 

 そう言うわけで、私はダンブルドア先生に言われるままに魔法力を抑え込む。ハリーさんに言われて覚えてみたんだけれど、意外に便利でびっくりした。

 なにしろ魔法の力で動いている存在……つまりはゴーストや亡者からは感知されなくなるみたいだし、ついでに今みたいに魔法力の量に応じて発動するだろうと予測された小船の罠に引っ掛からないようになるのだから。

 ……ハリーさんはもしかしてこうなると言うことまで予想していたのだろうか? あまりにも使い所が限定されているにも関わらず、妙に使い勝手かいい小技ばかりを教えてくれているからそんなことを考えてしまった。

 湖の水の中には気色の悪い死体が沢山。動く死体と言えばリビングデッドとかデッドマン・ウォーキングって言うんだと思うけれど、なぜか亡者。なんでだろうね?

 この死体はダンブルドア先生とハリーさん曰く『とりあえず焼けばおk』らしいので、とりあえず何かあったら『インセンディオ』か『悪霊の火(縮小版)』をすぐにでも使えるように準備しておこうと思う。

 

 そんな感じで湖を渡った私とダンブルドア先生は、奇妙な形の石の水盆とその中に入ったエメラルド色に輝く謎の液体を発見した。

 けれど、私にはそこから先はどうすればいいのかわからない。触ろうとしても触れないし、『消失呪文』も効果なし。『変身』させようとしても周りの空気を操って吸い上げようとしても効果なし。その液体はピクリとも動かなかった。

 

 ……さて、それはいったいどうすれば取り除けるのか。ハリーさんだったら水盆の根っこを砕いてひっくり返すとか、『呼び寄せ呪文』とは別の……特に空間転移系統の魔法で手元に転送したりとかしそうだけれど、私にそれはまだ無理だし……。

 

 と、私が迷っていたらダンブルドア先生が結論を出した。飲むそうだ。

 もう一度言う。このエメラルド色に輝く謎の液体を、全て飲み干して中にあるはずの分霊箱を取り出すそうだ。

 

 ……絶対に身体に悪いよねあれ。昔にテレビのニュースで見た中国の工場から川に垂れ流される重金属を含んだ廃液と同じような色してるし、間違いなく毒物だよねあれ。確かにポリジュース薬とかもっとえげつない色をした薬もあることはあるけど、それらの薬を飲んでも平気だからってこれを飲んでも大丈夫ってことにはならないし。

 だからダンブルドア先生が飲むためにグラスで掬い上げたそれを見て、ふと思い付いたことを実行してみた。

 

 私はダンブルドア先生の持つグラスをひょいと奪い取り、ダンブルドア先生が止めるより速く一杯目を飲み干した。早食いは得意だからできるとは思っていたけど、やっぱりできてしまった。

 ダンブルドア先生は私の行為を見て呆然としているけれど、私はかなり不味いさらさらとした液体を無理矢理に飲み込んだ。

 そして、自分の身体に起こる変化を待つ。

 

 ……待つ。

 

 …………待つ。

 

 ………………待つ。

 

 ……………………いつまで待たせるんですかねぇ? こう言うのって普通はもっと速効性を持たせてやんないとさっさと全部飲まれて持ち逃げされちゃうんじゃないですかねぇ!? なんなの? もしかしてヴォルデモートは馬鹿なの? ひょっとして死ぬの? ……等と思いながらも、待つ。

 

 ……ヒャア、もう待てねえ!お代わりだァ!

 

 と言うわけで二杯目。身体には何の異常もない。

 三杯目。身体には何の異常もない。

 四杯目。身体には何の異常もない。

 五杯目。身体には何の異常も(ry

 六杯目。身体には何n(ry

 七杯目。身体にh(ry

 

 ……ふと思い出した。ハリーさんは、時々身体に支障が出ない程度に毒が入っていると言う食べ物を私に食べさせてきていた。冗談だとばかり思っていたけれど、もしかしたらあれは本当のことだったのかもしれない。そのお陰で私の身体は毒物に慣れて…………毒?

 ……あ、違う、ハリーさんの食べ物に毒が入ってて慣れた訳じゃない。胃薬が原因だこれ。

 今日の朝、起きてすぐに一粒飲んだ。そして12時間過ぎた頃……つまりここに来る前にもう一粒。原因は間違いなくそれだ。

 確かに色々な症状に効くとは書いてあったけれど、まさかヴォルデモートがこうして最後の砦として使うような薬にまで効果があるって言うのはどうなの?

 

 ……あと、ごめんねヴォルデモート。ハリーさんに勝てるわけがなかったよね。それなのに馬鹿なの? 死ぬの? とか言っちゃって本当にごめんね? 悪かったとは思ってないけど一応謝っておくよ。ごめんね。

 さて、そんなわけで普通にロケットが手に入った訳なんだけど、これはいったいどうしよう? 私にはこれの壊し方はわからないし、ダンブルドア先生にも同じようなものである指輪は壊せなかったって言うし……どうしよう?

 

 ……ハリーさんが言ってたね。ロンならフタエノキワミアッー!で壊せるかもしれないそうだし、とりあえずホグワーツに戻ったらロンに頼むだけ頼んでみよう。きっと試すだけ試してくれるはずだ。そして一度あまりの硬さに諦めそうになって、ハーマイオニーがほっぺにキスしてくれるって言うご褒美が貰えるとわかった途端に張り切り出して一瞬にして粉々にしてくれるに違いない。

 そして最後に壊すだけ壊したけどなんだったの? と聞かれ、私がヴォルデモートの魂の欠片の入った分霊箱で、それを壊したロンは間違いなくマークされたから気を付けてね、あとそのロケット自体はスリザリンの家宝であるロケットで値段を付けたら間違いなく天文学的な数字になる上にマルフォイの家の金庫の中身を全部纏めても足りるかどうかわからないくらいの値段だったとか言ったら……凄い反応を返してきそうだ。ああ面白い。

 

 ……うん、まずは帰ろうかな。その前に、固まったままのダンブルドア先生を起こさなくちゃ。

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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