ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
艦これ~ほんとはただ寝たいだけ~
不定期更新始めようと思います。
更新するのは書けた時。気分次第で推敲したりしなかったり。
基本的には理不尽コメディですね。多分。
side エリー・ポッター
試合には勝てた。うん、勝てた。勝てたんだよ? 480点差で。グリフィンドールが490点、スリザリンが10点で。
ただ、予想は全体的に全部当たっていた。具体的に言うと、ブラッジャーはやっぱり赤くなって三倍速でビュンビュンと飛び回っていたし、スニッチは辺りの景色に同化したし、フィールドは岩山になったり渓谷になったりして飛ぶのに苦労させられた。
まあ、赤くなって三倍速くなったと言っても赤くならずに三倍速くなることはなかったし、赤と黒を行ったり来たりするのには何秒かのタイムラグが必要だったのでそこまで厄介な相手ではなかったし、スニッチはゼロコンマ何秒遅れでしか周りに溶け込めないようで動いているとほんの少しだけ違和感があってそこにいることがわかるし、フィールドが変わっても少しすればみんなその地形に慣れて適応できる。
そう言うわけで、よく訓練されたホグワーツのクィディッチプレイヤーならこの程度のことは日常茶飯事といっていいような事だ。
……いやいや流石に日常茶飯事と言うのは言い過ぎたかな。でも、慣れれば簡単に合わせることができるって言うのは本当だけどね。いくらなんでもフィールドが大規模に変動することが日常茶飯事って言うのは無いかな。うん。
まあ、それはそれとして……どうやら私に惚れ薬を盛ろうとする人達が居るらしい。
間違えた。居たらしい。
ハリーさんとスネイプ先生が、そんなことを考えた人達全員を綺麗に粛清したそうな。正直なところ、どうして私なんかを標的にしようとするのかわからない。
食べ物に入れて送ろうとしたそうだけど……きっと送られて来たら本当に食べちゃってただろうね。効くかどうかは別だけど。
「効かないだろ。娘っ子の場合なら」
「そうなんですか?」
「ああ。ある程度魔力が多いと効果が薄まったりするようになってて、とりあえず今のホグワーツ十怪人には全く効果は出ないと思うぞ?」
「……よくそんな薬を作れましたね?」
「俺は作ってないぞ。ただ、材料を用意してサンプルとして目の前で作ってみせて作り方を教えて材料を定期的に供給して代金を頂いているだけだから、作っているのは赤毛の双子だ」
「初めに作ったのはハリーさんじゃないですかやだー」
「初めに作ったのは俺じゃない。ちょっと何百年か前に作り方が失われた惚れ薬のレシピを適当に改造しただけだから作り始めたのは俺じゃない」
「改造してる時点でハリーさんが作ってるも同然じゃないですか」
「いやいや、俺が作った物は売りに出されてない。俺が作ると時々効果が寿命が続いている間には切れないようなものが出来上がったり、何故かどう頑張っても解毒剤が作れないどう頑張っても毒にしかならない上に分霊箱を壊せるくらいの魔法的威力も持った理解不能な暗黒物質としか呼べないが暗黒物質の領域を遥かに越えた物体Xができたりするから売れないよ」
「聞きたくなかった新事実!ハリーさんにも理解できない毒物とか人間が手を出していい領域にあるとは思えないんですけど!?」
「ちなみに前にレクトレージとか言う奴に盛ったら全身の皮膚が泡立って緑と群青色のマーブル模様になり、肉が蒸発して骨が内側から溶解して大変なことになってな……」
「実験したんですか!? しかも人で!?」
「ちなみに二分後に同じのを盛ったレストラードとか言う奴は全身の皮膚と言う皮膚が鋼鉄よりも硬くなって動くどころか呼吸すらもままならなくなって死亡したな。相手によって効果が全く違うってのは本当に厄介な性質だよ」
「そんな何人にも毒を盛らないでくださいよ……」
「ヴォルデモートの信奉者に毒を盛るのは駄目か? それも結構実力のあるやつで、まともな方法で相手をしたら面倒極まりない奴なんだが……」
「悪人に対して不意打ちで事を終わらせるのは推奨されることです」
「さっきは色々言っていたのにな」
「なら訂正しましょう。『無差別に他者を殺害するのは控えるべきです。敵対者にならともかく、敵対していない相手にまでそれをやると必要以上に敵を作ることになりますから、一般人に毒を盛ったら駄目ですよ?』」
「娘っ子も大分強かになってきたな。安心しろ、やるならやるでバレないように上手くやるさ」
「まず『やらないようにする』っていう選択肢がほしい所なんですけど」
「人生欲しいものが全て与えられる訳じゃないんだ、今あるもので何とかする癖をつけるべきだな」
「本音は?」
「やるときはやる。必要ならやる。必要無くても気分次第ではやる」
「そろそろ気分での行動はやめた方が……」
「今日は炒飯と担々麺でも作りたい気分だったんだが、気分での行動をやめろと言われてしまったし作るのやめるか」
「気分での行動最高じゃないですか、どうぞハリーさんのやりたいようにしてください」
「じゃあ娘っ子に薬を盛ろうとした馬鹿に追加で制裁加えてくる。プリンス殿の協力もあるから平気平気」
「……死なない程度にしてあげてくださいね?」
「大丈夫、相手の残りのライフポイントが虚数になったら辞めてあげる予定だから」
「へぇ……ん?」
虚数……と言うと……たしか、『同じ数を掛け合わせるとマイナスの整数になる数』の事で、実際には存在しない数として数学では『i』として表記されるあれだよね?
となると、『相手の体力が実際には存在しない数になるまで痛め付ける』ってことは……事実上永遠に殺り続けるってこと?
「殺らん殺らん、殺ったとしても半分と半分の半分と半分の半分の半分と半分の半分の半分の半分だけだ」
「……」
半分は50%、半分の半分は25%、半分の半分の半分は12.5%、半分の半分の半分の半分は6.25%。全部合計すると……93.75%。うん、十分死ねるねこの割合。
「ちなみに日本式で正確に『十分』を%で表すと、たったの10%なんだよな。『勝率は五分』って言うと五割くらいと思われてるが、そういう時には『五分五分』と言う言葉を使わないと『勝率5%』って意味になる」
「なにその豆知識」
知っててもあまり意味があるとは思えないんだけど……なんの意味が?
「特に意味は無い。全く無い訳じゃないがこれといって強調する必要のある意味は皆無と言っていい」
「……つまり?」
「その場のノリと気分の行動に意味を求める方がどうかしてるってことだな」
「もうなんだかなんでもいいです」
私は溜め息を一つつく。
……ああ、疲れた。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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